2004年07月15日

「プラネテス」Phase 1 大気の外で(NHK教育)感想

「デューコピー?(……と言ってるようにしか聞こえんのですが、ユーコピーなんだそうです)」(ハチマキ)
「……アイコピー」(タナベ)

  • 宇宙のゴミ、スペースデブリを処理するデブリ課に配属された新入社員・タナベ
  • デブリ課、通称半課。地下の元倉庫にあるそこは、オムツ男・ハチマキをはじめとする半端者の集団だった
  • 初仕事。連合の軍事衛星の軌道に入った平和のプレートを廃棄するという仕事に反発するタナベ
  • そのプレートには連合の宣伝文句が踊っていた。ハチマキは15分待ってプレートを落とす
  • プレートの最後の役目。それは一瞬の流れ星となって、戦地となった国の子どもたちに希望を届ける
  •  正式タイトル「ΠΛΑΝΗΕΣ」(ちゃんと表示されるかな?)、いよいよ地上波放映開始。今まで観れなかったので情報もほとんど遮断してきて、逆にまっさらな状態で楽しめるかと思います。 

     きゃー。素敵すてき。やっぱり正統派NHKアニメって感じです。最初はショムニっぽく始まっておいて(たぶんさんざん言われた感想なんだろうとは思いますけど)、主人公はちょっと理想主義的で青かったりして、周囲の人間はいい加減そうでもちゃんと地に足を着けていて(宇宙飛行士ですが)、ちょっと美しい見せ場を作って、ラストはきっちり落とす、隙のない構成。1話からしっかり満足でした。
     本当は、こういう作品こそ深夜じゃなくて夕方とかにやればいいのに、とは思うんですけどね。

    2004年07月22日

    「プラネテス」Phase 2 夢のような(NHK教育)感想

    「気合入れてくださいよ先輩! このハチマキは飾りですか!?」(タナベ)

  • ハチマキ、宇宙船を買う夢のため宝くじを買う日々
  • ハチマキの同期のチェンシン、スペースシャトルの服装重視副操縦士に昇進(御指摘感謝)
  • 宇宙船を買う夢をバカにされケンカするハチマキ
  • デブリ処理の仕事。なにもかも三年前と同じ日々
  • デブリの軌道がチェンシンのシャトル軌道とニアミスの危険
  • ハチマキ、手動で軌道をそらす
  •  ううむ素晴らしい面白い。
     先週見てからちょっと感想サイトさんをまわってみたんですが、主役ってハチマキだったんですね。てっきりタナベかと。なんか天上天下のときみたい。
     で、二話にして早くもハチマキが働く理由について考えるというテーマ。どうも展開早そうで良いですね。前回の「半課」に対する社内の見方に対して、同期のメンバは別にハチマキをバカにする様子が見られなくて、あれ? と思ったら、ちゃんとすぐにそういう展開になって、さすがに考え抜かれてるという感じ。
     今回もまたデブリ処理のシーンがすごくカッコ良くて夢中で見てしまいました。私もまあかつては「今日の5の2」のツバサくんよろしく宇宙の神秘に胸ときめかせた少年でしたし。しかし並のSFアニメと比べても、地味で実務的なだけにリアルに思える感じです。JAXA制作協力してますし。
     ハチマキが宇宙船を買う日は来ないかもしれないけど、デブリをシャトル軌道に乗せたことで小さな船長になれた、という締めでいいのかな。

    2004年07月29日

    「プラネテス」Phase 3 帰還軌道(NHK教育)感想

    「愛です! 愛を残せばいいんですよ」(タナベ)

  • 死と隣り合わせの宇宙飛行士、毎年恒例の遺書を書く期間。同時に保険の勧誘も盛ん
  • 遺書に落書きを書くハチマキにタナベ怒る。お金は大事だよ〜という勧誘員にも、愛を残せば良いと言う
  • 緊急の仕事。デブリとして回収したのは、かつて宇宙葬として葬られた遺体だった
  • 遺族に連絡を取るも、かつて宇宙飛行士だった祖父の遺志を尊重し再度宇宙に還してほしいと言われる
  • しかしタナベは、ふたたび地球の重力につかまり戻ってきた奇跡こそ遺志だと言う
  • 遺族は遺体とともにあった写真を見て、遺体を引き取ると申し出る。そんな結末をハチマキは認めない
  •  宇宙葬のお話。自らの死のあり方と言う、もっとも人の尊厳に関わる問題だけに、これまでとは違って万人に納得のいく結論はつけ難く、それを充分配慮した結末になっていました。
     先祖代々の墓に入れてもらわなくても良い、あくまで自分は孤独に宇宙へ還りたい、という思いは、今でも海への散骨というのが行われていることもあるように、理解できるような気もするのですが。人間の死というのは、究極に個人的なものでありつつ、同時に極めて社会的なものであるという、難しい問題です。本人が亡くなってしまえば、その死を意味づけるのも、この世にとどめておくのも、残された生者だけなのですから。遺書を書くとか、保険をかけるというのも、そんな残された人への思いから発するもの。

     ところで、仕事場に保険の勧誘員を無闇に入れていいもんなんですかね? 大学だと、助手や助教授の先生が、保険や家の勧誘の電話が毎日のようにかかってきて仕事にならないとよく愚痴ってますけどね。明らかに業務に支障をきたしているような……。まあ、それもこれも「自己責任」ということなんでしょうかね〜。

    2004年08月05日

    「プラネテス」Phase 4 仕事として(NHK教育)感想

    「お父さんのことばかり言ってる人こそ宇宙のゴミです! だったら私が掃除してあげます!」(タナベ)

  • いつまでもハチマキから新入り扱いされるタナベ
  • 連合の議長の息子・コリンがデブリ課の見学に。あからさまに不遜な態度
  • デブリ処理の後、寄り道を指示するコリン。以前の自らの宇宙遊泳で落としたカメラを拾うためだった
  • 我慢する皆だが、ハチマキは許せない。コリンもますます語気を強める
  • タナベ、ブチ切れ。しかしまわりの大人な処理で事は穏便に
  •  うーん。こういう人間ってどうにも私、我慢ならないんですよね。いや、親の威光を笠に来てとかそういう意味じゃなく、平気でこういう言葉を他人に投げかけられる人格というのが、どうにも理解しがたいんですが。しかし、そういうのが存在してしまうんですねぇこの世の中は。またコリン役の私市淳さんの演技が巧いんだ。しかしこの方の声聞くの、ひょっとしたらKanon以来かな?
     ところで、課長と係長って、こんな典型的で一面的なキャラにしてしまって、この先活躍の場はあるんでしょうか。別にいいんですが。
     あとはあれかな。やっぱり名前呼びイベントっていいですね。シチュ萌え(なんか思い入れでもあるのか)。

    2004年08月19日

    「プラネテス」Phase 5 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(NHK教育)感想

    「人に歴史あり、ですね」(タナベ)

  • 月旅行に向かうハチマキたち三人
  • ハチマキ、映画の撮影を手伝わされる。しかし不認可がばれカメラ没収
  • 船には、娘とともに無理心中しようとする夫婦も乗り込んでいた
  • その娘・シア@かないみかが行方不明になり、タナベたちも捜すのを手伝う
  • シアは救命ボートの中に。宇宙が大好きと言うシアと意気投合するハチマキ
  • 没収したカメラから、一人の男がタナベの財布をするシーンが。男を追うチェンシンたち
  • 男は夫婦の自殺用の薬も奪っていた。追いつめられシアを人質にとる
  • 宇宙船を回転させ瞬間的に重力を発生し、男を捕らえる
  •  すごい! 面白かった。
     細かいところを見ると、展開が都合良すぎたり、無理があるとも思えるのですが、そんなことが気にならないくらい巧いストーリィ運びでした。冒頭で出てきたキャラやその動きが、すべて伏線となってつながってくるのを見ていると、久々にドキドキしました。こういう構成は個人的にすごく好きです。
     心中しようとしていた夫婦が娘を人質にとられて娘の命の大切さを訴える、そして自分たちも同じことをしようとしていたと、あやまちに気づく。この心の中の動きは視聴者にのみ明かされているところが良いです。ハチマキたちには、最後まで表面的に普通に娘を人質にとられた両親、という目でしか見えていない(はず。一回しか観てないので誤解でしたらすみません)。これがとてもスマートで良いと思いました。冒頭の映画撮影を本当のチカンと勘違いするハチマキとタナベをはじめとして、全編にさまざまな形での「反復」が用いられているのも、このメインテーマを下支えしていて話に広がりが出ています。だんだん、この作品が名作と言われたゆえんが判ってきたかも。

    2004年08月26日

    「プラネテス」Phase 6 月のムササビ(NHK教育)感想

    「せめて小悪魔って言ってください。あ、天使でもいいですよ♪」(タナベ)
     小悪魔のコはドジッこのコ。

  • タナベの新しい家。出迎えたのは忍、相撲取りなどの怪しい集団
  • 約束の時間に遅れてホテルに着くハチマキ。そのまま見合いの流れに
  • 月に出稼ぎに来ていた頭領たち住人。以前のくノ一だった女性とは離婚
  • 見合いの会場のホテルが火事に。娘の離婚相手の頭領を責める父親に、愛を説くタナベ
  • ホテルに突入する忍集団。「忍者に不可能はない」と大宇宙ムササビ変化。服をパラシュートに落下
  • しかし、いくら1/6Gとはいえ全員骨折。病室でも元気な忍者たち
  •  ひゃー。こんな話も出来たのかー。濃い新キャラたちのパワーに任せて突っ走った展開に見えながら、ちゃんとハチマキの話も同時進行させているところがうまい。見合い相手がハチマキだったことに、タナベがどう反応したのかという描写とかはないけども。
     人類が宇宙へ進出し、月に移住するような時代になっても、日本人に対する憧憬と言うか誤解が残っているという、妙にリアルだかなんだか判らない設定は面白いですね。ここはぜひとも、日本の忍者アニメの古典となっているであろう「ニニンがシノブ伝」でも見せて、タナベをシノブに、頭領を音速丸に見立てていただきたいものです。

    2004年09月02日

    「プラネテス」Phase 7 地球外少女(NHK教育)感想

    「見てみたいな、ハチマキの海」(ノノ)

  • 一週間の入院をするはめになったハチマキ。責任を感じ足しげく見舞いにくるタナベ
  • ハチマキ、病院の待合室で少女・ノノと出逢う
  • 12年もここにいると言うノノに地球の海のことを知りたいと言われ、九十九里浜の思い出を語るハチマキ
  • ハチマキ退院の日。隣のベッドにいたベテラン飛行士のローランド、無断で月面に出る
  • 病院に戻ったハチマキ。神は人間を恨んでいるのだろうと言うとフィーにどやされる
  • ノノと再会。12歳の彼女は月で生まれたルナリアンだった。月でしか生きていけない体だが、月面に出て嬉しそうに「ここがわたしの海」
  •  本当にすごいなぁ、この作品。毎回ちゃんと前につながる流れを作りながら、実に自由に、そして質の高い話を見せてくれます。
     今回はもう何と言ってもノノ@こおろぎさとみでしょう。主人公と一時の出逢いをし、心を通わせるという展開は王道のものでありながら、典型的な病弱少女萌えーな設定とは一味違う良さを感じました。自分の境遇を誇りにさえ思い、いつも前向きっていう、こういう性格の娘は好きですねー。そしてまた、病室で仲良く遊ぶノノとハチマキに対し、しっかりタナベが割り切れなさを感じている描写がグッドです。
     あと、深夜に煌々と光る自動販売機のシーンを見て、この未来ではエネルギー問題は解決されたんだろうかと思ったのですが、ちゃんと後半でそれらしきことが匂わされているとこがしっかりしてます。すでに現在でも月資源の利用価値は真剣に議論されているものですからね。
     しかしあれだなぁ、この未来ではスク水は絶滅してるのかなぁなんてことを思ってしまった私、反省。

    2004年09月10日

    「プラネテス」Phase 8 拠るべき場所(NHK教育)感想

    「仲間を信じなきゃ、何も始まらないって」(フィー)

  • フィーが事業部長とふたりで話している現場を目撃する係長
  • デブリ課内で、不倫ではないかと噂に。怒るタナベは本人に訊きただす
  • フィーと事業部長はベンチャ企業のかつての同僚だった。話の内容はフィーを管制課の係長に抜擢するというものだった
  • フィーがいなくても仕事ができることを示そうと協力するデブリ課の面々
  • デブリはレーダに映らないゴースト。しかし係長の慣れない操縦などで太陽を浴び液状化する
  • 事態を知ったフィーは管制課に乗り込み、的確な指示で回収を成功させる
  • 栄転を辞退するフィー。事業部長に、早く出世して元の姿に戻ってほしいと言う
  •  もう、なんか、他のアニメとレベルが違いすぎるという感じです。もちろんどの作品も観てるときはオンリーワンで楽しんでいるんですけど。ここまで毎回楽しめる(外れ回がない)というのは超絶。
     フィーを抜きにしてデブリ回収に乗り出す課の面々。いいのか、そんな勝手なことして!? とか思いましたけど、よく考えるとフィーは主任なので課長・係長が主導しているのなら形式上は問題ないのですね。しかし、そのままミッション成功というような御都合主義が過ぎることもなく、かといって無能なままの係長でもなく(課長は「何もしないこと」とか言われてますが)、このバランス感覚の良さが非常にリアルで良いですね。けっきょく図らずもフィーがいないとダメだということが証明されてしまった形。ひょっとして実はユーリあたりがそれを見越してたとかいう展開になるのかなとも思ったのですが、そこまではいかなかったみたいです。
     ラストの事業部長とフィーの会話、部長をゴーストのデブリに重ねるところは綺麗だなぁと思いました。言明されないと、判る人にしか判らない隠喩になって、それはそれでマニアックなんですけど、うーむ、親切設計。会社とか、組織にいることの難しさと、なおかつ現実から逃げない姿勢を貫くフィーが素敵です。
     もうこの調子でいくらでも細部の作り込みの良さを指摘していけるのですが、やめときます。とりあえずキャラの立ち方が相変わらず良いなあということだけ。やっぱり愛をさけぶタナベ(名前がアイだということに今さら気づく)、その手の話題に鈍感なハチマキ、実はタナベを狙ってるのかチェンシン、メガネでパソコンのエーデルさんもいい感じ。
     うわー、そして来週もまた楽しみだ。タナベがかわいいよ。

    2004年09月16日

    「プラネテス」Phase 9 心のこり(NHK教育)感想

    「なんだかぐるぐるぅ〜」(タナベ)

  • 保安庁から監査に来たギガルト。デブリ課が古巣
  • ハチマキから先生と呼ばれるギガルト。ハチマキのあだ名をつけたのも彼
  • つき合っている人はいるかというハチマキの以前の問いに、いないと答えるタナベ
  • ギガルトの歓迎会兼お別れ会。ハチマキに管制課のクレア=白鳥との仲を尋ねるギガルト
  • デブリ回収時、不法投棄業者に遭遇。ハチマキとギガルトはふたりで船外に出て妨害に応酬
  • 命綱が切れたギガルト。しかしタナベによって助け出される。応援に来た保安庁の巡視船、乗組員もまたギガルトの教え子だった
  • タナベにエンジェルというあだ名をつけるギガルト、しかしその身は既に蝕まれ
  •  はぁ〜、この前の7話で出てきたローランドが、ここで効いてくるのですか。びっくりです。ギガルト@岩本規夫を中心に、宇宙飛行士の縦の系譜がつながって、最後には、それがタナベに確実に受け継がれる。やはり緻密な作り方をしてますねぇ。
     やっぱり、キャラクタに過去がある、歴史があるということが見えるというのは物語が重層的になって非常に大切だと思います。これは単にエピソードを語ればいいというものでもない。たとえば今回はギガルトがつけたデブリ課の面々のあだ名がひととおり出たわけですが(エーデル:砂時計、ラビィ:ひまわり、フィー:ターボライター、課長:マシュマロ。ユーリは?)、どれもいかにもという感じ。それが、あとでハチマキだけちゃんとした名前の由来が語られる(クレア:白鳥もですが)。あだ名をつけるにしても、も人の外見だけではなく中身まで見抜いているというギガルトの人となりを象徴しつつ、語られなかった他の人のあだ名の由来も想像させる、一石二鳥展開。単なる思い出話にもっていかないところがすごいなぁと思います。
     そして、そのギガルトからエンジェルという二つ名を頂戴したタナベ。宇宙飛行士だからこれがホントのギャラクシーエンジェル、なんてきっと既にBS放映時に言われていることでしょう……。それともラブリーエンジェルとかね。
     まあ、今回の話の展開からして、タナベにあだ名がつけられるオチだろうとは予測がついたのですが、さらにもうひとつ一波乱ありました。そうか、だからサブタイトル、「心のこり」だったんですね。普通に考えれば心のこりだったのはやっぱり……。
     あと、今回は飲み会シーンと、そのあとの二日酔いタナベが白眉。なんだろう、前回の予告は詰め合わせセットよろしく、厳選タナベ萌えショットだった感じです。ぷかぷか浮かぶノーラくんぬいぐるみもかわいかったです。エーデルじゃないけどほしいなぁ、あれ(グッズあるの?)。

    2004年09月23日

    「プラネテス」Phase 10 屑星の空(NHK教育)感想

    「宇宙が見えます。(……)他には、なにも」(ユーリ)

  • 有給休暇をとらないユーリ。白いカーネーションをTOYBOXに飾る
  • ギガルトの病を知りつつも口止めされ、作業がおろそかになるタナベ
  • ユーリの過去。シャトルにぶつかったひとつのデブリによって妻を失う。彼女が身につけていたコンパスを捜すため、他社のデブリもチェックする日々
  • 隠れてなにかをやっているユーリに、仲間なのに水臭いというハチマキ
  • デブリ回収中、別のデブリが接近し撤収。しかしあのコンパスを見つけたユーリはデブリに接触、墜落
  • コンパスには「Please save YURI」の文字が。その腕を支えたのはタナベたちだった
  • 仲間でも、他人に言えないことはあると言うハチマキ。ユーリはひとり、宇宙にカーネーションを捧げる
  •  う゛あ゛ああああ。号泣。アニメを観て涙を流しそうになったのはひさしぶりの体験です(寝不足という可能性も捨て切れませんが)。
     あの第1話の冒頭のシーンが、ユーリの体験だったとは。それを、作品のこの地点でタナベの心境と絡めて出してくるなんて、ほとんど神業です。見ようによっては他人に対して心を閉ざしているようにも捉えられるユーリの態度。それに憤るハチマキ。そもそもデブリ課のメンバみんな連帯感が強そうな感じではないんですが、あえて彼が「仲間」と口にするのはタナベの影響でしょうか。それでもラストでは、仲間だからといって、なんでも無理に分かち合おうとする必要はないという姿勢が打ち出されています。この距離感のとり方が、プラネテスのすごいところ。

     うーん。あまりにも完成度が高すぎて、いつものような妄想全開ちゃちゃ入れ感想が書けないのが辛いところです。この作品にはその、某ナディアの島編のような、たのしい展開は待ち受けていないんでしょうか。たぶんそれでも楽しめると思うんです、私(なんの決意表明か)。

     まあ、うちはうちらしくやらせてもらいます。今回ちょっとした小道具で用いられた花言葉。まあいろんな作品で使われてるものですが、この世界もけっこう奥が深くて、ひとつの花に複数の花言葉があって、全部憶えてる奴なんていないという話だそうです。私は花言葉の知識なんて「この花はわたしです。」くらいしかないのですが(間違ってる)、まあ別に単なるギミックのひとつとしていいんじゃないかと思ってまして、そんなに気にしません。しかしまあ、即座に花言葉を答えたエーデルさんに疑念は生じますね。もしかしてと思ってネットで検索して、「なーんだ」と落胆した……みたいな。それで別の怪しげな意味があったりしたらどうするのか知りませんが。花を挿してるノーラくんも相変わらずかわいいっ。深い描写がない分妄想をはたらかせる余地があるので、できれば彼女には最後まで謎存在のままでいてほしいような気も、しないでもないでもないでもない(気をつけよう、安易な西尾維新パロディ)。

    2004年09月30日

    「プラネテス」Phase 11 バウンダリー・ライン(NHK教育)感想

    「事故だよ、事故」(ハチマキ)

  • 南米・エルタニカ人のテマラ、自国で作った宇宙服を売り込みに来るが、邪険にされる
  • 厄介を押しつけられた管制課のクレア。彼女もエルタニカの出身だった
  • ハチマキ、宇宙服をデブリ課でテストすると言い出す
  • チェンシンに食事に誘われていたタナベだったが、宇宙服テストのため延期に
  • 船外テスト中、連合の船が。連合がエルタニカを侵攻したためテマラの身柄を拘束するという
  • 事故に見せかけテストを強行するハチマキ。テマラは船に刻まれた仲間の名を呼びながら成功を祈る
  • 無事テストは成功。連合の意向に従うテマラ、地球を眺めて涙
  •  あぁすごい、本当にすごい。先週の感動も醒めやらぬまま、またも涙が。まだ一クールも終わっていないのに、これはもう一回たりとも見逃せないですね。
     「バウンダリー・ライン」という、あえて和訳していないサブタイトル。それを見たときから、きっとこんな感じのセリフで締めるんだろうなということは予測はできましたけど、そこに至る道行が素晴らしい。国境というもの、自らの出身というものを善かれ悪しかれ気にしなくてはならない現実があるからこそ、地球をはるか宇宙から見たときの姿に感じ入るということですね。タナベの「恋愛光線」も関係ないようでいて伏「線」になっているし、相変わらず恐ろしい作り込みです。テマラが皆の名を口にしつつ、クレアの名を宇宙船に刻むところも良かったです。
     宇宙開発って、現状ではほとんど金にはならない仕事という感じで、先進国の寡占状態。もちろんこの作品の時代では、月に住む人がいたりと、状況は変わってはいるけれど、連合の存在とか、途上国の内紛とか、やはり現代と地続きの世界だという印象があるわけで。そんな中で、本当に国を発展させるのは産業だと言うテマラの言葉は、一面の真理を衝いていると思うわけです。
     だけど、「プラネテス」が物語構成として優れているのはここから先。母国のために我が身を賭すテマラに対比する人物として、クレアを持ってきたところ。アメリカに帰化し、見ようによっては故郷を捨てたともいえる彼女。食事のシーンでは、かつての母国の人間に対する軽蔑心に近いものも描かれつつ、けれど以前の話でもあったとおり、彼女自身もまだ成功したとは言いがたい。こういうふうにゲストキャラが出てきたときでも、単なる一エピソードに留まらず、ちゃんとレギュラメンバの成長につなげる描き方をしているから、観るごとにどんどん感動が高まっていくわけで。
     そういえば、クレアや周りの人間の素振りからして、エルタニカ出身だということは仕事仲間にも公言していないようですね。かつての仲間の事業部長は知っていてもおかしくないとして、ならハチマキはどうして知っていたのか。やはり過去のふたりの仲がその程度まで進展していたことを示唆するわけで、あいかわらずタナベを狙うチェンシンともども、こちらも気になります。
     よし! もうさっさとOP「Dive in the sky」(C/WはEDの「Wonderful Life」)買ってこよう。もっとこの世界に浸っていたい。

    2004年10月07日

    「プラネテス」Phase 12 ささやかなる願い(NHK教育)感想

    「これ以上私を怒らせると、切れちゃうぞー!」(フィー)

  • 宇宙防衛戦線による喫煙室の連続爆破事件。おかげで煙草が吸えないフィー
  • チェンシンとデート?のタナベ。いっぽうチェンシンが気になるリュシーはハチマキにタナベとつき合ってくれと言う
  • デブリからの通信、それは宇宙防衛戦線の犯行声明。機体はセブンに突入する……
  •  めちゃめちゃ素晴らしぃ〜。先週の次回予告で想像してた話と全然違った! 最高すぎます、この作品。
     前回、前々回と、これ以上ないくらいの高水準の話を見せてくれて、さすがに三話連続でこのレベルを維持するのは無理なのでは、と思いきや、そう、プラネテスにはこういう方向性もあったのですね〜。忍者の回以上に笑わせてもらいました。
     単にフィーが暴走してるだけなんじゃなくて、ちゃんとそれが宇宙防衛戦線へのアンチテーゼになってるとこがこの作品らしいですね(個人的にはギャグ展開に必ずしも意味を付与すべきだとは思わないんですけど。神無月の巫女も許せてるし)。喫煙というのは、ある意味最大のムダな行為。だけどそういうムダがあってこその人間。それは、一見前回のエルタニカ人の必死さとは真逆な姿勢であり、のほほんと海上で煙草をくゆらすラストシーンは、ともすれば前々回のユーリの危機はなんだったのかと思ってしまうことにもなりかねないものなんですけど、非常に巧い形で両面性を描いていると思います。
     私自身は喘息持ちなんで煙草は吸えないし、吸いたくもないんですけど、フィーみたいな愛煙家にとってみれば、まあ抑えられない気持ちなんだろうなと、共感はしませんが理解は出来ます。マナーさえあれば良いのですよ。

    2004年10月14日

    「プラネテス」Phase 13 ロケットのある風景(NHK教育)感想

    「無いんだ、世界に境目なんて」(ユーリ)

  • ハチマキの里帰りについてきたタナベとユーリ。出逢ったのはハチマキの弟・九太郎
  • 九太郎のロケット実験につきあうユーリ。と、妻の形見のコンパスを壊してしまう
  • ハチマキの旧友の言葉で変に意識するタナベ
  •  いやー、やっと落ち着きました。三回連続で超絶傑作が続いたので、ようやく一息ついたという感じです。こういう自然あふれる田舎の描写って好きなんですよね。基本的な舞台が宇宙だから、いっそう印象的です。ずっと流れていたエンディングも今回の話にぴったりで、今まで以上に素晴らしく見えました。
     って……なんだこの激萌えシチュエーションはー!! ハチマキのバイクのうしろに乗るとこのタナベが、もう、もう! まさかこの作品でこんな場面が見られるなんて思ってもみませんでした。そのあとの浜辺でのツーショット、しっかり邪魔されるところが定石通りでグーです。
     といいつつ、もちろん今回は九太郎@保志総一朗の話がメイン。ここにユーリを絡めてくるのがなかなか面白いですね。過去に向いていたコンパスの針を、未来へと向ける転回。そのせいか、あの回よりもいい意味で軽い話でした。ラストのユーリの「変貌」はちょっと違和感(笑)。しかし、前からちょっと気になってたんですが、みんな日本語でしゃべってるんでしょうか。通信も?
     しかし、ハチマキ(八郎太)・九太郎って、九人兄弟なのかと思ったら、お母さんのセリフによるとさらに十人目がいる様子。この世界の日本は少子化対策に本腰を入れて、出産奨励政策でも行ってるんでしょうか。だとしたら、未来でも妹萌えは安泰ですな。

    2004年10月21日

    「プラネテス」Phase 14 ターニング・ポイント(NHK教育)感想

    「オレはな、禁止とかやめろって言われると、かえってやりたくなる性格なんだよ!」(ハチマキ)

  • TOYBOXのかわりの新型宇宙船に子どものようにうかれるハチマキ
  • ハチマキのことを好きだと自覚するタナベ。しかし、係長補佐から社内恋愛命令が
  • 第三事業部の開発者から、小惑星に衝突するモジュールを救ってほしいと依頼。第三事業部長の横やりが入るがハチマキは反発し行動を起こす
  •  もう、最っ高! 一話ごとにやりたいことが非常に明確で、いろんな要素を詰め込みながらもすべてがそれにつながっていて、本筋がブレないのが心地良いです。

     引き金はリュシーの詰問。「寝たの?」なんてこのアニメにしてはストレートなことを言うなぁ、と思ったら、どうもリュシーの意図は別のところにあったみたいです。えー、これ今回はまだはっきり明かされてないですよね? 私の見落としでなければ。しかしこのタナベの勘違いが、後の展開に効いてくることに。
     モジュールの回収をするときの、「ゆっくり結合すればいい」というハチマキのセリフ、これにやっぱり別の意味が込められているような気がしてならないのです。私のうがちすぎなのかもしれませんけど。深読みでなければ、非常にスマートかつ上品な見せ方でふたりの関係を暗示しているということになるのですが。
     そしてもっとも重要な、ハチマキの「禁止と言われるとかえってやりたくなる」という発言。こちらははっきりとダブルミーニングだと示されています。もちろん、これだけを聞けば社員としてちょっとどうかと思ってしまうセリフではあります。でも、事後にフィーの口から、第二事業部長も同じように「ああしろと言われると反発する」性格であると明かされることで免罪符が与えられた形になっています。それに、ハチマキたちにとって第三事業部長は直属の上司じゃないですからね。まあ、ラビィ係長補佐は直属の上司ですが……。

     やっぱり私が作品を評価する上でもっとも重視する点は、物語の中で各エピソードを積み重ねながら、登場人物がどのように変わっていくかというところなわけで。ここまでを見る限り、この作品はその点でもほとんど完璧です。ハチマキとタナベの関係を軸にしながら、ユーリも変わったし、クレアも変わりつつある。フィー姐さんは変わらなくていいかもしれないけど。そしてその他の面々は……。まさに今回のサブタイトルが示す通り、ここが転回点となって、この先どのように皆が変わっていくのか、非常に楽しみです。そして最終回を迎えたとき、あの第1話からどこまで世界が広がり、違って見えるのか。楽しみは尽きません。

    2004年11月11日

    「プラネテス」Phase 15 彼女の場合(NHK教育)感想

    「今はテクノーラとの契約時間ではありません」(エーデル)

  • 契約社員だったエーデル。いくつものバイトをかけもち
  • 休暇を取りデートするタナベとハチマキ。しかし行く先々で知人に遭遇
  • リュシーの指導のもとホテルに入ると、部屋には見知らぬ男が。ある人物との再会の約束があると言う彼だが……
  •  これもずいぶん久しぶり。しかし、改めて格の違いを見せつけられたというか、本当にクオリティが段違いです。
     某所でうっかり微妙なネタばれ情報をキャッチしてしまったんですが、それでも二転三転する展開に目が離せませんでした。
     タナベとハチマキの関係を主軸に描きながら、チェンシン、リュシー、クレアにそのデート風景を目撃させ、それぞれの物語も進展させる。これで無理なくまとまってるだけでもすごいのに、さらに実はエーデルのクローズアップ話だったというオチ。それもあの男、サーシャでしたっけ、彼の使い方が二重三重の意味を持っていて巧すぎです。なんかしゃべり方がエアトンっぽいなと思っていたら、やっぱり宇宙一のほら吹き男でした。
     なるほどー、エーデルにはこういう過去があったんですね。いやまあ、ネットでプラネテスを聴いたらエーデル@伊藤舞子さんがゲストで、いきなり「彼女の場合」の「彼女」がエーデルのことだなんて語り出したんで、慌てて視聴中止したんですけどね(これが「某所」の正体)。本来の放映予定週の前にアップされてたんですが、公式でネタばれがあるとは思いませんでした。以前、謎のままのほうが妄想できるなんて言いましたけど、まあキャラを描かなきゃ出した意味がないですからね、筋を通しています。そして相変わらず、シリーズのこの位置しかない、というエピソードの置き方が抜群。
     最後はなんかミステリの解決編でありがちな展開になってましたが、タナベもきっちりお約束通りのセリフを吐いてくれて、最高です貴女たち(もちろんハチマキも)。
     あと、デート中、ハチマキを「八郎太さん」と呼ぶタナベがいいですね。ものすごく動揺するハチマキも楽しい。それに呼応するかのように、ラストの締めは「エーデルでいいよ」。名前呼びイベントをこう使うかっ! もうほんと、言うことないですね。

     ただひとつ、問題があるとすればギガルト先生@若本規夫の声が音速丸に聞こえてしまうということ(笑)。

    2004年11月18日

    「プラネテス」Phase 16 イグニッション(NHK教育)感想

    「太陽系は変わるぞ。こういうときは、馬鹿が必要なんだ」(ユーリ)

  • 船外活動中に事故で宇宙を彷徨ったハチマキ。被曝こそなかったもののショックで空間喪失症に
  • 月での半月の療養と訓練を経てふたたびテストに挑むハチマキ。だが心の中の自分が敵となる
  • ギガルトの勧めで、フィーはハチマキを木星開発宇宙船の工場へ連れて行く
  •  うわぁ、うわぁ、もう、もう凄すぎる。後半はほとんど涙でまともに視聴するのも大変でした。泣いたとか感動したとか、比喩じゃなく言えるのはこのアニメだけです。

     ああ、今すぐにこの気持ちを文章にしたいのに、こうしてキーボードに向かっている今も感情が昂ってまともな感想が書けそうにもありません。本当に、これが最終回でもおかしくないくらいの完璧な出来映え。なのに、まだこの先があるなんて! 本当に出逢えて幸せだと思える作品です。

     船外活動員にとって致命的な病。それにおびえつつ、ハチマキの心の中でもうひとりの自分がささやく。それこそが自分の望んでいたことだと。それを言い訳にして、中庸に落ち着いてしまおうという誘い。こ、ここであのEDを、地球での日常のシーンを入れてきますか! Phase13で描かれたものとは、またさらに違う意味が付随されるわけですね。Phase7のノノとの再会も、これまでのシーンが蘇る走馬灯展開も、普通に使われるような意味合いとはまったく違っていて恐ろしくなりました。
     そして、やはりこの世界では核融合技術は確立されていたのですね。ヘリウム3が資源として重要視されていましたし、エネルギー問題解決のためには不可欠ですから予想はしていましたけれど。ちょっと嬉しいなぁ。やはりこうして最新の技術を目の当たりにすることが、活力の源になるということでしょうね。心の中にいる、もうひとりの自分との闘い。それが今回の一度限りで決着がつくものではなく、これから先ずっと向かい合っていかなければならない、その覚悟を決めることが大切という描き方が素晴らしいと思います。

     さあそして今後の展開。ドルフの昇進問題とか、クレアのこととか、それからチェンシンのこともありましたね。そうか、それを考えたらまだ終わらない、終われないんですね。まだまだ注目です。

    2004年11月25日

    「プラネテス」Phase 17 それ故の彼(NHK教育)感想

    「我が儘になるのが怖い奴に宇宙は拓けねぇのさ」(ゴロー)

  • ハチマキのもとに、木星往還船のフォン・ブラウン号を設計したジョンロック・スミスが訪ねてくる
  • 彼が捜していたのはハチマキの父にして伝説の宇宙飛行士・ゴローだった
  • 月のエンジン工場で事故。会見をするジョン・スミスの発言を見たゴロー、ハチマキの胸に去来するものは
  •  えぇ〜、こんな展開になるのかっ! 実に予想外、でもそこがまた素敵! 優勝賞金1万円、ただし副賞にマンション一棟プレゼント! みたいな。

     アバンタイトル、ギガルトのもとを訪れた人々や彼がかくまった男の正体がまるで不明のまま話が進み、なんか茫洋として意味がつかみかねたのですが、やはり意図的なものだったようですね。Aパートの最後ですべてが氷解、そして思わずニヤリとしてしまう展開でした。
     実に面白いです。ハチマキと並んで九太郎が「おちゃらけ」と称した父・ゴロー、そしてジョンロック・スミス博士。ここに来て登場したこのふたりのキャラ造形、通俗的な描写なら典型的な悪役に描かれるところでしょうけど、そう単純じゃないのがとっても私好みです。いつも言ってますけど、ステロタイプな人格って嫌いなの。やっぱりこうでなくっちゃ。
     この作品って、一話ごとにどんどん印象が変わっていくのがすごいですね。最初はクレアやドルフあたりが典型的なエリートだと思っていたのに、11話でクレアは貧困国の生まれだということが明らかになり、今話では彼女の口から「ハチはサラブレッド」という発言まで飛び出している。そういうのはキャラに留まらず、エピソード自体もそう。先の11話のすぐあとにフィー姐さん暴走な回を入れたのと同じように(さすがにあそこまでのコメディ色は打ち出されてませんが)、私が文字通り号泣した前回から一転、見ようによっては「宇宙から逃げた」ともとれるような父親を出してくるというのは、もう見事としか言えません。

     うーん、これはもうある意味第二部開始と見ていいんですかね? 次回もあんなサブサブタイトルだし……(といって、予告はミスディレクションの嵐だからどこまで信用していいのか判りませんけど。今回のサブタイは絶対ドルフのことだと思ったのになぁ!)。

    2004年12月02日

    「プラネテス」Phase 18 デブリ課、最期の日(NHK教育)感想

    「私たちはまだ、デブリ屋なんだ」(フィー)

  • 木星開発部門を分社化したテクノーラ、ドルフをその社長に据える
  • かわりに第二事業部長を兼務することになった第三事業部長、デブリ課の解散を命じる
  • 最後のミッション、回収目標のデブリは連合の機雷だった。事業部長から回収の中止を命じられるが……
  •  またしても絶賛モード。ラビィ係長補佐や課長がこんな形で活躍する日が来ようとは。第4話での自分の不明を恥じるばかりと言うか、もうまんまとしてやられました。

     ここ最近、上層部から疎ましがられていたドルフ。それが前回のフォンブラウン号のエンジン工場事故をきっかけに、こういう形で追い出されることになるわけですか。ここまでは予想内にしても、かわりに登場したのは14話でデブリ課に因縁をつけた第三事業部長! はぁ〜。後半で5話の映画監督とかも再登場しているし、ほんとに一人としてキャラをムダ遣いしない、おそるべき作品です。

     デブリ課解散を受けて接待攻撃のラビィ。総務課の係長を約束されて、7人の子どもたちに電話。「ゲームが欲しい」という男の子たちに混じって、「望遠鏡」という女の子の言葉、あとで強調されてますが、このさりげなさがいいですね。そして「もうデブリは拾わないの?」。くわ〜、これはもうすこし年を取って、それこそ子どもが出来たころに観たとしたら号泣するでしょうかね。この前の16話「イグニッション」なんかは今の私の世代にピンポイントで涙腺を刺激される話だったわけですが、これぞ本当の意味ですべての世代に感動を呼ぶ作品。
     そしてこのあと、いつものとおり、しかし最後のデブリ回収に向かうデブリ課。そしてやっぱり命令違反をするわけですが、それに強硬に反対するラビィ。「サラリーマンであること」と、「宇宙を守るデブリ屋であること」との葛藤。何度も積み重ねられたエピソードの重みがあるから、このラビィの決断にまったく不自然さがない。そして、映画監督たちの乗ってきた旧型機でマニュアル操作するラビィの後ろ姿に感動。「プラネテス」という作品は基本的に、未来に向かってひた走ろうとするハチマキが主人公な訳ですが、こういうふうに前の世代の人間の奮闘もしっかり描いているところが素晴らしいです。SクラスのEVAを成功させたハチマキが、今回まるで脇役になってしまっているというのもすごい話です。まあ、タナベはしっかり見てるからいいのかな。でもハチマキはすでに決意を固め……。
     それにきても、命令違反に加え、課長やエーデルは事業部長に手を出してしまってるわけで。デブリ課の解散は決定的なものと思われますが……。うわー、この次回予告ではもうさっぱり予測がつきません。

    2004年12月09日

    「プラネテス」Phase 19 終わりは いつも…(NHK教育)感想

    「エゴイスト結構。私もエゴイストだ」(ロックスミス)

  • ハチマキはテクノーラ社を辞め、フォンブラウン号乗組員公募に挑む
  • そして一次審査の最終試験。その中にはチェンシンや軌道保安庁を辞めたハキムの姿も
  •  無人の街、突きつけられる銃という、あの次回予告から、よもやこんな展開が待っていようとは。いやしかし、実に面白い。

     この作品の「面白い」って、三種類あると思うのですよ。ひとつは言ってしまえば感動系。数的にはいちばん多くて、Phase 1, 2, 5, 7(ノノ), 9, 10(ユーリ), 11(テマラ), 15(エーデル), 16(イグニッション), 18(前回)あたり。ふたつめが爆笑系とでもいえばいいようなもの。Phase 4(コリン), 6(忍者), 12(フィー)など、数は少ないながら、その衝撃はすさまじい。そして三番目が、いまひとつ割り切れない思いが残ったままテーマが次回以降に引き継がれるというもの。Phase 3(宇宙葬), 8(ドルフ), 13(帰省), 17(ゴロー、ロックスミス), そして今回がまさにこれに相当します。上二つの話の間にうまく沈み込みつつ、その都度シリーズ全体のテーマを再確認させてくれます。それでいて、一話だけを見てもなお充分におもしろいから恐ろしい。(なおPhase 14については、まさに「ターニングポイント」らしく、この三つの要素がすべてあてはまっていて分類できませんでした。もちろんこれも意図的なものでしょう)
     とにかくロックスミス博士が素晴らしく良いですね。「優秀すぎた」ドルフと出逢って(正確には前に何度も逢っていたみたいですが)、どうもこの二人の間で怪しい画策がなされそうです。しかし、テクノーラや連合の上層と違って、その怪しさが厭味でないのが非常に面白い。最終試験で事故に逢った受験者に対して言っていることが、ちょうど昨日の「ナディア」のネモ船長が最終的に下した判断と逆ですね。ひとりのために大勢を犠牲にするか、その逆かで、迷わず後者を採るロックスミス。こういうキャラクタが魅力的に描かれるのは森博嗣先生の小説内くらいだと思っていたのですが、まさかアニメで実現されるとは思いませんでした。希有な作品です。

     とと。感想書いてる途中でプリンセスアワーが始まったのでいったん中断。あとなんだっけ……。
     そうそう、デブリ課が存続するというのもちょっと意外でした。機雷の事件が対外的に明るみに出て、功を奏したんですね。テクノーラとしてはスキャンダル続きで、煙たがられることに変わりはないでしょうから、今後も安泰かどうかは判りませんが……。あの事業部長も更迭されてはいないでしょうし。
     タナベとリュシーの会話も相変わらずいいですね。直前、ハチマキとチェンシンが飲んでる居酒屋のシーンから、回るファン→宇宙ステーションとつなげる演出も定番ながら心憎い。タナベの「なんだかぐるぐる〜」も思い出します。
     そしてタナベに連絡をとらないハチマキ。野宿してるから連絡先を教えられないわけですが、何故野宿かと言えば無職だから。じゃあ何故テクノーラを辞めたかというと試験に集中したいから。つまり自分にはフォンブラウン号しかない、片手間では駄目だというふうに話がつながってくるわけですね。そしていっぽう社内公募で選ばれたチェンシン。初めから、次の次ぐらいを目標にしていたという発言にもあるとおり、たしかに彼の姿勢こそが大人として、優等生的なものでしょう。でも当然ハチマキには受け入れられない。子どもの理屈であっても、我が儘であっても。しかし、ということはチェンシンの「(タナベを)僕から奪ったんだから、しっかり捕まえておけ」という言葉も受け入れられないのでしょうね。それこそ片手間以外のなにものでもないと、今の彼なら思うことでしょう。そんなハチマキの想いが今後どう動いていくのか、本当に楽しみです。

     で、今度の次回予告も意味不明……。これだけ次回予告が予告になってない作品も珍しい。キャラが勝手にしゃべって予告をしないというパターンはよくあるけど、純粋に映像とセリフだけで騙しにかかってますからね。むしろアンチ予告か。

    2004年12月16日

    「プラネテス」Phase 20 ためらいがちの(NHK教育)感想

    「あんたとなら、木星に行けそうだ」(ハチマキ)

  • デブリ課に新社員の配属。それは元管制課のクレアだった
  • フォン・ブラウン号二次試験は四人一組での共同生活。ハチマキはハキムと同じ班に
  • 試験終了5時間前、突然の停電。四人分の酸素が保たない状況下、ハキムやハチマキの決断は
  •  ううむ、これも後から見ると伏線とか張りまくりなんだろうなと思いつつ、外堀が埋まっていくような回。

     しかし、このレベルの話ではなんか物足りなくなってしまうというのも贅沢なものです。展開は面白いけれど、ハチマキがデブリ課にいた頃のようなカタルシスは感じられなません。もちろん、それも充分計算し尽くされた上でのシリーズ構成なんでしょうが。
     ハチマキのいなくなったデブリ課に新たに配属されてきたクレア。言われてみればこの線は充分ありそうなことでした。そしてタナベとの関係を心配するラビィ。って課長(補佐?)、ハチマキとタナベのことを知らなかったのか! ここで訊かれたエーデルがすんなりうなずくのがちょっと面白かった。なんとなくクレアを気遣う、あるいは同情するかのようなタナベ。このへん、なんかタナベ自身がデブリ課を卑下しているような物言いなのがひっかかります。心のどこかで、ハチマキが捨てた仕事、という思いを抱いているのかもしれません。そしてチェンシンに迫られる……。うわー、ちょっと怖いなぁ。ハチマキに追い落とされたショックで、嫌なキャラになっていくという変貌も、この作品ならやりかねないところですので。最終的にどのキャラもなにがしか救われる形になってほしいというのは、まあ甘い希望かもしれませんが。しかしフォン・ブラウン号も駄目、タナベも駄目では、チェンシンはどこに救いを求めたら良いのでしょうか……。普通なら出世でしょうけど、さんざんテクノーラの悪い側面を描いてきてますしねぇ。
     いっぽうのハチマキ。まあ、前回の流れを引き継いでいけば、こういう話にはなると思っていました。そうはいってもさすがに殺人はせんだろうと思って見てしまったので、ちょっとラストのインパクトは薄かったですね。まあ、ミステリィでいう密室トリックの逆だと思えばオチはだいたい読めますしね。ロックスミスならぬ、ロックドルーム(やかましいわ)。

     で次回はかなり面白そう。次回予告の声で判別するに、(半ば予想はしてましたけど)あの人物までが再登場の模様。そしてクレアとタナベの対決もありそう。って、毎度ながらこの予告をどこまで信用していいか判りませんけど……。

    2004年12月23日

    「プラネテス」Phase 21 タンデム・ミラー(NHK教育)感想

    「こんな危ねえもん、喧嘩で使うな! 俺の船がぶっ壊れちまうだろうが!!」(ハチマキ)

  • 二次試験を突破したハチマキやハキムたちはフォン・ブラウン号に乗船
  • いっぽう、先日の事故で発生したデブリ処理のため月に向かうデブリ課
  • 回収したタンデムミラーの残骸から、事故は宇宙解放防衛戦線によるテロだったと発表されるが……
  •  素晴らしい。これまた極上の傑作回。

     予想通り、連合の議長の「バカ息子」・コリン再登場。しかし今回はれっきとした連合の一員として。実力も実質的な地位も持っていなかった4話の場合とはまったく違う物語がここで描かれます。前回は、コリンの私的な行動でデブリ拾いをさせられることになって、それに反発したタナベの愛が炸裂。しかし、今話で回収したタンデムミラーは、それこそ人類の歴史をも揺るがしかねない存在。ここまでの対比の仕方はある意味定石通り。さらにここからクレアの存在によってもう一度価値観がひっくり返されるところがプラネテスのプラネテスたる所以。「あなたの愛は薄っぺらい」というのは、前回の予告にも出てきて期待のセリフでしたが、またこういう文脈で使われるとは思いませんでした。
     そしていっぽう、ハキムと対峙するハチマキ。もう一語一語に体が震えっぱなしです。父親・ゴローの言葉を反芻しつつ非情になろうとするハチマキですが、またもうひとりの自分が顔を出したり、心の中では揺れ動いているのを必死で隠そうとしているようです。ハキムの正体もまあ、各地の感想でそれらしきことは匂わされてたんですが、やはり衝撃。クレアとハキムの出自といい、吐かれる言葉といい、すべてが完璧に対応しています。
     そう、このクレアVSタナベ、ハキムVSハチマキというデュアルシステムこそが今回の最大の評価ポイント。まさにタンデムミラー中の捕捉電子のように、タナベ、そしてハチマキに協調してきた視聴者の意識は両エピソード中にトラップされます。
     また、このふたつのエピソードがまったく断絶しているのも特筆すべき点。予告でミスディレクションされたような、ハチマキをめぐってのクレアとタナベの闘いとか、そういう流れにならなかったのは驚愕です。ハチマキとタナベも、TV電話のディスプレイを通して、わずかの時間通じ合うのみ。ただし、この唯一の接点をユーリがつないだというのが気になるところです。家族にしか知らされない電話番号を何故ユーリが知っていたかと問われ、フェレットを人質にとったと答えてますけど、なんか怪しい。ユーリといえばそう、ハチマキの弟、九太郎ですよね。当然、彼もそのうち再登場するでしょうし、そのあたりからハチマキとタナベの関係もまた変わっていくのかもしれません。
     エピソード中に、これまでの伏線がさりげなく、しかし大量に生かされているのも毎回感銘する点です。宇宙解放防衛戦線は待ってましたー! という感じ(いや、なんか不謹慎な言い方ですが)。フィーの喫煙ボックスも冒頭で出てますし。ノノが撮ってるギガルトのビデオレターも気になります。あと、ハチマキがハキムを撃とうとしたのって、エーデルの回で出てきたやつですよね。

     またプリンセスアワーまでに感想書きが間に合わなかった……。一度テンションを変えると書き継ぐのが大変です。いや、この作品だけはもう戯言の介在する余地もないくらい群を抜いていて、まともな解析をするにもなかなか力不足が否めないんですが、あと一ヶ月弱、真剣に追い続けていきたいと思います。

     あ、そういえば今朝(っていうかもう昨日か)の朝刊で知りましたけど、この後枠って「ふたつのスピカ」やるんですね。2月3日から。逆算するとプラネテスは来週も新年5日も通常放送ですか……。無論、天変地異や大事件が起こらなければですが。

    2004年12月30日

    「プラネテス」Phase 22 暴露(NHK教育)感想

    「どうして、浮かばなかったんだろう……あいつの、あだ名」(ギガルト)

  • 宇宙防衛戦線の一員だったハキムは逃亡。事情聴取を受けるハチマキ、そしてクレア
  • 偶然ラビィたちと出逢うハチマキ。静かの海総合病院へ来いというギガルトの報せを受ける
  • 病院で、ハチマキはノノからビデオレターを渡される。そして知る事実
  •  そうか、そう来るのか! やはり下手に展開を予想しようとしても無駄ですね。まったく思いもよらなかった方向から攻めてこられます。

     もうひとつひとつの展開が驚きの連続なのですが、思い返してみるとすべてに伏線が張られているのが毎度ながら恐ろしい。あの忍者たちも、ついに再登場か! と思ったら、こんなことになっていようとは。たしかに、あの工場で働いていたことはタナベの口から明らかにされてましたけど、ひとりだけ……か。えー、月のムササビで、そんな描写がありましたっけ。いや、たぶんあったのでしょう。お気楽話だと思って流していてはいけなかったのですね……。
     こんな重い展開の中にあって、ひとときの清涼感を与えてくれたのが月のデブリ課を訪れる課長補佐、ラビィ、エーデルのシーン。同じデブリ課として最大級の歓待を受けるところがいいですね。ラビィの仕掛けも、音響効果までついてて楽しい。いつのまにかこんなに和ませてくれるキャラになってて驚きです。なるほど、ギガルト先生も「エンジェルラビィ」とあだ名をつける由縁です(違うわ!>本当は「ひまわり」。エンジェルはタナベ)。
     そしてエーデルですよ! 立派な面構えの月のデブリ課の前で尻込みする男ふたりの、文字通り尻をたたくのも勇ましい。そして何よりも、タナベとハチマキのことを真剣に想い、お膳立てを整えてくれたのが今回の最大の功績。そうか、彼女が鍵を握っていたのですね。すっかりユーリ経由で引き合わされるものと思ってましたが。
     そして静かの海総合病院に向かうハチマキ。あああ、またくり返されている! 今度は7話の、ノノとハチマキがはじめて出逢ったときのシーンがそっくり再現されています。しかし、宇宙(地球)を見上げるノノの心に浮かぶものは、まったく違うわけで。
     ……ああ、もう駄目です。ここから先はまたも感想を書くことすら不可能な領域に突入。なにか書くことすら余計な気がしてしまいます。
     最後に、タナベが必死に言葉を紡ぐ中で、ガラスに映る「もう一人の自分」を叩き黙らせるハチマキ。ひょっとしたら、このまま良い方向に吹っ切れることもできるのでは? と希望を持たせる終わり方だったように思うのですが、どうでしょうか。

     他にも、クレアとハキムのこと、チェンシンのことも……というふうに、分けて語ることすら本当は無意味なんですね。すべての話が有機的につながっているわけで、無関係ではありえない。そんな中、今回も怪しい描写のあった(おそらくは)宇宙防衛先生戦線(本気で間違えた)のテロ計画が遂行されるようで……。残すところあと4回、来年も楽しみです。

    2005年01月01日

    アニメ宝箱「プラネテスSP」(NHK教育)感想

     新年最初の更新です。にゃっほ〜NewYear(ここで書くなよ)。いつものように、2004年10月から12月までに書いたアニメ感想はこちらに移管しました。書いた日付で判断しているのでこれは2005年分ということで。

     いやー、数年ぶりに紅白を一秒たりとも観ませんでしたよ(一昨年までは観てたのね)。そのかわりに2004年を締めくくったプラネテススペシャル。
     Phase 1「大気の外で」、Phase 7「地球外少女」、Phase 8「拠るべき場所」、Phase 10「屑星の空」の4話を放映。監督などのスタッフと声優のインタビュー中心なのかと思っていたので少し意外でした。なるほど、余計なものは最小限に抑えて、とにかく実際の作品を観てもらうという意図だったのでしょうね。放映作品も、極力伏線がつながるようにセレクトされてたみたいで良かったと思います。まあ、そうはいってもはじめて見る人には「忍者」が謎だったでしょうが。私としては逆に、のちのちの伏線もいろいろ再発見できたのが嬉しいところ。月で働いてたドルフの元同僚とか。あと8話でゴースト捜してるときに言ってた「実験モジュール」って、14話の第三事業部のですよね?
     あらためて1話(に限らないですが)を観て思うのは、本当に最初からすべて計算づくで作られているのだなということ。タナベの宇宙への思い、ハチマキのそれ(は今回の放映回にはタナベのセリフでしか言及されてませんが)。宇宙を愛するということ。そして人類にとっての宇宙開発の必要性。やはり谷口悟朗監督の言葉通り、すべてが1話に描かれています。すべては、そこから広がる世界。
     今回はじめてプラネテスに触れた方(がここを観てる可能性も低いでしょうが、検索で来る可能性もあるでしょうし)、残りはあと4話ですが今からでも遅くないです。日本全国津々浦々、NHK教育テレビにて毎週水曜深夜24:25-24:50(=木曜0:25-0:50)放映中。

     しかし、やっぱり惜しいのは、OPとEDがすべて切られていたことですね。おかげで声の出演もタナベとハチマキ以外判りませんよ(問題はそこか)。まあ最後にOPだけでも流してくれたのは嬉しかったですが(ユーリのコンパスとゴロー/ロックスミスが同時に出てきたバージョンって、実は本放送では存在しないのでは?)。どうせなら地上波デジタルのNHK教育サブチャンネルでやってた(らしい)「十二国記」みたいに、全話一挙放映してくれれば良かったのに。まあ、DVD買えということですか……。

    2005年01月06日

    「プラネテス」Phase 23 デブリの群れ(NHK教育)感想

    「なぁ〜んか、縁があるんだよねぇ、あいつらとは」(フィー)

  • 史上初の月面による連合評議会。その開催と同時に、デブリ回収船を含む複数の宇宙船がジャックされる
  • 仕掛けたのは宇宙防衛戦線。標的はフォン・ブラウン号
  • そのフォン・ブラウン号には、コリン・リュシーとともにタナベが訪れていた……
  •  おお、すごく話が大きくなってきました。大晦日スペシャルで前半の、今思えば牧歌的な話を観てしまったから余計に。

     とりあえず、こんなことを言えるのも今回が最後の機会かもしれないから言っておきましょう。フィー姐さん最高! ユーリとクレアを待ってイライラしつつ、いつになく辛口な連合批判。って、やっぱり煙草を吸いたかっただけですか! クレアがあからさまに嫌そうな顔をしてるのも、非喫煙者としてはよ〜く判るのですが、ことこの作品においては、やはりフィーの肩を持ってしまいます。そんな今回唯一の笑いどころも、12話・ささやかなる願い以来の宇宙防衛戦線との因縁につながっているわけで、毎度のことながら抜かりない展開です。
     そしてタナベをフォン・ブラウン号に向かわせたユーリ。なるほど、ユーリが一肌脱ぐのは今回でしたか。やはりハチマキのことを気にしていた模様です。で、何故コリンとリュシーが同伴……? まあコリンのコネをうまく使ったということなんでしょうが。リュシーも微妙にコリンを見下してるっぽい口ぶりだし、なんかコリン、いいようにあしらわれてますな。次回あたり、戦闘に巻き込まれて……なんて悲惨な結末が目に浮かぶような(いや、どうなるか知らないんですけど)。
     しかしクレアも宇宙防衛戦線の側についていた! ハキムと共謀してDS-12を乗っ取り。フォン・ブラウン号を静かの海に墜落させるというのは、12話のときの計画と同じように「デブリの群れ」を発生させて通信を断絶させるつもりなんでしょうか。猫の画像に載せた犯行声明が鮮烈。うーん、やっぱり「猫が好きな人に悪い人はいません!」というのは嘘ですね(当たり前だ)。宇宙防衛戦線の使う暗号、「虎」がフォン・ブラウン号で、「マタタビ」は……? 猫の天敵だし、やっぱりDS-12なのかな?
     テロの発生を知らせるフォン・ブラウン号の船内放送。「各自、自己責任の下」とか「これは訓練ではない」というセリフにちょっと不謹慎ながら笑ってしまいました。たしかにロックスミスなら、こんな訓練もやりそうな感じではあります。しかしまあ、「自己責任」という言葉を自らの責任逃れの口実として使うような人間ではないと……思いますけど……。
     そして、闘いの渦中でフォン・ブラウン号に赴くタナベ。いっぽう、ふたたびハキムを捕らえるハチマキ。まさに全世界の命運を賭けたこんな状況下で、ふたりの再会の時も近いようです。

     いわゆる「セカイ系」的な描き方からはほど遠いこの作品ですが、タナベは、そしてハチマキはどんなふうに世界と向きあうことになるのでしょうか。次回、もうそのまんまのサブタイトルですが、フォン・ブラウン号の中心で愛をさけぶ(であろう)タナベ、期待しています。

    2005年01月13日

    「プラネテス」Phase 24 愛(NHK教育)感想

    「愛が……愛さえあれば……」(タナベ)

     ええーー!! ちょっとー! なんちゅうとこで切るんですかー。先が気になって感想なんか書いてる場合じゃありませんよ。

     ……といいつつ、感想系としては書かざるを得ないわけなのですが。こういうときは下手に感情を交えず、理論的考察で攻めるのが吉かと。
     今回の構成上の最大の特徴は、徹底的に「ドラマティック」な展開を排除しているということ。普通のドラマツルギーをメタ読みすれば、ハチマキがハキムを撃とうとするところにタナベが入ってくるだろう、フォン・ブラウン号の墜落を阻止するためにTOY-BOXやチェンシンの貨物船が活躍するだろう、クレアを抱えたタナベが有人基地まで到着できるだろう、そういう展開が見え透いてくるような伏線を張っておきながら、それらはすべて実現しない。この作品の前半の展開も、まさにこのためにあったといっていいかもしれません。直接的な回想シーンのみならず、セリフにシーンに、大量にこれまでの話をフラッシュバックさせる仕掛けが施されています。非常に判りやすい形でのカタルシスを果たしてきた名作回の数々、その延長線上にあるはずの物語が、ここまで冷徹な「リアルさ」に呑みこまれてしまう。まさに残酷な神が支配する世界(違)。
     この作品で、世界と個人との向き合い方がどのように描かれるかということを前々から気にしていましたが、そんなわけで、両者はついに交わることがありませんでした。連合は宇宙防衛戦線の要求通り議長案を廃案にし、フォン・ブラウン号の墜落は回避されます。まさにロックスミスの言う通り「我々の知らないところではじまり、我々の知らないところで終わった」戦争。考えてみれば当然のこと、テニスラケットでパチンコ玉をはじき返そうとすることが困難なように、はじめからスケールの違う話な訳です。どれだけ従来の作品がそれを無視して物語を紡いできたかということを思い知らされました。もちろん、それはそれで価値がないわけではないのですが(ご都合主義から生まれる世界もまたひとつの世界)、けっしてそれが物語に不可欠ではないことを知らしめたのが、この「プラネテス」の功績であると思います。

     ストーリィの主眼となるハチマキ、そしてタナべの行動を見てみましょう。見た目の比重ではBパートのタナベのほうが大きいですが、それとまったく同じ構図がAパートのハチマキにおいて現れている以上、(たとえ出逢うことは出来なくとも)ふたりは同じ一線に立っていることになるでしょう。
     彼らの与り知らぬところで終わった宇宙防衛戦線との闘い。しかし、それと同時に、タナベとハチマキは、それぞれにその宇宙防衛戦線のテロリストと堕した人物と関わります。待ち望んでいたハキムとの再会を果たすハチマキ。自分はテロリストだと唐突にクレアからの告白を受けるタナベ。
     己の信条を否定され、それに反発する彼ら。宇宙に魅入られたハチマキは、「身の丈を知れ」と、かつて「もう一人の自分」から言われた言葉を吐かれ激昂。いっぽう、フォン・ブラウン号から脱出し月面に降りたタナベは、「愛があればみんな幸せになる」と言い続けながら、クレアを背負って有人基地を目指す。この、月面に足跡が点々と残っていくシーンは非常に印象的です。OPの一シーン、歴史上のアームストロング船長の一歩のような、未来への希望にあふれるイメージをずっと抱いてきただけに、余計に衝撃は大きいです。
     その果てにハチマキ、そしてタナベを待ち受けていたのは「自分の保身のため、相手の命を奪う」という行為。ハキムに銃を突きつけるハチマキ。酸素が足りなくなり、クレアの酸素ボンベに手を伸ばすタナベ。もちろん、現行法上に照らして、正当防衛/緊急避難が適用される状況ではあります。しかし、それが人にとってもっとも重い決断であるからこそ、あえてそうやって法律的な例外が作られているともいえるわけで。

     ……というところで切られるわけなのです。次回予告は(相変わらず信用できませんが)ハチマキの弟・九太郎がだいぶ成長してるようですし、かなり先の後日譚でしょうか。風力発電らしき風車が回っているのも気になりますね。核融合発電にしたって月資源を当てにしている、という描写があったんで、今回のテロによって宇宙開発が後退してしまった、というのはちょっと嫌だなぁ。ドラマティックな展開を排したとはいっても、やはり最後は大団円的に終わってほしいような気もします。
     ともかく、あと二週、どんなことがあっても見逃せません。

    2005年01月20日

    「プラネテス」Phase 25 惑い人(NHK教育)感想

    「人間は所詮、ひとりだ」(ハチマキ)

     なるほどー。最後まで次回予告にしてやられましたね。課長とラビィのあの謎の微笑がこういう文脈だったとは。ゴローが「おっ」って言うシーンも切り取り方が巧い。

     宇宙防衛戦線の事件から半年。正式なフォン・ブラウン号の乗員が決まり、ハチマキもそのメンバーに名を連ねる。前回のラストのあと、けっきょくハチマキはハキムを撃ったのか(そして、タナベたちはどうなったのか)というのを隠したまま進むストーリィは、まるで極上のミステリィを観ているかのようでドキドキもの。しかし、なんにせよハチマキの精神状態はかなり酷い様子。宇宙服を着たまま月の大地を彷徨うあたりは、かなりハラハラしました(擬態語が多いな)。まさか無いとは思いつつも、そのままハチマキが半年前タナベが力尽きた地点まで誘われ……という最悪の展開を想像してしまって。回収されたハチマキは父親のゴローによっていったん地球に戻されることに。
     ハチマキの乗った船はチェンシンが操縦していた模様。お互い接点はなくとも、ちゃんと復活している様子がさりげなく描かれているのがいいですね。そして、こっちはまだ復活していないハチマキ、ふと耳にしたテクノーラの名前に誘われるようにデブリ課へ。
     無人のデブリ課。タナベのいた席には荷物と遺書が……。うわーもう、このへん怖すぎです。しかし直後に課長とラビィがやってきて、タナベはテクノーラを辞めたものの、ともかくも生きていることは明かされます。何故荷物が起きっぱなしになってるのかはよく判りませんが。ところでフィーもいなくなったと言ってますが、どうなったかは最終回で描かれるんでしょうね? ドルフとロックスミスの「大切な話」も絡んできそうな予感。
     そして地球へ降り、ひさびさに星野家一家揃っての夕食。九太郎とゴローが、互いにトンカツを奪い合ってるシーンがほほえましかったです。いまだに野球中継もやってるみたいですし(ノートPCっぽかったんでWeb配信かもしれませんけど)、縁側でスイカを食べてたりと、地球(というか日本)の様子はほんとに変わっていないことが強調されてます。前回ハキムが主張した飢餓や難民という格差の問題が悪い意味で「変わっていないところ」だとすれば、こちらはまさに良い意味での「変化のなさ」なわけで。
     タナベの遺書を持ってきてしまったことに気づくハチマキ。そこに書かれていたものは……。否、そこにはなにも書かれていなかった。書かれていないからこそ、それはあまりにも重い。
     思わずバイクを走らせるハチマキ。蘇るタナベの言葉。ここ、回想がたんなるシーンの使い回しだけじゃなくって、ちゃんとハチマキ視点に再構成されてたのがすごいと思いました。むしろ、このために今まで物語をタナベ視点中心で紡いできたのかなとすら思いました。
     しかし、ふたたびハチマキの前に「もうひとりの自分」が現れ、ひとりであることを確認する。と、ガードレールに激突し、海へと放り出される……。
     なにもない世界。否が応にも16話での空間喪失症を思い起こさせます。そしてあのときと同じく、目の前に現れる宇宙服。そこから現れた顔は……。
     おおお! ついに来ました。ようやく前回の「つづき」が語られます。前回執拗に排除されてきた「ドラマティックな展開」が、まさに最後の最後で起こったのですね。ハキムを撃つため、引き金を引いたハチマキ。しかし彼の命を奪ったのは彼自身ではなかった……。人殺しになることは避けられたものの、ある意味もっとも中途半端な結末。だからこそハチマキはあんな虚脱状態に陥っていたのですね。
     そして、ここからの演出がすごいです。ハチマキに手を差し伸べるタナベ、そして友人たちが次々に現れる。えー、まさかこのアニメでも「おめでとー、おめでとー」展開!? なんて思ってしまいましたが(おい)、そんな人々が手をつなぎ合い、螺旋となって、宇宙へつながる。なんか、「火の鳥」OPというか、「ニニンがシノブ伝」OP逆バージョンというか(それは違う)。いっそ、DNA構造みたく二重螺旋にしてくれたらもっとよかったと思いますが、それをやると「驚異の小宇宙」になるか(意味不明)。
     なんとか陸に上がったハチマキ。そしてタナベとの再会。タナベの変貌ぶりがやはり衝撃的……。しかし、肉体的なことより、精神的なショックのほうは大丈夫だったのかというところが気になります。彼女の話から察するに、彼女もまた「最後の決断」は下していなかった(下せなかった?)ようで、とりあえずは安心ですが。
     タナベに遺書を勝手に見たことを謝りつつ、宇宙について改めて考えたことを口にするハチマキ。しっとりと締めますなぁ。人がみんなつながってるというのは、まさにこの作品の構成そのものが体現していますね。ここでハチマキから「愛」という言葉が出るかと思いましたが、彼自身、まだ気持ちに整理がついていないようでうまく言えない様子。もちろん、それは以前の彼が忌避していた「分相応」に堕するというわけではなく、でもちょっとだけ余裕ができたということでしょうか。けっきょく人間は、地球の大地に立って、空を見上げてみてはじめて、いろんなことが見渡せるのかな、なんて勝手な解釈ですが。

     ということで。いよいよ次回は最終回。ほんとに、たった半年とは思えないくらい、さまざまなものを見せてくれました。大河ドラマに匹敵すると言ってもいいくらいです。タナベやハチマキは言うに及ばず、この作品に登場したすべての人々の生の重なりがいったんは収束し、そしてまた未来に向かっていくことを感じ取れるような最終回であってほしいと思います。いや、この作品ならきっとそうであろうと、半ば予感しています。

    2005年01月27日

    「プラネテス」Last Phase そして巡りあう日々(NHK教育)感想

    「ユーコピー?」(ユーリ)
    「……アイコピー」(タナベ)

     おおおおおおお。素晴らしいとしか言いようがない。放送が終わってすぐさまリピート再生で二回観てしまいました。そして改めて気づかされる伏線の数々。まったく感想なんて書いてる場合じゃありません、今すぐDVDを全巻購入して最初から観直してみたい気分です(気分だけで抑えてますが)。

     ああ、これは感想がどうしても書けません。いつものようにあらすじをなぞりながらとか、各登場人物に的を絞ってとか、いろいろ考えてみたんですけど、どれもとりとめがなくなりそうで(そして実がなさそうで)断念。以下、この最終回自体の構成から考察を加えつつ、本当にシーンを限って具体的な感想、さらにシリーズを通した全体的なまとめを行いたいと思います。

     この最終回の構成は(これまでのシリーズ構成を反映した結果として当然ながら)明確に二つのフェイズに分かれています。ひとつはハチマキとタナベという、ふたりの物語。そして、これまで描かれてきた、彼ら以外の人物の物語。あるものはタナベ、あるいはハチマキを中心とした輪の中で描かれ(九太郎とかリュシーとか)、またあるものは逆に、もっと大きな輪の中心となり、むしろハチマキたちがその輪の周囲をまわっている(ロックスミスとかドルフとか)。ハチマキが最終的に悟ったとおり、まさに人と人との「つながり」。
     そういう意味で、「フォン・ブラウン号に乗って木星へ向かうハチマキ」/「それを見送るタナベ」という構図で、この物語はいったんの終幕を迎えるわけですが、もちろん本当の意味での終わりではない。第1話、テクノーラに入社したタナベの、ハチマキとの出逢いからはじまった物語。それはひとまずの別れで幕を閉じる。でも、スタッフロール後の星野家のシーンで描かれていたとおり、きっとまた逢える。だって終わりははじまり、そしてそれは永遠に続くのだから……。ダ・カーポネタも大概にしろ、と言われそうですが、いやしかし、元ネタ以上に、この作品にぴったりの言葉だなぁと思うわけです。
     そう、彼ら以外の人物たちの物語は、まだ途中だったり、はじまったばかりだったり。それはスタッフロールに乗せて流れる、それぞれの人々の「その後」の描写に端的に現れています。ちなみに、このスタッフロールが終息したあとに先ほど言及した星野家のシーンが描かれる(テーマ曲は流れ続ける)という演出からしても、作品構成の二面性は裏づけられます。いわば二重のEDになっているわけですね。各キャラの「その後」のシーンを仔細に過去回の伏線と照らし合わせていくだけでも、ものすごい分量の解析ができなんですが……。
     しかし。ここで見逃してはならないのは、その中にノノのシーンが含まれてないこと。そして思い起こされるは、今回の中盤の不穏な展開。月面をこっそり遊歩するノノが出逢った、ひとりのテロリストとおぼしき人物。しかもこれ、どうもハキムなのではないかと……(彼の回想シーンは存在しないはずなのにキャストに名前があるところを見ても)。この最終回に来て、まさかそんな展開になるとは……と、アイキャッチのあたちあたりはドキドキものだったのですが、けっきょくこの後の展開は明かされないままでした。最後にして最大の伏線が未回収のままになっているのは、語義上正しく確信犯かと思われます。物語に終わりはない、それはつまり、社会上「悪」とされる存在に対しても、それが一朝一夕に消散するわけではないことも示しています。宇宙に魅入られ、修羅に落ちた人間の存在を、この大団円の中でも忘れさせることのない構成。やはりこの作品のこういった点を、私としては高く評価するところです。

     しかし、それでも世界は一歩ずつ変わりはじめていることでしょう。木星開発の旗手となってテクノーラ社の支配を脱したドルフ。早くも土星開発の計画を進めるロックスミス。歴史のマクロな観点からみて重要な役割を果たすであろう彼らほどでなくても、地上で奮闘するエルタニカ人のテマラ。同じく、刑期を終えた後は祖国の復興のため、書物の翻訳を志すクレア。多くの人々が先へ進もうとしている。全体としてはやはりその流れが強調されているから、後味は非常に良いわけです。
     そしてまた、変わっていく点と、変わらない点、両者が共存しているのが良いところ。それを象徴するのがやはり「デブリ課」。ハチマキとタナベ、クレアがいなくなり、エーデルは正社員となって庶務課勤務と、多少の構成の変動はあれ、フィー、ユーリ、ラビィ(補佐が取れた係長にはなったけれども)は相変わらず。先週フィーがいなくなったと思ったのはクレアの間違いでした。この状況下でもテクノーラに残り、デブリ屋としての仕事を続ける、という選択肢もまた、強固な意志のもとによるものでしょう。それだからこそ、タナベもふたたび、この場所に戻ってきたいと思ったのですから。やはりこのデブリ課もまた、タナベ、そしてハチマキにとっての「帰る場所、港」であるわけですね。
     最後に、ふたたびEVA(船外活動)に出たふたりのシーンでこの感想も締めくくりましょう(これはスタッフロール前の本編ラストでもあるわけですが)。しりとりをしあうふたり。盗み聞きしようとする課長と係長がフィーに止められるシーンも含め、非常にほほえましい。何度も「け」で終わらせるタナベ、明らかに「け」ではじまって「ん」で終わる単語をハチマキに言わせたかったんでしょうね。しかしハチマキの出した言葉は、「け。……結婚しよう」と連文節となることで、タナベにもう一度まわってきてしまう。それに対し「うん」と答えてタナベの負け、という流れが(二回目に見てそのカラクリが理解できたんですが)とっても粋で素晴らしかったです。

     振り返ってみて、最初から最後まで本当に緻密に考えられたシリーズ構成。それに加え、一話一話が独立した話として毎回最高のクオリティを保っていました。今まで、アニメを観て涙を流したことなんて皆無(小説でも数えるほど)だった私が、Phase 10 屑星の空Phase 16 イグニッションPhase 24 愛と、三度も泣かされました。三度ともその感動の意味合いが違うのがポイントです(とくに16話に至っては、ハチマキがフォン・ブラウン号の機体を触るあたりまでで、三度見返して三度とも泣いてしまった)。まあ、これは私も年だということかもしれませんが……。
     もうなにも言うことはありません、百点満点、超殿堂入り……と言いたいところなのですが、しかし、「続編」への期待を込めて、あえて99点の「通常の」殿堂入りとしておきます(Φなる・あぷろーちに続けて超殿堂入りを連発するわけにもいかないという事情もありますが)。いや、これはやはり、続編を作るべきでしょう。大晦日にスペシャル版が放映されたとはいえ、一部のアニメファン以外の知名度が低いままで終わらせるのはもったいない。それこそ映画版が出来るのならば、それが望ましいのですが、TV放映という形でも良いです。その場合は「NHK地上波、ゴールデンタイム枠」を目指してほしいところです。本気で日本が「世界に冠たるアニメ・マンガ文化」を誇ろうとするのなら、それこそがNHKの本道であるべきでは。いや本気で。