2007年10月20日(土)

「こどものじかん」第1話 なかよしのいっぽ(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 10点[前回比: -](累計: 10/10 平均 10.0)

 この作品も、ねこアニメだったのか……。

 うっかりキーボードを叩く手が滑ってDVD予約済なので(注: ランドセル狙いではない)、わざわざ放送修正版を見なくてもいいんですけどぉ……。制作側も半分自棄になってるような気もしますが、前後の文脈から明らかに類推できる放送修正はギャグ演出として是認できなくもないという肯定的評価を下すに足る状況証拠を収集するという目的に鑑みて(くどい!)。直截に。たかが現実が、アニメの放映を左右しようなどと、おこがましいとは思わんかね?
 っていうか、原作の雰囲気から覚悟はしてましたけど、重い。第一話からフィギュア17なみにヘヴィですわ。だからこそ、個人的には、けっして趣味に合致するというわけではないですが。しかし、これをどうハンドリングするかで、菅沼栄治監督と岡田麿里シリーズ構成の手腕が試されるというところでしょうか。わんわん(また放送修正?)
 つまるところ視点の問題なのですよ。この第1話では、まず新任の青木先生の視点で、担任を受け持つことになったこどもたちを「了解不能なもの」として描いている。それに対して、りんちゃんをはじめとするこどもたちの立場では、教師という大人を、明確な攻撃対象とするところから物語が始まっている。それら二つの視点のダイナミックなせめぎ合い、すれ違い、重なり合いこそが、この作品の核ではないかと思うわけです。だからこそ、やはり主たる視聴対象は、かつてこどもであった大人たちのような気がします。大人の立場にいる青木先生に多少なりとも共感できないと、作品の本質を理解することは難しいかも。だからといって、視聴年齢制限をかける必要があるとは思えないのですが。だいたい「もえたん」をふつーに放映しといて、これがダメだという理由が判りません。
 それはともかく、TVストリームアニメでもやっぱり、りんちゃんくろちゃんみみちゃんがかわいい。象徴的なのは、宇佐、鏡、九重という苗字が並ぶ出席簿(男女混合名簿にも思うところはなきにしもあらずですが)。囲われた世界である学校の中で、出席番号の近さは、そのまま児童同士の距離の近さにつながる。作劇上も三人組という設定は非常に扱いやすくて、もっとも互いの個性が顕著に描かれる、まさに黄金のとらいあんぐる。個人的な好みを言わせてもらうと、くろちゃんがいっとう素晴らしい。真堂圭さんの演技を聞くと、梨花ちゃまと同じく、黒くろちゃんと白くろちゃんがいそうな気がしますが……(わかりにくいな)。みみちゃんの真価が発揮されるのは次回以降ですかね。さいきん「おジャ魔女どれみ」を観ていて、はづきちゃんが白雪さんに見えることはなくなってきたんですけど、こんどはみみちゃんに見えるようになってきたのが悩ましいところ。そして、悩まし番長ならぬ悩ませ番長として今後ますますご多幸をお祈りすべきりんちゃん。最近の喜多村英梨さんのご活躍には目を見張るものがありますね。略称するのも畏れ多いということで、そろそろ喜多村さまとよばせていただきましょうか。
 なんだかんだと、いろいろ思うところはありますが、とりあえず、このEDですべて許せてしまえますね。勘違いした常識を越える作品になってくれることを願います。

2007年10月27日(土)

「こどものじかん」第2話 にこにこのごほうび(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 9点[前回比: -1](累計: 19/20 平均 9.5)

 「きこえなーい」というのは自虐ネタですか。

 原作の知識を前提にしないと話の筋が判らないというのは、スタンダロンアニメとして致命的な問題だと思うのですが……。こんなに健全なお話なのに、規制のせいで余計に恣意的に見えるじゃないですか。長いアイキャッチだこと。
 その一点を除けば、とにかく圧倒される世界。きれいはきたない、きたないはきれい。こどもであっておとなである、おとなでなくてこどもでない、りんちゃんの魅力が凝縮されたお話だったと思います。絵コンテ井出安軌のせいで、ときどき斎藤桃子に聞こえるのは措いといて。世の中にはこどもが好きな人もいるってこれに書いてあるよ(没収)。

2007年11月03日(土)

「こどものじかん」第3話 すくすくそだて(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 10点[前回比: +1](累計: 29/30 平均 9.7)

 小鹿書店、全国チェーン展開希望。

 あぁ、もう心臓止まりそう。これを見てもまだ心が動かない人は伊勢湾に沈。くろちゃんなら「三重」という字面からでも九重りんちゃんを連想しそうです。
 和菓子の製造日はごまかせても、体の成長は隠しきれない。サブタイトルとは裏腹に、まだ育ちたくないと願うみみちゃん。それは、こどもでいたいというよりはむしろ、まわりとの異化を恐れる情動。どこの世界でも、マイノリティは迫害されるものですからね。他人と違うことを恐れないように見える、りんちゃんくろちゃんとは対照的に描かれています。といいつつ、このふたりについても、「それはそれで問題が……」という、今後の展開を示唆する留保が入っているわけですが。
 原作を参照するというのは反則ぎみなのですが、時間軸上、青木先生がりんちゃんに相談するのが、三人のオカイモノの後にずらされているのがポイント。大人の思惑をよそに、こどもたちだけでなんとかするというのが強調されています。そこで描かれているのは、大人の無力感ではなく、むしろ、こどもへの憧憬に近いもの。だからこそ、青木先生の「大人がしっかりしないと」という決意につながる。なんか、アニメ版「こどものおもちゃ」が最終的に示した課題に、大人の視点から応えようとしているふうにも見えます。重いテーマを扱いつつ、あくまでまっすぐゴーと前向きなのが好印象。
 ところで、前向きといえば、妙なポジティブさをかもし出している宝院先生がだんだん好きになってきました。この人の存在だけでも、この作品が単なる○○○○アニメでないことはたしかでしょう(雑音が多いな……)。

2007年11月17日(土)

「こどものじかん」第5話 なつやすみのとも(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 10点[前回比: +1](累計: 48/50 平均 9.6)

 花火のシーンのディテールアップが感動的。

 夏休み終わらなければ、どころか、夏休みなんて来なければいいのに。本当に、あらゆる意味で既成概念を打破する画期的な作品ですね。「こどもだから」とか、「こどものくせに」という色眼鏡で見られる不合理、不条理。それが、スクール水着を着られる特権階級にありながらそれを拒否するりんちゃんと、既にその資格を持ち得ない宝院先生の対比を通して、鮮やかに描かれています。とか言っておいて何ですが、宝院先生は好きですよ。
 井出安軌絵コンテの印象的なレイアウトで強調される、めまぐるしく変わる視点人物。あるときは青木先生の立場に従い、あるときは宝院先生の目線に立ち、またあるときはりんちゃんの見る世界を映し出し、さらにはりんちゃんのぬいぐるみ視点まで登場(最後のは余計)。そして、それを取り巻く世界が極めて稠密に描かれているからこそ、彼らの心のすれ違いがよりコントラストをもつ。ラストシーン、みんなが同じ花火を見ていていても、音と光の速度が違うように、ひとりひとりの心にも些細な行き違いが存在している。ますます今後に不穏なものを感じさせる展開になってきましたが、引き続き目が離せない。とりあえずEDは何十回見ても飽きません。

2007年11月23日(金)

「こどものじかん」第6話 おもいで(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 58/60 平均 9.7)

 DVDの初回特典がランドセルなのも納得至極。

 もはや、今回のために、レイジ役に杉田智和を配したといって間違いないでしょう。物語の根底に流れる、黒い部分を凝縮して煎じ詰めたような回。大地丙太郎作品にも匹敵するものすごい話。現代アニメの最先端がここにあると認めましょう。新しすぎて、まだ今の時代では正しい評価がされにくいのかもしれません。だいじょうぶ、見てる人はちゃんと見てる。10年後くらいに、ふつうにキッズステーションとかで再放送されるのが目に浮かびます。10年か……来年の新入学に備えてランドセルを買ってる子が高校生になる頃……。長いな。
 「はやくおとなになりたいな」というのは、多くのこどもが思うところでしょうけど、レイジの場合はそれがとりわけ切実なもので。変えようのない現実と、取り返しのつかない時間。それを経て、りんに希望を見いだしている今。しかし、彼がりんを通して見ているものは、彼女自身の未来なのか、あるいは、彼女の母親という過去の幻影なのか。カットインされる現在時制のシーンで、りんの服や母親の遺影といった、無生物にだけ色彩があるという演出からしても、後者である可能性が非常に高い。ある意味、レイジのじかんはあの日以来、止まったままだと言うこともできるかもしれません。
 ある種のミステリならば、あるいはそれこそ美少女ゲーム原作ならば、この物語がレイジ視点で描かれることもありえたでしょう。それでも、この物語が「こどものじかん」である以上、彼は既に脇役でしかない。であればこそ、今回の話は、主人公であるりんの視点に立って見ることも可能。そうしてみると、それがそのまま、これまで青木先生を惑わしてきた彼女の言動に対する解答になっている。そして、彼女もまた「はやくおとなになりたい」という想いをどこかしら抱えて日々を送っている。しかし、時間を「スキップ!」することは叶わぬ夢(「もえたん」ではなく北村薫です<じゃあ何故感嘆符がついてる?)。ここから、りんが、そして青木先生が、どのような道を選びとるのか。二学期も期待してます。ふたたび黒ちゃんとみみちゃんの元気な姿が見られるのと一緒に。

2007年12月01日(土)

「こどものじかん」第7話 りんかんがっこう(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 9点[前回比: -1](累計: 67/70 平均 9.6)

 そこはやはり「よこぼうだー」で(あれは声優さんのアドリブですから)。

 都会の喧噪を離れた山に、ひととき響くこどもたちの喧噪。小鳥のさえずりもひっきりなしに聞こえてた気もしますが。なんだか幸せオーラが見えます。今回はくろちゃんが実に魅力的。原作でも、電車の中で「このひとちかんでーす」と言うシーンが、何故か妙に好きなのですよ。ちなみに私は民間でも、車内で騒ぐこどもは(一番線列車がまいりますご注意ください)。
 いわゆるひとつの萌えアニメでは、海とか温泉に行く回は、いっけんどうでもいい話に見えて、実は裏で各キャラクタの壮絶なつばぜり合いが演じられ、物語の転換点となることが往々にしてある。この話でもそれが当てはまり、こどものじかんとおとなのじかんがせめぎ合う。青木先生と同じ目線に立つことのできる宝院先生に対し、見上げることしかできないりんちゃん。いっぽう、りんちゃんと同じ目線にありながら、流されてしまうくろちゃん。あるいは、目線が違う故に見なくていいものを見てしまったみみちゃん(っていうか、この子の将来がすごく心配なのですが!)。それでも、草原に寝転がれば、みんな同じ目線でいられる。たとえ、見ているものが違うとしても。後半戦に向けての仕込みは着々といったところでしょうか。

 ということで次回はりんたろうくん誕生。ってか、りんたろうって。

2007年12月08日(土)

「こどものじかん」第8話 だっこしてぎゅっ(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 8点[前回比: -1](累計: 75/80 平均 9.4)

 くろちゃん、商品化とか生々しいこと言わない。

 りんちゃんとかりんくんとか言われて、なんだか SHUFFLE! 日和。気のせいかレイジ@杉田智和もはっちゃけ気味。ついでにロゴマークもいつもよりくるくるシャッフルしておりますが。ココロごとぶつかった結果ということでしょうか、会話も映像も全部伏せられると何がなんだか。もはや高度な虫食い算の様相を呈しております。考えちゅ! だけじゃ NoNo オトナ脳。
 そうでなくても、いろんな要素が詰め込まれて、やや主軸が見えにくくなってる気もしますが。しかし中心に置かれるのは、第6話を受けてようやく明かされた、りんちゃんが心に抱える寂しさ。それを、大人がどう正面から受け止めてあげるべきか。女の子が男の子のふりをすることはできても、男の子になりきることはできないように、こどもがおとなになるにも長い時間がかかる。こどもだから抱く想い、おとなだから判ること。そのどちらもがかけがえのないもので、傷つけ合うことにはなってほしくない。だから、抱きしめることで、瞬間、心重ね合い、わかりあおうとするのかも。

2007年12月22日(土)

「こどものじかん」第10話 ひとにやさしく(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 10点[前回比: +1](累計: 94/100 平均 9.4)

 ひかりのまほう。

 ランドセルDVDを観てしまうと、やっぱりデチューンが気になってしまいます。や、ビットレートの低さが、ですよ? いろんなまほうがかかった状態も、それはそれで楽しめると思うのです。オーディオコメンタリでもツッコまれてましたけど、くろちゃんが青木先生をよぶときのSEは、もはやひとつの芸と言えなくなく。くろちゃんと言えば、白ちゃんの話は残り話数的にカットでしょうかね。まあ白井先生だからいいや……(おいおい)。
 そんな感じで今日もめいっぱいかわいいくろちゃんの横で、真のダークサイドに堕ちていきかけるりんちゃん。みみちゃんのメガネを借りた姿にときめかないかと言えば嘘になりますが、めがねっこの資格を持たない者がメガネをかけるという禁を犯した代償は大きい。目の痛みは心の痛み。見たくないものも見えてしまう。
 素直になれない自分が変わる、ちょっと特別な場所、それは学校の階段。恋のライバルであるはずの宝院先生に、ひとりの児童として相談に乗ってもらう、皮肉のようなお話。それでも、それによって救われるりんちゃん。あぁ、なんていいこなんだ。宝院先生もよぉーしガンバるぞーやってる場合じゃありません。
 対する青木先生。少しずつ教師であることに自信を持ち始めてきたところで、揺らぐ心。りんちゃんとふたりっきり教室のシーンは第1話を彷彿とさせるけど、お互いの抱く感情はずいぶん変わってしまっている。備えあればうれしいなとはよく言ったもので、まさに無防備な状態で不意打ちを食らわされた青木先生。レイジとの差は、自覚的であるか否かのような気もします。果たして、このふたりの直接対決が見られるのかどうか。

2007年12月25日(火)

「こどものじかん」DVD 1科目(バンダイビジュアル)感想

こどものじかん_1

 オーディオコメンタリも全力全開でした。

 まほうがとけたDVD版。初回特典ランドセルの出来が意外に良くて、まあ、その、なんていうか良かったです。思ったよりちっちゃくて、DVD全巻収納BOXのはずなのに、この1巻だけで既にきついですが。「砂沙美☆魔法少女クラブ」のてんこ盛りパックだったら全然入りませんよ(脚本が岡田さんつながりということで……)。実物だったら余裕で入ると思うんですけどね。この時期、イオンとかに行けばいっぱい並んでますし(実行しません)。
 round shell featuring Rin の話はこのくらいにして。本編、改めて観ても完成度高いです。のの字が回らないとか、変なSEが入らないとかいうレベルではなく。ツッコミが過激なオーディオコメンタリでもしっかり指摘されていましたが、作り込みが実にきめ細やか。新任教師である青木先生の目線と、りんちゃんたちこどもの目線のせめぎ合い。それが、OPの演出から本編の情景描写、あらゆるところで読み取れるようになっています。
 今回気づいたのは「階段」の使い方。後の話でも重要な場面で出てきますけど、第1話から、青木先生に「ごほうび」をあげる三人組というシーンで、階段が効果的に使われています。さらに第2話、こんどはりんちゃんが先生にごほうびをねだるシーン。体育館裏ですが、ここでもわずか数段しかない石段の上に座るりんちゃんが描かれています。どちらも、りんちゃんが上の段にいるのに注目。大人だけど教師としては新人の青木先生と、こどもなのに大人びた言動で、こっそり先生の授業進行を助けるりんちゃん、その立場の逆転がここに明確に現れている。そしてそれは、危うい微妙なのよバランス。「止まれ」のラインを踏み越えたらもう戻れない。今はまだ、スクールゾーンの内側だけれど。この先、いろんな意味で大変なことになっていく物語ですが、もう一度ちゃんと追っていくのが楽しみです。

2007年12月29日(土)

「こどものじかん」第11話 みんななかよく(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 104/110 平均 9.5)

 みみちゃんの「かいしんのいちげき」が空振ってしまったことだけが残念。

 レイジー、君はレイジーブルー。この段階でこのエピソードをやるというところから、薄々予想はしてましたが。これまた見事なシリーズ構成。
 思うに、教室の壁に貼られた「みんななかよし」は、一種の結界を成していたのですね。その効力が届かない、たいくかんそうこでの出来事。ちょうどDVDで見直したばかりで印象に残ってる、第2話のラストとも平仄が合います。あのときは気づかなかったりんちゃんの想いを、いまや知ってしまっている青木先生。そして、あのとき以上の想いを先生に抱くりんちゃん。あの日湯船に立てられたさざ波が、大きな波紋となってレイジーとりんちゃんに襲いかかる。包丁はやめてー。
 最終回は新年に持ち越し。みんなの想いのその先を、そして、跳梁跋扈する「の」の字の行方を、しっかりと見届けたいところです。

2008年01月04日(金)

「こどものじかん」第12話 こどものじかん(BIGLOBEストリーム)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 114/120 平均 9.5)

 こどものじかんよ永遠なれ。

 すべての人々に、救いが訪れる。時は満ち、祝福の鐘が鳴りひびく。どうぶつSEと、のの字もいっしょに降り注ぐ。今こそ、なにもかもが赦される時。
 この展開には、もはや「School Days」を思わずにはいられません。混沌の2007年アニメの中でも、ひときわ異彩を放っていた通称スクイズ(大森望的に言うと「裏ベスト1」)。あの物語が、あんな結末を迎えてしまったのも、彼らが高校生(相当)という年代であったからこそ。走り出したら止まらない、踏み出した一歩が、惨劇への雪崩を引き起こしてしまう坂道。それを思うにつけ、本当に、この物語がこどものじかんであってよかったというか。こどものじかんだからこそ、前を向いて進める。前を見ながらも、左右に注意して歩ける。いったんていし、一線を超える手前で、踏みとどまることができる。りんちゃんくろちゃんの「おっとな〜☆」な言動も、あくまで健全な領域にとどまっていられるわけです。だからこそ、エンディングは「オトメチック初心者でーす」が選ばれたのでしょう。otometic は automatic のようにはいかない。わかばまーくの、こどものじかんは始まったばかり。
 もう一つ忘れてはいけないのが、こどものじかんと相克する、おとなのじかん。てっきり、青木先生がレイジー一喝で締めるのかと思ってましたが。けっきょくレイジーも、おとなになれないこどもだったということで。「お前に何が判る」ってのは、浅い脚本で使われると一気に醒める十大台詞のひとつなのですが、ここはこのレイジーであるからこそ言わせるべき台詞。それに対する青木先生の受け止め方も見事でした。判らない。判らないことが解るということ。それでも、解ろうとしたい、それが教師として踏み出すべきいっぽ。平凡な、ふつーの人間である青木大介。こどもたちに振り回され、先輩の教師からは叱責され。そう簡単に立派な大人になることはできないけど、こどもとはまた違った形で、前に進んでいく。共に歩んでいく。
 ……実はここで、気になることがあるのですけどね。りんちゃんの青木先生に対する想いは、果たして本当に恋愛感情だったのかどうか。もしそうだとすると、こどもとかおとなとか関係なく、その想いに対して、青木先生は明確な答えを出せていない。りんちゃん自身、青木先生を「はじめて信頼できる大人」と形容していて、それはまるで、こどもが大人に見せる純粋な憧憬だったようにまとめられています(レイジーはもとより、母親もここでは除外されていて、肉親に対する情とは別物だという自覚はあるようですが)。まあ、そこまでツッコむには、一クールは短すぎるでしょうし、あえて第二期、あるいは原作版の結末への余地を残したとも考えられます。何より、それをやると、今度こそどこでも放映できそうにない気もしますが。
 で、のの字の話。それこそ「おっとな〜」な事情も鑑みて、あまり白眼視すべきものでもないというか。話の筋が判らなくなるのはさすがにどうかと思いましたが、最終的には本筋の阻害要因にはならずに済みましたし。対価は払わなければならない。くろちゃんのありがたいお言葉を聞きたければ、DVDを買うべしなのですよ。まあ、本筋とは関係なく、くろちゃん最高です。くろちゃん万歳。ってか、みみちゃんのおべんきょうがそのままにされたことが、最終話で最大の驚き。将来が楽しみなお子さんです。
 総点は96点。まだ言い足りないことは、DVD版を観て随時。

評点グラフ - こどものじかん

2008年03月03日(月)

「こどものじかん」DVD 3科目(EMOTION)感想

こどものじかん_3
 今日はみみちゃんの日だから……というのは関係ありません。

 第5話と第6話を収録。ストリーミングでいろんな意味で見づらかったところが、DVDまほう解除版で観ることで、あらためて深遠な演出意図に気づかされます。第6話は本当にすごい。通称こじからしからぬ話でありつつ、「こどものじかん」の本質を衝いたエピソード。ただ泣かせればいいというだけではなくて、ちゃんと前や後につながる、伏線満載の回。相変わらず岡田麿里さんは伏線大魔王ですか(何だそれは)。失礼、伏線魔法少女でしょうか(渋柿タンニンとってる?)。
 それにしても相変わらずオーディオコメンタリは史上最強。自分の言いたかったことを的確に感情吐露してくれる、主演声優だというのに素晴らしい視聴者視点。第6話とか、「りんちゃんかわいい」しか言ってないぞと思いつつ、自分もふだんはりんちゃんくろちゃんかわいいしか言ってないという思いもなきにしもあらず。
 来月からのBS11デジタル全国放送も楽しみにしてます。

2008年05月24日(土)

「こどものじかん」(EMOTION)感想

■まほう解除版

 DVD全6科目、授業終了ということで、帰りの会。本放映時は、のの字だったり、くろちゃんの台詞の大半がピヨピヨで消されてたりのデチューン版でしたが、これが本来の姿。当初は、こういうの趣味じゃないんだけどなぁ……とか思いつつ、視界良好、テンポの良い演出に乗せられて、気がつけばすっかり完全肯定もーど。小学校だけに校庭みたいな(小矢島先生ギャグ禁止<小矢島先生はそんなこと言いません!)。くろちゃんは素晴らしい。みみちゃんは愛らしい。りんちゃんは愛おしい。オーディオコメンタリの主演声優の皆様におかれましても、夢と感動をありがとう。

■すべてのこどもだった大人へ

 本質的なテーマについては、本放映時に感じたことからそれほど変わってはいないのですが、まあ社会情勢の変化とかいろいろあって、より考えさせられました。ひとつだけ言うとしたら、やはりこの作品は、すべてのこどもだった大人に向けた作品だということ。悪い意味で大人になれず、結果としてこどもの声に耳を傾けられなかったレイジー。対照的に、立派な大人にはまだまだ道は遠いけれど、こどもからも教わることはあるという姿勢を取れる青木先生。辛い記憶は忘れてもいいと秋さんは言うけれど、忘れられない想い出も、きっとあるはず。

■二学期にまた会いましょう

 そして、第二期制作決定。果たして、今度もちゃんとウェブ配信できるのだろうかとか不安はありますが、とりあえずBS11には期待をしておきます。たとえのの字だろうと、OVA(OAD)版すら放映してくれた放送局ですから。

2008年07月23日(水)

私屋カヲル「こどものじかん」Vol.5(双葉社アクションコミックスHigh)感想

■レイジーブルー

 まず原作本編の感想から。アニメに引き続き、原作でもレイジーブルーな展開に。しかし、アニメのレイジーは「秋さんが守れなかったりんを自分が守る」という純粋な理念で動いている(と思われる)のに対し、こちらのレイジーは「秋さんにしてあげられなかったことをりんに対して行う」という執念で動いているので、より根が深そう。アニメ版でレイジーがりんちゃんを遊園地に連れて行ったところが象徴的で、おそらく原作のレイジーは、そういう意味でりんちゃんをこども扱いはしないような気がします。「こどものまま大人になれなかった」のと「こどものまま大人になってしまった」の違い、みたいな……。この差異が、今後の物語全体にもどう影響してくるか、注目です。あと宝院先生と白ちゃん先生の謎バトルにも。

■きりーつ

 そして特別限定OAD(というのは講談社の商標?)。どうせ第二期も全巻DVD買うので別にいいかと思ったのですが、店頭で見かけたので買ってしまいました。……ごめんなさい本当は10軒くらい本屋さん回って捜しました。
 しかし、存外に良かったのが、「りんの学級日誌」と銘打った、アニメ第一期をりんちゃん視点で再構成する一時間三十分のノンストップ小学生デイズ。Vol.4の先行OVA(BS11でいう「やすみ時間」)まで入れて完璧です。基本的に青木先生目線だった物語が、視点を変えるだけで、ここまで印象が違って見えるのか。というか、一気に観ると、きわめて特殊なビデオのような気分になってきそうで怖い(何それ?)。DVDのオーディオコメンタリを聞き慣れたせいで、OPに「きりーつ」「れい」「ちゃくせーき」の声が入らないのが不思議なくらいです。第二期先走りPVのほうはそんな感じでしたけど。先走りより、ねこ走りのほうが(ゆきのゆきかぜではなく)。
 そんな感じで第二期も、菅沼栄治監督・岡田麿里シリーズ構成以下、スタジオバルセロナ改めディオメディアの皆様の全力に期待です。