鹿島茂「子供より古書が大事と思いたい」(文春文庫)感想
■こしょのじかん
もはや、タイトルだけで買ったようなもんですが。古書より大事にできるこどもがいない人間はどうすればいいですか! というのはおいといて。
古本マニアな著者の生態をつづるという趣向の本も数多いですが、これは中でも変わった作品。なんと言っても、著者の専攻は19世紀のフランス古書。フランスの古本屋さんのけったいな営業姿勢(褒め言葉)とか、本の装幀・挿絵の歴史とか、日本の古本マニアとは一味違った視点の話が楽しい。かつての本は、はじめから装幀がされているものではなくて、買ってから装幀を専門の業者に頼んでいたなんて、不勉強にもまったく知りませんでした。
■バブル崩壊
と、途中までは楽しく読めていたのですが、古書蒐集に夢中になるあまり、大学教官の身で方々から借金をしているとか書いてあって、大丈夫なのだろうかこの人、と不安に思ってしまいました。
しかし、著作も多いようですし、つい先日も、本書の新装版らしい単行本を新刊書店で見かけたりもしましたので、大丈夫なんでしょうきっと。
2008年05月19日 23:05
[本]