2008年05月26日(月)

わかつきひかる「ふたかた」(一迅社文庫)感想

■こんなかわいい子がおんなのこのはずが

 わかつきひかる氏の小説を読むのは初めてです。……ですよ? さて今回のお話は、事故でふたごの姉を亡くした少年・桂高志が、ひょんなことから女装をするようになる……という。うーむ。状況自体は乾くるみの「マリオネット症候群」に近いのですが、焦点を変えることで、ここまで違った印象を受けるものなのですね。当事者である少年少女たちの自意識の描写が見どころ。

■全12話アニメのような物足りなさ

 しかし、読後に胸に残るのは、どこか物足りない思い。どうしても、いろいろ突き抜けてしまっている「おと×まほ」と比べてしまうからなのか、あるいは出版社側の規制とかで、直接的表現が抑えられているためなのか……。たとえるなら、魅力的な要素を散りばめておきながら、尺が足りなくて消化不良になってしまった全12話(一クール未満)アニメを観てるようです。それこそアニメ作品なら、DVDで何かが解除されたり未放映話を追加したりもできるのですが。
 とりあえず続編で、この高志くんがだんだん女装の魅力に取り憑かれてく様子でも、じわじわずるずるちくちくと描いていってくれることを期待します。
2008年05月26日 22:30 []