M1.m

Feel free to link.
Total Today Yesterday
mail

2008年10月06日(月)

「キディ・グレイド」(AT-X)感想

 最後にもう一回「おんなのこはエレガントに」がほしかった。

 う〜む。今は遠いさくらのさくころ。これと「絶対可憐チルドレン」と「二十面相の娘」をほぼ同時に視聴開始した当時は、どれも素晴らしいスーパー平野綾アワーだと思ったものですが。どうもみんな、だんだん高度が落ちて(あっ)。何にせよ、リュミエール@平野綾さん、当時15歳。つくづく天才少女だと感服しました。ヴァイオラちゃん@徳永愛も別の意味で天才だとは思いますが(はぁい、関係ないですね)。
 お話のほうは、よくわからん! ……のひとことで片づけるには惜しい、壮大なSFの匂いも感じはしました。中でもこの作品、アニメとしてはたぶん珍しい試みをしていたりもします。以下、ネタばれ注意……といちおう言っておいて。
 その試みというのが、物語中盤で、エクレールとリュミエール、主役ふたりの容貌をした「偽物」が登場し、本人たちは顔を変えて再登場、そしてそのまま物語が進む、というもの。そんなふうにしてくり返し、生き続ける彼女たち。キャラ萌えに対する挑戦かと思うような仕掛けですが、最初から最後まで見れば、これは彼女たちの、あるいは人類そのものの、永遠に輪廻する物語である、とも思えるから、その意味で判らなくはないです。しかし、その叙述トリックのおかげで、キャラの言動とか感情の流れが混乱し、筋を追うのが極めて大変になってしまったのが残念。おかげで、めがねっこみずはっしーはいつのまにか出てこなくなるし! ……失礼、噛みました(どこを?)。
 個人的な問題として、あの唇の色が悪いラスボスが見ていてとても腹が立つキャラだったのです。台詞から何から全然エレガントじゃない、これだけ気に障るキャラを造形できるというのもすごいことかもしれません。全宇宙の人類を巻き込んでおいて、最終的にただの私怨で話をまとめてしまうというのは、何か深遠な意図があるのか……とすら思ってしまいました。

23:56 Permalink

2008年10月05日(日)

瀬名秀明「デカルトの密室」(新潮文庫)感想

 これは壮大なロボットSFミステリ。著者のデビュー作「パラサイト・イヴ」は、森博嗣先生が小説を書こうというきっかけになった作品としても一部で有名ですが、本作品はさながら「すべてがFになる」。むしろ物語の重厚さを思えば「有限と微小のパン」のほうが近いでしょうか。バーチャルリアリティ、ヒューマノイドといった現代技術の最先端。そしてフランシーヌ・オハラという天才少女からは、真賀田四季を連想せずにはいられません。
 SFというジャンルは、ミステリ以上に束縛の強いジャンルであるように思います。ロボットものであれば、アイザック・アシモフをはじめとする偉大なる先人の紡ぐ系譜。また、ハードSFであれば、現実の技術を基にしつつ、そこからわずかに物語的飛躍を加えなければならない。
 そんな束縛の強い環境の中にあって、それだからこそ描かれるもの、得られる自由とは。この物語において、ロボットであるケンイチが自我について考えるように、それを生み出した研究者たちも、自我について、自由について考える。この物語をミステリとして捉えたとき、解かれるべき謎とは、人間という存在そのものについての謎。開かれるべき密室とは、この世界そのもの。
 少し話は変わって、物語を束縛する要因としてもうひとつ、この現実そのものがあります。作中では、ロボットが実用化されつつある状況の中、ある事件によって、ロボットに対する人々の受容のあり方が大きく揺らぐことに。また、この小説の主人公として、研究者でありながら小説家でもある、著者自身と重なるような人物が設定されています。ここから、物語と現実とを二重写しにしようという意図が見受けられます。描かれる物語は、けっして今ある現実と無関係なものではありえない。そんな物語に、人はどう向き合うか。そして、この世界をどう生きるか。
 紡がれる言葉の端々に、瀬名秀明という人の研究への真摯さ、それに相反するような現実世界への苛立ちが現れていて、この人も、森博嗣と同じくらいに純粋なんだなぁという思いを抱きました。

23:15 Permalink []

雑破業「おねがい☆ツインズ」1 一人と二人(メディアワークス電撃文庫)感想

 解説・倉田英之に不意を突かれて笑ってしまったのが少し悔しい。

 通称「おね2」ノベライズ。執筆は雑破業ということで、想像以上に、これはひどい(いい意味で!)。四道くんの扱いの悪さは、「ちょこッとSister」を書いた人とは思えない……いや、これはこれでひとつの愛情の形かもしれませんけど。それにしても放送コードも KEEP OUT も無いからってやりたい放題。あと苺さんは相変わらず素敵です。清酒おねてぃいちごがほしいです。
 それはそれとして。アニメと比して、各キャラの言動は過激化されていたり、エピソードは違っていたりしつつも、それぞれの立ち位置は変わらない。肉親かもしれない、他人かもしれない。黒田洋介脚本のように、そんな台詞を何度も口にしたりはしないけれど。むしろ揺れ動く想いを言葉にするより先に行動に移すタイプになってる気もしますが。とにかく、やっぱりこれもツインズなのです。次巻も早急にツインズです。

23:12 Permalink []

万城目学原作・渡会けいじ画「鴨川ホルモー」1(角川コミックスA)感想

 「夜短歩乙」だけに飽きたらず、この作品までコミカライズするとはまったく、角川はまったく……。

 はてさて、しかし、こうしてマンガで見てみると、実に王道なラブコメという感じで楽しく読めます。とくにめがねっこ楠木さんがやたらかわいくてわーわー。しかも、主人公の男までけっこうかわいい作画なので、原作でなかなか感情移入ができなかった不具合が修正されています。とはいえ、この後の展開を思い起こすと……。ま、そんな個人的な感傷はともかく、次巻以降のポイントは、肝心の「ホルモー」をどれだけ映像化してくれるか、というところでしょう。

吾妻ひでお「うつうつひでお日記 その後」(角川書店)感想

 「うつうつひでお日記」の後日談(タイトルそのまんまだ!)。これは絵日記なのか、なんなのか……。ここまでくると横書きで出版してくれたほうが読みやすい気もします。
 今回も何も起こらない、平和で平凡で平穏な日常がそのままつづられる。本の趣味とかはあんまり自分と似通っていないですが、ある一点でとても共感を覚えてしまいました(まあ、何も言うまい)。しかし、吾妻ひでおが桃井はるこ「アキハバLOVE」を読み、「撲殺天使ドクロちゃん」OVAを観ているというのは、やはりこの世界はつながっているのだなぁという想いを強くしました。
 これからまったく関係ないことを言いますよ。今月の「ザ☆ネットスター!」で、桃井はるこの「インパク音頭」と、筒井康隆の「電脳筒井線」が同列で語られるというのに目からウロボロスだったのですが(どんなメタミステリだ)、それほど別々のフィールドで起こっている出来事が、やがてどこかでつながっていく。森博嗣「スカイ・クロラ」が押井守監督で映画化されたように。自作がアニメ化されないことを自虐ネタにしていた西尾維新「化物語」がよりにもよって新房シャフトでアニメ化されるように。世界がもし百人の村だったら、その中の五十人くらいは西手新九郎かもねというお話。ただ、それはアニメだけ観ていたり、小説だけ読んでいたりすると気づかない。だから、どんな方面にも出来るだけ手を出してみるほうが、もっと世界が拡がって、もっと楽しい。少なくとも自分はそう思います。あるいはこう言えばいいでしょうか。この世に、関係ないことなど何一つとしてないのだ……と。
 ということで、何もしてないと言いつつ、こうした視野の広さをもっていることが吾妻さんの「作り手」らしさかもと思いました。とりあえず次は、「便利屋みみちゃん」をどっかの本屋で探して読みます。

2008年10月02日(木)

「乃木坂春香の秘密」(中京テレビ)感想

 「ななついろ☆ドロップス」「こどものじかん」に続く、スタジオバルセロナ改めディオメディアが贈るメガネ男子シリーズ第三弾。今回もハイクォリティ・ハイテンション、楽しませていただきました。山本天志ちびキャラは正義。

 まあ何をおいても、お約束満載のボーイ・ミーツ・ガール物語であるというのが外せない主軸。もう、春香さん@能登麻美子が攻撃力強すぎで、脳みそが溶けるかと思うようなだだあまストーリィ。たまに横槍が入るのも、ふたりの絆を確かめ合うために存在するだけのもの。どうもシリーズ構成がテキトーなのか、毎回同じことしかやってないような気もしましたが。「Φなる・あぷろーち」と比べてしまうと、そこがちょっと……と、どうしても考えてしまうのは自分の性なので仕方ありません。
 だから春香さんの「秘密」も、この世でふたりだけが特別だという証として使われるもので、実はアニメやマンガである必然性はそれほど無いとも思えます(ちなみに私は、てっぺんにアのつく言葉は好きじゃないので使いません。てっぺんにオのつく言葉のほうがまだ良いかも)。
 でも、これがアニメ作品である以上、また原作はいわゆるライトノベル総本山と目される電撃文庫レーベルである以上、そこには相応の意味もあるはず。OPで、春香さんがアニメ雑誌の中か出てくるという表現に込められた意味。それはやはり、おんなのこがTVやコンピュータの中から出てくるという夢になぞらえているように思えます。つまり、春香さんという存在こそ、アニメやマンガ的ファンタジィの具現化であるということ。
 実際、第3話のクラスメイトの態度は自分的には現実にあるとは思えませんし、その後の学園祭話では、みんな無かったことのように打ち解けている。あとΦなるパパもそれこそアニメやマンガの中にしかいないようなΦなるパパですし。つまり、この世界がまるごとファンタジィでしか成立し得ない話でありつつ、その上でお約束ドタバタラブコメを成立させている。あるいは、もはやこういうメタな仕掛けを入れないことには、こういったラブコメは作れないのかもしれません。第1話のゆーとさんの独白、「こんな深夜にアニメなんて誰が観るんだ」という、まさにそんな深夜アニメを観てる層にのみ語られる物語。
 そして、そうである以上、ゆーとさんが、アニメやマンガにとくに興味はないけれど、偏見もないというキャラクタである必然性も理解できます。そうじゃないと、あまりに話がメタな方向に行きすぎてしまうので。そしてついには、二次元のおんなのこと、(主人公にとっての)現実のおんなのこ、どっちを採るのか葛藤することに。まあ、それはそれで面白そうですが……って、それは「A・Iが止まらない!」のシンディ編のような。まったく、赤松大先生は、どこまで時代の先を行っているのやら。
 蛇足ですが、ファンタジィと判りきった上で個人的にもっとも惹かれたのは、春香さんの妹であるところの乃木坂美夏ちゃん@後藤麻衣でした。らぶりぃみかちゃんの待ち受けがほしいです。っていうかみかちゃんがほしいです。こういう立ち位置の妹ちゃんキャラというのもお約束でとても良いのです。「おに〜さん」というよびかたがΦなる美紀ちゃん@田村ゆかりみたいで好印象なのです(いーかげんにしなさいっ)。
 次点では、信長くんがかわいいと思ったのは秘密です。彼と春香さんの絡みももっと見てみたかったのですが、それだとゆーとさんが特別になれなくなるから無理なのでしょうね。ちなみに、てっぺんにオがつく子だから織田→信長、というネーミングセンス(たぶん)が好きです。

 来週からは水島努監督・斎藤千和主演「ケメコデラックス!」。これもテンション高そうです。

23:32 Permalink

「スレイヤーズREVOLUTION」(AT-X)感想

 通称スレイヴォ。まだ後半(「スレイヤーズR2」?)があるらしいですけど、とりあえず総評。
 これについて言うことはただひとつ、リナ・インバース@林原めぐみ最高なのですよ。アメリアさんも目じゃないのですよ。Because それは林原さまだから。去年も NECO で劇場版過去作をやってましたが、まさかそれが新作の伏線とは。今の時代に新作でこの声が聴けるというのが、とてもとても嬉しい。
 といいつつ正直、このシリーズにそれほど思い入れがあるというわけではないのですが。でも先日、会社の同僚とうっかりスレイヤーズ話で盛り上がってしまったりしたのは秘密です。しかも旧作はもとより、この REVOLUTION までしっかり話題になるのだから、そりゃ麻生さんも総理大臣になろうというものです(何のこっちゃら)。
 お話的には、長いシリーズの中の一編らしい感じのキャラの動かし方に、タイトルとは裏腹に国を統治するということを考えさせるテーマ、長谷川勝己脚本の適度な暴走ぶり、どれも楽しめました。こういう作品を、もはや夕方に放映できない、BSジャパンですらネットしないというのは少しもったいなくも思いますが……。まあ、今のこどもは深夜アニメも普通に観てるらしいですから、それもそれでレボリューションということでしょうか。

23:27 Permalink

ぢたま某「よつのは」(学研ノーラコミックス)感想

 ぢたまさん初のコミカライズ。ゲーム版ではなく、OVA版を直接の原作としているようです。展開はほとんど同じですが、「あきすとぜねこ」の暗号の謎がようやく解けたこと、そして何より、ののちゃんをはじめとしたヒロインの、ぢたまさんらしい魅力的な作画が収穫。この表紙も健全で素敵です。
 とくに楽しかったのは巻末に収録された番外編。原作(「幼なじみとの暮らし方」?)に同じエピソードがあるのかどうかは知りませんが、今にも「えっちなのはいけないと思います!」とか言いそうな奈々美さんが素晴らしい(言ってないけど)。

2008年09月30日(火)

坂井由人+坂井直人ほか「アニメノベライズの世界」(洋泉社)感想

 書名の通り、数多のアニメ作品を基にして発表された小説を論評した本。いわゆる非公式な二次創作ではなく、あくまで公式に元作品のクレジットがなされた作品が対象ですが、思った以上にその世界は広い。
 前書きにあるとおり紹介される作品は1970〜1980年代が中心。しかも個人的にロボットアニメをまったく観ていないもので、ピンと来ない部分も多いですが、古本屋でちょっと意識して探してみると面白いかもと思える作品がいろいろありました(そもそも、この本自体、シンコ書店ではない古本屋で見つけたもの)。原作マンガをそのままアニメ化した作品に意義を見いだせないのと同様、ただのアニメノベライズには興味がありません状態だったのですが、ちゃんと小説というメディアの特性を活かして、さまざまな趣向が凝らされている、そんな作品も多くあるようです。
 小説とアニメの違いは何かと言えば、映像と活字という表現形態の違いは言うに及ばず、最終的に一人の文責にかかっているかどうか、という点も大きいと思います。エラリィ・クイーンや岡嶋二人のようなコンビ作家という例外もありますが、その場合でさえ、あたかも単一の作者のような名称がつけられている事実が、かえって作者という存在が一個人によってたつもの、という思想を強調している。
 アニメの場合、監督が毎回絵コンテを切ったり、シリーズ構成が全話の脚本を担当することさえ珍しいケース。それに対し、小説の場合は一人の作家に(いろいろな制約はあるにせよ)物語が委ねられる。だからこそ、その人の個性、作品の捉え方が色濃く出るのだと思います。アニメ本編の補完なんてレベルを超えて、新たな世界を紡いでいく、それが本当に「小説」とよぶにふさわしいもの。最近では宮村優子による「電脳コイル」のノベライズが特筆すべき作品でしょうか。

23:56 Permalink []

「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」第3話 悪戯なカナリアイエロー(AT-X)感想

 本放映時、就職に伴う引っ越しで最後までちゃんと追えなかった作品。三年ぶりに見返し中。川崎逸朗監督といえば、同じくAT-Xで放映中の「レンタルマギカ」も、お約束あり、めがねっこ幼なじみ関西弁植田佳奈ありと、意外に楽しく観れています。
 で、こちらは、かなはかなでも、ちっちゃなカナとおっきなリボン(それはまた別の作品)。阿澄佳奈までこっそり隠れていたのは、再見したからこそ楽しめるポイントですが……。女子高生小説家の萩野可奈@徳永愛につきあっての恋人ごっこ珍道中。演出・山本天志らしい弾けぶりで、シリーズ中もっとも印象に残った回といっても過言ではありませんが、さらに再発見、この回、岡田磨里シナリオだったのですね。「true tears」ほどの泥仕合にはならずとも、エリスちゃんと霧さんの対立と共存の微妙な関係を巧く描いていることに、改めて気づかされます。タイトルをオチとも絡めて「イタズラなKiss」にひっかけていたのにも、ようやく気づきました。