2007年06月26日(火)

「鉄子の旅」第1旅 久留里線全駅乗下車(ファミリー劇場)感想

評価: 10点[前回比: -](累計: 10/10 平均 10.0)

 ひょっとして、土合駅でウケてはいけなかったのでしょうか……。

 新番組に手を出すのは、今期終了作品の消化に一通りメドがついてからと思ってたのですが、まあいいやってことで。っていうか何だこのアニメ……。およそアニメというものの固定概念を打ち破るような、それはノンフィクションでした(古野まほろ禁止)。
 しかしまあ、やってることは実にお約束。「らき☆すた」的な極めて特殊な日常会話を、鉄道を題材に置き換えたみたいなもんかもしれません。そりゃテツってことかい。乗り鉄がいいのです←キハ38形。それにしても緑のJRマークは目にやさしい。

2007年07月04日(水)

「鉄子の旅」第2旅 130円・一都六県大回り(ファミリー劇場)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 20/20 平均 10.0)

 列車の描写がどれくらい性格なのかよりも、こういう車掌や駅員がホントにいるのかというほうが気になるのですが。

 相変わらず観てるだけで大笑いできる作品なのですが、なんとなくやってみたら楽しそうな気がするのが恐ろしいところ。名古屋に近郊区間がなくて良かったです(よくないっ)。まあオレンジですから(などと言いつつ、私は在名民鉄よりは好きですよJR東海)。
 「家に帰るまでが遠足です」という有名な慣用句がありますが、それにならって言えば、目的地にたどり着くまで、そのすべての行程が鉄旅そのもの。そして往々にして過程そのものが自己目的化してしまう。ケーニヒスベルクの問題にも似て、純粋にして崇高なるそれは知的遊戯。

 ちなみに「豊岡真澄の鉄分サプリ」は本編外という認識なので、実写でも全然問題ないですよ。アガサ・クリスティー紀行みたいなもんです。

2007年07月10日(火)

「鉄子の旅」第3旅 土合・湯檜曽…鉄子流デートコース(ファミリー劇場)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 30/30 平均 10.0)

 「でしょでしょ?」多いよ横見さん。越境でっしょでっしょ緑が青に変わる世界で。私のSuica あなたのICOCA どっちも使えない。

 レールクイーン候補・きなこちゃん@豊岡真澄登場。やっぱりホリプロアニメっぽーい。まあ別に気になりません。グリーン車に乗ったもんと思えばよろしい(意味不明)。
 それはともかく、傍から見ればどうでもいいことに頭を悩ます横見さんには共感をおぼえてしまいます。しかしキクチさん、モハやサハといった略称の意味が判るのは必ずしもムダなことではないと思いますが。211系(ロングシート車両)の場合、モハだと場所によってはかなり振動が激しいので、あらかじめ乗車位置を見計らってサハに乗るようにしてる私です。って、知識を役立てようとするなんてまだまだ修行が足りませんかそうですか。
 日本一の地底駅・土合。そして筒石駅。そんな場所に足を運ぶ鉄道ファンこそ、心にドリルを持つ人間。そんな彼ら彼女らを待って、今日も駅舎はそこにある。いよいよ感動巨編めいてきました。

2007年07月17日(火)

「鉄子の旅」第4旅 南東北・横見スペシャル(ファミリー劇場)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 40/40 平均 10.0)

 駅弁は匣。列車も匣。まさに匣の中の失楽。

 これは本当にすごい……。今期のギャグアニメとしては「瀬戸の花嫁」に勝るとも劣らない一分の隙もない構成。ハイテンションは大半が横見さん@檜山のおかげのような気もしますが。しかしキクチさん@富坂晶もまた素晴らしい。
 今はもうないスイッチバック、奥羽本線峠駅。標準軌なればこその、在来線のホームを山形新幹線が通過するという光景。現代と過去、世俗と彼岸が交差するそれは事象の地平線。あるいは地平駅。

2007年07月24日(火)

「鉄子の旅」第5旅 岩手県の自然を味わう旅(ファミリー劇場)感想

評価: 8点[前回比: -2](累計: 48/50 平均 9.6)

 カミムラさん、あんたはルルくんか。

 先日、横見さんの「JR全線全駅下車の旅」という本を見つけて(三省堂@JR名古屋高島屋でというのは何かの罠か)、通勤中に読んでるのですが。横見さんが駅しかない駅、なんてことない駅にこだわる理由がよく判りました。って、そういうふうに頭で理解を示してしまうと、作中人物としての横見浩彦という存在とのウロボロス的混濁を起こしてしまって、ギャグアニメとしての純度が下がってしまうのが玉に瑕、玉川駅は八戸線ではありますが。まあ、この乗り鉄は実在するーーということなら、それはそれで。

2007年08月01日(水)

「鉄子の旅」第6旅 わたらせ渓谷鐵道と廃線跡歩き(ファミリー劇場)感想

評価: 8点[前回比: ±0](累計: 56/60 平均 9.3)

 いいなぁ、わたらせ渓谷線。三セクに着替えても=鉄道。そうか、「はぴねす!」探訪と称して乗りに行けばいいのか(おいおい)。

 本日のゲストは吉本芸人・山田あさこ。山崎バニラみたいな声だと思ったら、CV:山田あさこ……って本人かよ! ホリプロ豊岡真澄との扱いの差が哀愁を誘います。しかし、きなこちゃん@豊岡真澄のしゃべり方がだんだんこう、ツボに入ってきた私です。そろそろ、きなちゃんとよぶべきでしょうか(いいかげんにしなさいっ)。
 足尾本山までの廃線跡に入るところで、「現在は立ち入り禁止です」というテロップが出たのには仕方ないこととはいえ、ちょっと興ざめ。DVDで KEEP OUT 解除というわけにはまいりませんからね(わけの判らんことを言うな)。廃線跡というと、どうしても「雲のむこう、約束の場所」的に、レールの上をゆっくりバランスをとりながら歩いてみたくなるのですが、そんな感傷とは無縁な横見さん、列車の魂が乗り移って全速力なのでした。まっすぐゴー。

2007年08月12日(日)

「鉄子の旅」第8旅 飯田線・秘境駅巡り(ファミリー劇場)感想

評価: 10点[前回比: +1](累計: 75/80 平均 9.4)

 ちよ駅……「あずまんが大王」のファンだったら真っ先に探訪に行くのですが。

 ついに来ました飯田線。はふぅ。ひらがなが大きい駅名標にオレンジのJRロゴ、車体にはオレンジと緑のライン……紛う事なきJR東海仕様です。鉄道ファンなら知らない者はいない存在なんだそうな。私は鉄道ファンじゃないですが、つい最近まで寡聞にして知りませんでした。っていうか、豊橋まで旅行に行ったときも気づいてなかったとは、とても言い出せん……ごめんなさいごめんなさい。ATOKが悪いんですっ。
 秘境駅巡りが、横見さんに社会のルール教えてあげよっかになり、さらに意外な伏線がすべての謎を解き明かし、 School Days もびっくりの修羅場展開を生む。げに恐ろしき Rail Days。EDのあとに「この作品はフィクションです」というテロップでも流れるかと思いました。ウロボロスの秘境。

2007年08月28日(火)

「鉄子の旅」第9旅 まだ間に合う!くりはら田園鉄道(ファミリー劇場)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 85/90 平均 9.4)

 なんて切ないんだ……。刹那さんより切ないです。何もそこまで。

 赤字ローカル線の廃線。地方の過疎化とモータリゼーションが進む現代、それは確実にこの国のかたちのひとつ。産業革命以後の存在であるにもかかわらず、鉄道というものがどこか郷愁と懐かしさを感じさせるのも、それが理由のひとつであるのではないかと思います。
 鉄道ファンにとっていくら魅力あふれる路線であっても、現実にそこに住む人々の利用が減少すれば廃線の運命をまぬかれない。それは、こども向けアニメはあくまで一義的にはこどもが楽しむためのものであって、大人のアニメファンからの支持は副次的なものでしかないというのと似たようなものかもしれません。
 しかし、そうなると、アニメファンをコアターゲットにした深夜アニメというジャンルが確立されたように、地方鉄道も純粋に鉄道ファン向けの路線を考えるべきときが来ているのかも。それが実現してはじめて、「鉄オタの時代が来た!」と言えるのですよきっと。王道として魔法少女もののようにタブレット閉塞ジャンルが活況を呈すとか、磁気浮上式リニア+非接触IC乗車券+全車両トレインチャンネル完備の近未来SFちっく路線とか……。絶望した! ニッチ産業に絶望した!

2007年09月04日(火)

「鉄子の旅」第10旅 祝・鉄子ご一行様四国初上陸(ファミリー劇場)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 95/100 平均 9.5)

 JR東海(オレンジ)管区だったら「秘境! スイッチバック!」という名言を残せたのに。

 そんな感じでスケッチスイッチ。あるいは「その 誰もいない駅を……」。前回と打って変わって、今回はひたすらなごみます。なんだかキクチさんがやたらかわいかったり。ちょっと「べっ、別に鉄道なんて好きじゃないんだからねっ」って言ってください。
 四国では快速列車にも愛称がついてるんですねぇ……あれ? JR四国ってあるよね? などと思わず検索してしまってすみません。横見さんに怒られますね。いくらJR各社に比べれば地味だからって(地味って言うなぁ)。でも、ウェブサイトのトップに「ALWAYS RAILWAYS」とか書いてあって一気に好感度アップ。「ICOCAで行こか」以来の衝撃です。行きたいなぁ。えっと……(時刻表を取り出す)あ、土讃線に朝倉駅がありますね。じゃあ「D.C.II」放映が始まったら探訪しよっと。けって〜い(って、名鉄にも朝倉駅あるやん)。

2007年09月11日(火)

「鉄子の旅」第11旅 長野電鉄の魅力を味わう(ファミリー劇場)感想

評価: 9点[前回比: -1](累計: 104/110 平均 9.5)

 横見さん、恥ずかしい立ち入り禁止。

 もはや、すっかり「ARIA」の世界。人や街と同じく、鉄道との出逢いもまた、一期一会。それは、廃線という別れ、新線・新駅という邂逅だけではない。ふと立ち寄った駅、そのひとつひとつがかけがえのない出逢い。そしてそこに、自分だけの意味を見いだしていく。相変わらず、何てことない駅に感動できる横見さんが鉄の達人であるのもさることながら、そんな すごい 横見さんの能力を発見するキクチさんもまた、類い希なる眼の持ち主と言うことが出来るでしょう。

2007年09月23日(日)

「鉄子の旅」第13旅 これが北海道だ!(ファミリー劇場)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 124/130 平均 9.5)

 まさか、この作品で修羅場が見られるとは。Always Rail Days.

 アニメ「鉄子の旅」終着駅は北海道。でも、終わりは始まり、そしてそれは永遠に続く。この大地に線路があるかぎり。そしてその上を、列車が走っているかぎり。否、たとえ廃線になったとしても、そこに鉄道が存在していたという記憶は、誰かの胸の中にきっと残る。あるいは、こうして物語の中に描かれることで、存在は永遠となる。まるで、アニメの中の魔法少女が永遠に小学生のままであるように。
 総評。毎年数多く生まれ続けるアニメ作品の中でも、極めて特異な作品といっていいでしょう。ノンフィクションという域を超えた、それは現実が虚構を凌駕する奇跡の一瞬。鉄道というのは、人々の生活に身近なものでありながら、ふつうは単純な移動手段としてしか捉えられていない。それを横見さんという「鉄」の目から見ると、ふつうでは気づかれない魅力が立ち現れてくる。そしてさらに、そんな横見さんを冷静な(というか冷徹な)目で見つめるキクチさんというフィルタの存在。さらに言えば、そうして生み出された原作マンガをアニメへと昇華するアニメ版スタッフ。二重三重のフィルタを通すことで、現実はその姿を変える。
 そういう意味で、アニメ化にあたって、駅舎や車両とかがどれだけ忠実に再現されているかとか、鉄音がリアルかとかいうのは副次的な要素に過ぎない。というのは、私が鉄ではないからそう思うだけなのかな? かな? もちろん、素人目でも情景描写は良かったと思いますし、すくなくともわたらせ渓谷線と竜飛海底駅と土讃線はそのうち行きたくなりましたが。
 ともあれ、「鉄子の旅」の主役はあらゆる意味で横見さんであり、それに巻き込まれる人々の存在があってはじめて作品が活きるわけで。であればこそ、やはり声優陣の方々にこそ賛辞を送るべきでしょう。いま第1話を見返してみると、最初の横見さん@檜山修之のテンションの低さに驚くくらい。他のキャスト陣も含め、回を経るごとにテンションが上り坂になっていった気がします。声優にスイッチバックなど必要ない……! みたいな。あと2クールくらい続けたら、「瀬戸の花嫁」とまではいかないまでも、マイメロくらいにはなれたんじゃないかと惜しいかぎり。
 総点は90点。本当に、この一クールで終わらせるのはもったいない。ぜひ続編を期待しています。

評点グラフ: 鉄子の旅