Final-M1Φなる・えむいち。Final Emuichi

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2005年04月01日(金)

「Φなる・えむいち。」第1話 大溺愛!! 愛と過ちの子育て!

 ぴんぽ〜ん。
 とあるマンションの一室に、チャイムの音が鳴り響く。夕食後の団欒のひとときを過ごしていたその部屋の住人、水原涼・明鐘の兄妹は、そろってそのチャイムの鳴ったドアのほうを振り向く。
 ドアといっても、玄関にある、ごくふつうのドアではない。
 壁のどまんなか、ありえない位置に存在する、ありえないドア。
 そして、そこから飛び出してくる人物といったら、水原涼の頭には、ひとりしか思い浮かばない。
 涼は、ため息をついて、となりの愛しき妹に言った。
「まったく、またあいつか……。せっかく夕食が終わって落ち着いたと思ったら。明鐘、お前出ろよ」
「え〜、ダメだよぅ兄さん、扉の向こうの人は、兄さんが出てくるのを待ってるんだから」
「だから、それがイヤなんだよ! あいつ、毎回毎回、ドアを開けるなりオレに抱きついてきやがるんだから」
「いいじゃない、それが彼女なりの愛情表現なんだから。さ、早く早く」
 と、明鐘は有無を言わさず、愛しき兄の背中を押し、壁際まで連れて行く。
「しょうがないな……」
 ドアの前まで来た涼は、観念して、ドアのロックを外し、そっとノブを開く。一秒後に展開されるであろう情景を思い浮かべ、身構えながら。
 そして。
「涼様ーーーっ!!」
 案の定、ドアの向こう側からひとりの少女が突進してきた。しかし、彼女はいつものように涼を抱きかかえようとするのではなく、まるでラグビーボールを持ってゴールにタックルするかのごとく、涼に向かって頭突きを食らわしてきた。
 不意をつかれて、そのまま後ろに倒れ込む涼。ちゃぶ台の角で後頭部をしたたかに打つ。
「に、兄さん!?」
「まぁっ!! 涼様、お怪我はございませんか!? 誰がこんな酷いことを……」
 と、ドアの向こうから現れた、涼の「自称」婚約者・益田西守歌が駆け寄ってくる。
「お前だっ!! いきなり何すんだこのバカ!!!」
「それは……仕方がないんです。いつものように涼様を優しく包み込んであげたかったのですけれど、両手がふさがっていましたから……」
「両手が……?」
 先ほどの状況を思い起こす。「西守歌は、まるでラグビーボールを持ってゴールにタックルするかのように」。
 …………。
 涼は、ゆるゆると視線を西守歌の胸元に向ける。そこには、両手で優しく抱きかかえられたラグビーボール……否。
「し、西守歌、そ、それは……」
「涼様と私の、愛の結晶ですわ」
 そこには、両手で優しく抱きかかえられた、生まれたばかりの赤ん坊がいた。

 ちゃっちゃっちゃーららーん。ちゃららちゃららららららん♪

「って! 主題歌流さんでいい!!」
「え〜。これがないと気分が乗りませんのに〜。生歌で聴かせて差し上げますわよ?」
「JASRACに金払わにゃならんくなるからやめろ! それより、どういうことだ! 事情を説明しろ!」
「ですから、涼様と私の」
「そ、そんな兄さん、不潔よっ!」
「ちっがーう! 明鐘も乗らんでいい! だいたい、時期が合わんだろうが! お前と逢ってから、まだ半年も経ってな……」
「ええっ!? 兄さん、そんなころから西守歌ちゃんと……!?」
「それはもういいっての! だから、それは誰の子だ!」
「嫌ですわ涼様、『誰の子だ』なんて、私そんな淫らな女では」
「いいかげんにしろー! 話が進まんだろうが!」
 おぎゃー。おぎゃー。
「あらあら、よしよし。ミルクかしらね。さあ、お母さんのをたっぷりお飲みなさいね」
 と言って、西守歌は上着のボタンを外そうとする。慌てる涼。
「だーっ! 何やってんだ! 出るわけないだろうが!」
「まあ、涼様ったら、『お父さんもいっしょに』なんて、そんなマニアックなプレイをご所望ですか?」
「そんなこと誰も言っとらんわー!!」
 こうして、今日も騒々しく、夜は更けていくのであった……。

 で、翌日。
「んで〜? ホントに心当たりないの〜? りょ〜おくん。正直に話してみんさ〜い」
「あのなぁ美紀、そういう冗談はやめろ。こっちは笑い事じゃないんだからな」
「あっははー。そのヘコみよう、なんか西守歌ちゃんがあんたンとこ来たころを思い出すわねー」
「お前、さてはあのころも全然オレのこと心配してなかったな……」
「あ、ばれた?」
 朝の教室で、この窮状を親友(恐らく。きっと。たぶん……)たちに訴えかける涼であった。
「しかし、いくらなんでも、その子供を学校まで連れてくるというのは……」
 と、陸奥笑穂はすこし難しい表情を見せる。ただし、表情から、彼女が本当に何を考えているかを伺い知るのには熟練の技術を要する。
「それは私も、どうかと思ったのですけれど。明鐘様も学校ですし、私も学校を休んで、せっかく涼様や皆様といっしょにいられる時間を短くするわけには。黒服の方々も今日は有給ですし。春希様と百合佳様にお預かりいただくということも考えたのですが……」
「冗談じゃない。春兄なんかに知られたら、なんてからかわれるか判ったもんじゃない! わざわざ弱みを見せる必要なんてあるかよ。だいたい、百合佳さんはともかく、あの朴念仁に赤ん坊の子守なんか出来るわけないって」
「と、涼様がおっしゃるものですから、仕方なく」
「いいじゃーん。こんなにかわいいんだし。ね?」
 と、赤ん坊をあやす守屋美紀。
「え。いや、私はちょっと」
「ん〜。なに〜。笑りん、赤ちゃん苦手なの〜? ほら〜、撫でてやりなよ〜」
「ま、待て、やめろ守屋、私にも心の準備というものが……あぁ!」
「あ、そういえば、祖父に預かってもらうという手もありましたね。初曾孫の顔を早く見たいと言っていましたし」
「だぁから、誰が初曾孫だ!」
「そ、そのことなんだが水原、本当にお前たちの子じゃないんだな?」
 と、何故か息を切らしながら念を押す笑穂。
「何だお嬢、お前までそんなことを言うのか」
「いや、からかっているわけではなくて。本当に、ふたりとも見に憶えが無いというのなら、その子供はいったい誰の子で、どうしてお前たちのもとにいるのか……」
 その言葉を聞いて、涼はじろりと西守歌を睨む。
「それが、本当にわかりませんの。昨日の夜、涼様と明鐘様との夕食をすませて、隣の部屋に戻ったら、あの子がちょこんとソファに寝ていて……。これはもう、神様が私たちを祝福して授けてくださったものとばかり。嬉しくて、すぐに涼様のもとに報告をと」
「どうしてそんな発想になるんだ!」
「ううむ……。玄関やベランダのカギは開いていたのか?」
「玄関の方は締めたはずですけど。ベランダの方は、黒服さんたちが出入りしますので、開けっ放しですが」
「お前たちのマンションの構造は知らないが、非常階段から出入りして、誰かが置いていったということも考えられなくはないな」
「そんな、じゃあ、この赤ん坊は捨て子……?」
「それにしても、わざわざひとんちの部屋にまで入って置いていくか?」
「うむ、たしかに状況は妙だな。それ以外の可能性として考えられるとすれば、またぞろ、RTP委員会とやらの差し金か……」
「おいおい、待ってくれよ、あれはもう終わったはずだろ?」
「ええ。だとしても、私が何も聞かされていないのは不自然ですし」
「聞かされてたら納得してたのかよ……」
「とんでもないですわ。きっぱりと、『あと一年もすれば本当の子供ができますから!』と断ります」
「あのな……」
「うむ、たしかに、このタイミングで、というのが不自然だな。いったい、なんの目的があって……」
「どうでもいいじゃ〜ん。かわいいんだし〜。うにゃにゃ〜」
「美紀……お前、キャラ変わってないか?」
 ガラガラ。
「はいは〜い。みんな席につきなさ〜い。今日も元気モリモリで授業をはじめるわよ〜ん。あら……?」
 担任教師の目が、窓際の涼たちにとまる。とっさに美紀から西守歌に渡された赤ん坊を見て、その表情が固まる。
(頼む、先生、どうか、この状況を見過ごしてくれ……!)
 と、ほとんど叶わぬ願いを祈る涼。そして、担任が口を開く。
「あ〜ら、西守歌ちゃん、涼くん、婚前交渉の成功おめでとう〜! お祝いは、やっぱりベビーカーかしら? 明日持ってくるわね〜」
 あうあうあー。思ったとおり、言葉にならない悲鳴を上げる涼。教室のそこかしこで、またも男子生徒のうめき声が聞こえたような気がするが、もうどうでもいい。
「せんせーい、また男子が死んでて授業になりませーん」
「おぉーっほっほっ。放っておきなさーい。悔しかったら自分たちも、もっと甲斐性のある男になることね〜」
 その日一日、授業は上の空の涼だった。

 長い一日が終わり、校舎の玄関前で、涼たちは明鐘と合流する。
「さて……。これからどうするかだな。とりあえず、一刻も早く、この子の本当の親を捜さないと。まずは警察に行って……」
「でも兄さん、今日は兄さんもわたしもプラーヴィのアルバイトが」
「あ、そうか……」
「私はこのままでもいいと思ってますけど」
「あのな」
 ちらりと、涼は親友ふたりを見る。いざというとき頼りがいのあるのが親友だ。
「う〜ん。手伝ってあげたいのは山々だけど、今日もレッスンに行かなくちゃいけないし……。鐘ちゃん、ごめんね〜」
「わ、私も、ちょっと急用があって。わ、悪いな水原」
 と、そのまま去っていくふたり。
「…………」
 いざというとき、案外頼りにならないのが親友であった。
「仕方ない。今日はバイトを休もう」
 と、涼は携帯電話を取り出す。
「あ、もしもし春兄? 悪い、オレちょっと風邪引いちゃって。今日は休ませてもらえないかな」
「……ほう? そのわりには、随分元気そうな声だが」
 地獄の底から響くような、武笠春希の声。思わず背筋が寒くなる。はからずも仮病の演技には都合が良かった。
「そ、そんなことないって。ご、ごほごほ。咳も止まらないし、熱も四十二度くらい……」
「ふん。見る限り、顔色も良さそうだが」
「な、何言ってんだよ。電話で、相手の顔色がわかるわけが……」
 ふと横を見る涼。と、そこには、ノートパソコンらしきものを広げる西守歌がいた。そして、そのディスプレイに映る、無愛想な顔。まぎれもなく、今、涼が電話で話している武笠春希そのものだった。
「な……な……」
「ふん」
「やっほ〜、涼くーん、見てる〜?」
 TVの中継レポータのうしろで手を振る野次馬のように、画面の端に見える武笠(旧姓・芽生)百合佳さんの姿にちょっぴり癒される。が、今はそんな場合ではない。
「お、おい、西守歌、これは……」
「春希様は私にとっても大切なお義兄様ですから。つねに連絡を取り合っていますわ」
 涼、絶句。
「おい、涼」
「は……」
「明鐘ともども、今日のところは欠勤を許してやる。まあ、人の親になるという気分を少しは実感してみろ」
「え」
 どういう風の吹き回しだ、とは、もちろん声に出しては言わない。
「ただし」
「はいっ!?」
「給料は今日の時給分プラス直前キャンセル料、きっちり引かせてもらうがな」
 あ、やっぱり。
「それからもうひとつ」
「はい?」
「こんな朴念仁でも、夏休みごろにはパパだ」
「はぁっ!? ど、どういう意味……」
 プツッ。ツー、ツー、ツー……。
 そのまま、地面にくずおれる涼。
「涼様、大丈夫ですか?」
「いろんな意味でショックが大きかった……。ま、まあいい、せっかく休みをもらったんだ。交番に行くぞ、西守歌」
 そう言って立ち上がり、校門に向かおうとする涼。と、背中に抵抗力を感じ、その動きが止められる。
 振り向くと、うつむいたまま、西守歌が自分の制服の裾をつかんでいる。
「おい、西守歌……」
「嫌ですわ」
「なんだと!?」
「いいじゃありませんか、このままで。先ほども言ったでしょう、この子は天からの授かり物です。まぎれもなく、私と涼様の子供です」
「何言ってんだお前、本気で言ってんのか!? さっきお嬢が言ったとおり、その子は捨て子かもしれないんだぞ?」
「でしたら! でしたら……そんな、自分の子供に愛情を持てない親なんかの元に、返す必要はないじゃありませんか」
「西守歌ちゃん……」
「私なら、そんな親なんかより、ずっと愛情を持ってこの子を育てられる自信があります。私と涼様なら、きっと」
「馬鹿野郎!」
 ビクッと、西守歌が体を固くする。自分の出した声で、まわりの空気が震えるのを感じる。おぎゃーおぎゃーと泣き出す赤ん坊。何事かと振り返る、下校途中の生徒。関係ない、奇異の視線はもう慣れた。目の前にいる、この少女のせいで。
 そろそろと、西守歌が視線を上げる。
「涼様……」
「人の親になるなんて、そんな甘いことじゃねえよ。そして、その子供にとっても、このままでいいはずなんて、あるわけない。そんなこと、お前だって本当はわかってるはずだ」
「…………」
「この子の親に、どんな事情があったのかは知らない。もしかしたら、お前の言うとおり子供に愛情を持てなかったのかもしれない。でも、それは今の段階では 何ともいえないことだし、オレたちがどうこう言う問題じゃない。まずは、その子の親が誰なのかを突き止めて、話はそれからだろ」
「……そうですね。ごめんなさい、涼様。私、思わず感情的になってしまって」
「いいよ。慣れてるし」
「……兄さん」
 そっぽを向く涼に、明鐘が含み笑いを向けてくる。自分の内面に気づかれたようで、少し顔を赤くする。
「と、とりあえず西守歌、その子を泣き止ませてくれ。オレが大声出したせいで悪いけど」
「ああ、そうですわね。おー、よしよし。たかいたかーい」
 西守歌は懸命に、腕の中の赤ん坊をあやす。次第に、小さくなってゆく赤ん坊の泣き声。
 と。
 それに反比例するかのように、遠くから雄叫びのような声が近づいてくる。
「な、なんだ?」
「……ぅ……さまぁ……」
「あら? この声は……」
「……西守歌お嬢様ぁああー!!」
 校門から、砂ぼこりを上げて、こちらに向かってくる黒い集団。
 涼たちの目の前で、キキィーッと急ブレーキ。ぜえぜえ、はあはあと、荒い息づかい。
「黒服さんたち。どうしたんですか? 今日から有給で、二泊三日の温泉慰安旅行だって、昨晩楽しみにしてらしたじゃありませんか」
「そ、それがお嬢様……」
 先頭の黒服が、頭を上げる。と、西守歌の胸に抱かれた赤ん坊に目線が合う。いや、サングラスだから視線の先は判らないが。
「りょっ、りょうこぉぉ〜〜!!」
「……へ?」

「まったく、本当に申し訳ありませんでした。何とお詫びしたら良いか……」
 以下、黒服たちの話から再現した、昨晩の回想シーン。

 西守歌、涼、明鐘が夕食を囲んでいる頃、西守歌の部屋のベランダにて。
「いやー、明日からは休暇だ、楽しみだなー黒服3号(仮)」
「俺、今日は緊張して寝られないかもな、黒服2号(仮)」
 トン、トン、トン。非常階段から上ってくる、黒い影。
「お、どうした黒服1号(仮)、そんな暗い顔して。ん? なんで赤ん坊なんか連れてきたんだ?」
「……女房とケンカした」
「なにーっ!?」
「お、俺に甲斐性がないっていうから、思わず赤ん坊を抱えて家を飛び出しちゃって……。お、俺だって、家族のためにいっしょうけんめい働いてるってのに。それなのに、それなのに」
「……そうか、お前も大変だな黒服1号(仮)。いいさ、その子も旅行に連れて行こう」
「えっ? で、でも、いいのか……?」
「なーに、かまうことないさ。いいよな、3号(仮)、4号(仮)、(以下略)」
 うんうん、とうなずく黒服集団たち。ぽんぽんと、黒服3号(仮)が1号(仮)の肩をたたく。
「お、お前ら……」
「さあ、とりあえず飲んで、嫌なことは忘れようぜ。どうせみんな興奮して寝付けないんだ、徹夜で宴会だ!」
「う、うん……。あ、でも、赤ん坊に夜風は毒だから、お嬢様の部屋に置かせてもらってくる」
「おお」
「お待たせー。さあ、飲むぞー!!」

 で、翌朝。
 チュン、チュン……。
 爽やかな朝の雰囲気にはいかにも似つかわしくない、泥酔状態の黒服集団。と、黒服2号(仮)が目を醒ます。
「ん……。ああっ、もうこんな時間! おい、起きろみんな、飛行機の時間に遅れるぞ!」

「……というわけで、恥ずかしながら、向こうについてからようやく、赤ん坊を置いてきてしまったことに気づきまして、それで飛んで帰ってきた次第で」
「……なるほどな」
「水原様にも、今回はまことにご迷惑をおかけしてしまい……」
「ああ、まあいいって。『今回は』じゃない気もするし」
 と、涼はとなりの西守歌を見やる。
「まあ、何か言いたげですわね涼様?」
「いや。それにしても、お前ももっと早めに気づけよな……」
「それはその、いわゆる『見えない登場人物』のトリックに引っかかってしまったと申しますか……」
 と、言ってから西守歌は、少し嬉しそうにほほえむ。
「うふふ。でも、すぐに引き返すのが親心、ということですわね」
「は? あの、お嬢様……」
「いえいえ。なんでもありません。それより、早く家に戻って奥様とも仲直りしてくださいましね」
「は、はっ! 申し訳ございません!!」
 そう言って、赤ん坊を大事に抱きかかえ、家路を急ぐ黒服1号(仮)。そして、何故かそのあとをぞろぞろついていく黒服2号(仮)、黒服(以下略)。彼らの姿をしばし見送って、西守歌は涼と明鐘に振り向く。
「さあ、それでは私たちも帰りましょうか。あ、そうだ、せっかく今日は時間が出来たのですから、いっしょに商店街に寄って夕食の買い物をしていきません?」
「あ、ああ、そうだな……」
 校門へ歩き出す西守歌の足取りは、今にもスキップをするかのように軽やか。その後ろ姿を、しばし立ち止まって見ていた涼だったが、そばにいる明鐘にこう囁かれた。
「ねえ、兄さん」
「な、なんだ?」
「兄さんと西守歌ちゃんに、本当に子供が出来たら、私、『お姉ちゃん』って呼ばれたいな」
「んな!? 明鐘、お前、何を言って」
「うふふ。冗談だよー、兄さん」
「ちょっと、涼様に明鐘様ー、何していらっしゃるんですか? 早く参りましょうよー」
「だって。行こ、兄さん」
「…………」
 涼の波乱の日々は、まだまだ、「つづく」。
 ちゃっちゃらん♪

次回予告

  • 益田西守歌「ぴんぽんぱんぽ〜ん。皆様、お楽しみいただけたでしょうか。さて次回は、現在開催中の愛・地球博に、わたくしと涼様が婚前旅行に出か けるお話でございます。手作りお弁当の持ち込みが許されたことですし、わたくし腕を振るって愛妻弁当をご用意いたしますわ! 涼様、わたくしの地元・愛知 を満喫いたしてくださいね〜」
  • 水原涼「ちょっと待て、お前、何言ってんだ? お前、ずっと隣町で祖父に育てられたって言ってただろ? なんで愛知が地元なんだよ」
  • 益田西守歌「あら? おかしいですわね。誰か、別の方が乗り移ったのでございましょうか……まーろまっし」
  • 守屋美紀「というわけで、次回『Φなる・えむいち』第2話、『大名古屋! 愛と地球の博覧会!!』
  • 陸奥笑穂「名古屋駅に降り立った二人に立ちはだかる、大名古屋ビルヂングの大きな影……」
  • 守屋美紀「ってかぁ〜!?」
  • 水原明鐘「……あの〜、一応言っておきますけど、嘘ですよ〜」
  • 武笠晴希「と思ったら、嘘じゃなかったわけだな、これが」