2008年05月06日(火)

0verflow原作/秋月ひろ著「-TV Anime- School Days イノセント・ブルー」(JIVE CHARACTER NOVELS)感想

 原作ゲーム版のノベライズではなく、ゲーム版を原作としたTVアニメ版のノベライズ(ややこしい)。脚本も担当した著者が、シリーズ全13話を世界さんと言葉さん、それぞれの一人称視点で描いた作品。
 筋立て自体はアニメ版とまったく同じなのですが、視点人物というものが極めて意識的に再構築されているために、小説として完成度の高いものになっています。もちろん、尺を一冊に収めるために、カットされる部分があったり、よくあるライトノベルにも増して情景描写が不足してたりするわけですが、その視野狭窄的な点もまた、ラストのせつなさを増しているよう。言葉さんパートだけが敬語なのが冒頭から怖くて怖くて。世界さんはリアルタイムにその時点での感情を吐露している感じなのに対し、言葉さんはより冷静に、すべてが終わった後で想い出を反芻しているような印象を受けました。ラストシーンからの後付けかもしれませんけど。
 そして、あとがきでも言及されてるとおり、もうひとつ問題になるのが、彼女たちの知らない部分は描かれないという点。そのおかげで、刹那さんがこんな描かれ方をされることに。うぅむ、しかし仕方のないことではあります。刹那さんの一人称が出てきてしまうと、それはもはや「School Days」という作品の枠を外れてしまうのですから。……えーと、実は、つい最近「Summer Days」のDVD-PG を購入してしまいまして。刹那さんに感情移入しきりな次第です。といいつつ一巡目は、何故か心ちゃんルートに入ってしまって、通称スクイズとは別の意味で鬱展開だったのですが。私には刹那さんをせっちゃんとよぶ資格は無いんだっ。……まあ、それはおいといて。そんな刹那さんや心ちゃんや卯月ちゃんや止ちゃんをよそに物語が進行していったことこそ、ある意味救いだったのかもしれない「School Days」。裏表紙の心ちゃんがオビで隠されてしまっているのも、何か深い意味があるような。


2008年05月06日 23:59 []