2005年06月02日(木)

「ふたつのスピカ」第18話 マリカとまりか(NHK教育)感想

「わたしはわたし……。わたしがまりかなのに」(宇喜多万里香)

 サブタイトル、変換したら「万里香泊まりか」に。またぞろあの「お父さん」に「許さんぞ、そんなことは絶対に!」と言われてしまいますよ。

 って、そんなネタ書いてる場合じゃありません。今回は素晴らしかった! 端々で、これまで自分が観てきた別のアニメのシーンがフラッシュバック。ひとつの作品の見方としては邪道かもしれませんけど、そのぶん感動はひとしお。
 冒頭、「私もう、だめなのかしら」とあきらめそうになる万里香ちゃん。でも、「宇宙、行きたかったな」との想いが彼女を動かします。思い浮かぶのは、ずっとひとりだった自分。そして、そんな自分に、「ひとりじゃ宇宙には行けない」と手をさしのべてくれたアスミ。
 ところで万里香に限らず、今回、ずいぶんキャラの等身が上がっとります。作画のブレといえばそれまでですが、ここはやはり、「シリーズ終盤における登場人物たちの成長を表している」と解釈しましょう。宇宙学校へ入ってから、毎日のように厳しい訓練をこなしてきた彼女たちなのですから(男子は無視か)。そして、過去の追憶における幼いアスミや「まりか」との対比もより効いています。
 そして、こちらは順調に位置確認を進めるアスミ。って、テント持ってきてたのか! 次の日には置いていってますけど。テントの中でミノムシアスミ。「ライオンさん、ホントは、いるんでしょ?」と呼びかけるも、応答無し。彼女にしても、ライオンさんというイレギュラーな存在がいなければ、ずっとひとりだった可能性が高いというのは、これまでの過去話で示されたとおり。宇宙学校へ来てからは、いつもまわりに誰かがいてくれた。久しぶりにひとりで食事をとりながら、「今の私はひとり、これが本当の私なんだ」と思う私です。ちなみに私は、誰か他の人と食事をするというのはどうにも苦手だったりするのですがね(だからお前のことはいいって)。
 アスミが思い返すはライオンさんのこと。唯ヶ浜でのマラソン、全力疾走して途中でバテていたアスミにライオンさん、「俺はいつも、半分の力でゴールするよう、心がけてるんだよ」。残った半分の力は、誰かのために。や、見習いたいものですなー。こういう余裕のある精神。まあ、そんなことを言ってたライオンさんも、そのうち全力疾走してもアスミに追い抜かれてしまうんですが。
 で、そのライオンさん。ロケットの「まりか」という文字を見ても半信半疑のまま、思い出の洋館へ。「あの頃のままね……」(まほらば原作版からネタ出し。たぶんアニメでも変わってないっしょ?)。中に入って手に取ったのは、一見ただの空き箱、でも流れ出す音楽……。ライオンさんにはオルゴールに見えてるのか!? あうあうあー、ダカーポ美春エンドを思い出してもう半泣きですよ。ここで中に「らいおんさんとずっといっしょにいられますように まりか」なんて書かれた紙が入ってたらもう号泣ですよ(んなわけはない)。でも箱の底にはフルネームで「うきたまりか」……これでライオンさん、思い出の彼女と宇宙学校で見かけた「宇喜多万里香」とのつながりを確信。
 幼少の頃から、「本当の万里香なら」という言葉をかけられて育った彼女。何も知らされないまま育っていても、その事実を知ったときの衝撃は大きいでしょうが(まだリリカルなのは12話以降を見てないんであんま比較できませんが)、はじめから知っていたというのもその辛さは想像を絶します。「望まれない子供」……アイデンティティの危機に瀕して、自ら心を閉ざしたということでしょうか。それが宇宙学校へ入るまでの万里香。でも、宇宙学校に入ったということが端的に示しているとおり(それは「窓から宇宙を見上げる」という行為にも現れている)、常に「外側」への希求があった。そして、そんな内側からの圧力と、外側からの刺激によって、精神的にも、おそらく肉体的にも、平衡を崩す結果となった……。
 目的地へと急ぐアスミ、おそらく万里香のものであろうカプセルについた血の手形を見つける(って、前回すれ違ってたのに! アスミ、ぐるぐる同じところを回ってたのか?)。その頃、万里香は救急車で運ばれる。つけていた発信器が、昼間からずっと動いてなかったりすると連絡が行くようになってるんでしょうかね? それとも超高性能のスパイ衛星で見張ってたりとか(一気に話がコメディになるからやめい)。
 「鴨川さん……」と呼びながら救いの手を求める万里香、それに応じるように彼女の瞳に映るアスミの顔。えー、これじゃ万里香の勝手な妄想の産物に過ぎなくて、ホントの救いじゃないんじゃ……と思ったら、その人物はかさねちゃんだった! ここで出てくるのか〜。しかも、万里香ちゃんが自分がなんと言っていたか問うと「『アスミ』って」。うわー! もうなまえをよんでますか! これには驚愕。

 さあ〜、いよいよ次回こそはきっちり万里香ちゃんの秘密が語られるのでしょうか。そして早くも物語は佳境に。どう締めてくれるのか見ものです。

投稿者plateau: 2005年06月02日 02:30 [アニメ/ふたつのスピカ]