2008年03月02日(日)

小石川ふに「ゆるユルにゃー!!」1(徳間書店RYU COMICS SPECIAL)感想

小石川ふに_ゆるユルにゃー!!

 これは すごい ゆるゆる〜っとみてみて。小石川ふにというお名前、太田虎一郎の「宇宙の法則世界の基本」で見かけてから妙に印象に残ってました(4巻は出ないのか!?)。ご本人の作品に触れるのは初めてですが、もうすべてのコマがドキドキ対決。年中無休のねこねこ日和。非日常ほのぼのニュースのお時間です。
 冷静に話の筋を追うと、主人公のヨークが冒頭でいきなり孤児になってたり、その後もことあるごとに迷子になったりビニール袋の服を着てたりと、実は世界名作劇場なみに波瀾万丈なお話。でもでも、かわいいからオッケー! って、それこそ「ふしぎ星の☆ふたご姫」無印第1話ラストのレインとファインの名言を叫びたくなるくらい、ホントこの笑顔だけで他のことはどうでもよくなります。ヨークだけじゃなくて、他のキャラもみんな素敵。とりあえず、ルルだけはCV:後藤邑子さんで決定。

真島悦也「ひよママ」(メディアワークス電撃コミックス)感想

 真島悦也通算10冊目。おお、気づけば全巻買ってる自分がいる。毎度毎度、小学生のおんなのこが市役所のお兄さんに恋したり、ネコが人の形に化けて恋したりと、類い希なる妄想力を発揮してくれる作家さんですが、今回もそれは健在。なんと押しかけ幼妻ならぬ押しかけ幼ママ。自称母親のマリアさん(何故か川澄声がよく似合う)に、もはや当然のごとく存在する幼なじみのまひろちゃん(何故か斎藤千和声がよく似合う)、そしてドタバタラブコメディの扉が開く。全13話でちょうど1クール風情、ちょっと物足りないというか、もったいないところではありますが、とりあえずセカンドシーズンを期待……というのは冗談です親分(ママだけに)。

2008年03月03日(月)

「こどものじかん」DVD 3科目(EMOTION)感想

こどものじかん_3
 今日はみみちゃんの日だから……というのは関係ありません。

 第5話と第6話を収録。ストリーミングでいろんな意味で見づらかったところが、DVDまほう解除版で観ることで、あらためて深遠な演出意図に気づかされます。第6話は本当にすごい。通称こじからしからぬ話でありつつ、「こどものじかん」の本質を衝いたエピソード。ただ泣かせればいいというだけではなくて、ちゃんと前や後につながる、伏線満載の回。相変わらず岡田麿里さんは伏線大魔王ですか(何だそれは)。失礼、伏線魔法少女でしょうか(渋柿タンニンとってる?)。
 それにしても相変わらずオーディオコメンタリは史上最強。自分の言いたかったことを的確に感情吐露してくれる、主演声優だというのに素晴らしい視聴者視点。第6話とか、「りんちゃんかわいい」しか言ってないぞと思いつつ、自分もふだんはりんちゃんくろちゃんかわいいしか言ってないという思いもなきにしもあらず。
 来月からのBS11デジタル全国放送も楽しみにしてます。

2008年03月05日(水)

「SHUFFLE!」全24話 (AT-X)総評

 出来損ないの魔法遣いに幸あれ。

 もはや第1話を観たのが遠い昔のような気がしますが、ようやく最終話まで視聴終了。やはり百聞は一見にしかずというか、聞きかじった印象と実際に観てみるのとではまるで違います(いい意味で)。空鍋でおなじみの第19話よりも、むしろその後の展開に驚きました。正直、第21話でいったん話が終わってしまったように見えたときは、あと3話何やるの? と思ってしまったものですが、その後の怒濤の伏線消化にはただただ感服するばかり。まあ、思わぬ形で最終話のネタばれに遭遇してしまったりもしましたが……別にいいんですけどっ。気にしてませんから。
 神にも悪魔にもなれるりんちゃんが、シアちゃんでもネリネちゃんでもなく、かえちゃんでもりむちゃんでもなく、選んだたったひとつの大切なこと。神界と魔界、そして人間世界、いろんな要素が詰め込まれていながら、振り返ってみるとすべてひとつのテーマに寄り添っていたような気がします。過去に囚われて、何かを選びとることができなければ、未来に向かって歩いてゆくこともできない。だから、これはきっと、「School Days」とは正反対のハッピーエンド。
 そんな感じで、総合的には満足。まあ、ところどころ、やっぱり黒いよぅアスリード、と思ったりもしますけど。略して黒ゥ・リード。何故か最後はおにいちゃんとか言ってるリムちゃんに心のスキマ埋められました。これと「みなみけ〜おかわり〜」を同時期に観られたというのもヒツゼンでしょうか。DVDを買いたくなるという基準で言えば、今のところ「おかわり」のほうが上だったりするのですが。

 総点は78点。
SHUFFLE!

 次週からは引き続き「SHUFFLE! MEMORIES」を放映……って、続けて観て意味のあるものなのかどうか知りませんけど。とりあえず、りんちゃんがキョンくんだと評判の第1話だけでも。

22:53 Permalink

2008年03月06日(木)

比嘉智康「ギャルゴ!!!!!2 -地域限定焼餅大全-」(MF文庫J)感想

「はぁい!頑張りますよぉ」(小鳥遊ゆかり/通称コトリ)

 コトリさんちょっと「よぉーしガンバるぞー」って言ってください。

 そんな感じで、ようやくゆかりさんが通称コトリさんなことを受け入れる心の余裕が出てきた第二巻。とはいえお話のほうはちょっと余裕が無い感じ。相変わらずライトノベルには珍しい仕掛けが施されていたりするのですが、最後のほうは32のマジックのせいか明らかに駆け足、誤植としか思えないような記述もあったり、いろいろギリギリのスケジュールだったのかなぁとおもんぱかってしまいます。おにいちゃん、うちでもオモンパ飼って(新種の愛玩動物か)。
 そして第二巻ということは、もはやお約束、主人公の前に現れる新たなライバル。押しかけ幼妻吸血鬼ではありませんでしたが(たぶん)、ライムさんいろんな意味で強力です。もうグレ子さんとよんでもいいんじゃないでしょうか(恥ずかしいあだな禁止)。表紙はちょっと主張が強すぎますが、挿絵は素晴らしかったです。以後ますますのご活躍をお祈りします。

22:47 Permalink []

2008年03月07日(金)

森博嗣「ナ・バ・テア」(中央公論新社)感想

 「スカイ・クロラ」映画も8月2日からの公開が決まったということで、それまでにシリーズを読んでおこうという5ヶ月計画発動なのです。春機発動期。
 そんな永遠の春機発動期を生きる存在、キルドレ。供とするのは発動機ならぬ飛行機。それは「風人物語」よりも高く儚く、「true tears」よりも切なく刹那く。そういえば「風人物語」って押井守監修でしたね。草薙水素が名塚佳織という可能性は……うぅむ、どおでしょう。押井監督のことだから、絶望した! というキャスティングにはならないと思いますが。
 まあまあそれはそれとして。これこそ王道にして本道の森博嗣。全編が引用したくなる台詞であふれている、それでもけっして饒舌ではない静謐な空間。美しいとか醜いとか、そんな形容詞も必要ないそれは世界。相変わらず抽象的な感想ばっかりですが……。この作品はとくに、具体的な内容に触れるのが怖い。具象化した瞬間に、違うものに変化してしまうようで。もちろん、こういう文章でも本質をつかまえられているとは到底思えないのですが。つかまえられないのなら、せめて空へと飛ばしたい。それは通称スクイズのOPのように。

23:31 Permalink [] [森博嗣]

2008年03月08日(土)

「GIRLSブラボー」first season 全11話+second season 全13話(AT-X)総評

 Φなる・ぶらぼー。うっかり、ちょっと感動しかけてしまいました。いい感じでまとめつつも、やっぱり最後までバカっぽさ全力全開。それがぶらぶらぶらぼのせいなのよ、略してがぶらなのでした。
 いろんな意味で力業で押し切る作風、渡辺陽とか日暮茶坊の脚本や、演出の力もあるのでしょうが、やはり声優陣の力に支えられてたような気がします。個人的には最後の最後でユキナ@野川さくらさんという最終兵器が炸裂しただけで、ごはんさ〜んば〜いというか、味は代々受け継がれていくものというか。福山グループと益田グループはどっちのほうが時価総額上なのかなぁとか益体もないことを考えつつ、松岡由貴さんは天才ということでひとつ。
 思い返してみれば、BOYSブラボーになってみたり、超監督福山だったり。旧作なのに全然古びた感じがしないのは、お約束はいつまでも古びないということか、このジャンルが成長してない証拠か。成長しなくても進化すればいいんですっ(そうそうそのとーり)。金田朋子さんも天才ということでひとつ。
 総点はファーストシーズン含めて81点といったところで。

GIRLSブラボー

21:55 Permalink

2008年03月11日(火)

竹宮ゆゆこ「とらドラ4!」(メディアワークス電撃文庫)感想

評価: 10点[前回比: ±0](累計: 40/40 平均 10.0)

 第4巻は夏休み、海辺の別荘アバンチュール編。フナムシまで出てきて渚もロマンティック。燦ちゃんにも負けず劣らずハイエナジーなみのりんが素敵でした。
 そんなみのりんの、これまで見せなかった一面が明かされる今巻。いやまったく、見事に騙されたというか、驚きました。それというのも、視点がずっと高須くんに寄り添っていて、小説として軸がぶれていないからこそ。三人称の小説でも、誰の視点で物語がつづられるかというのは重要で、それによって各キャラの印象がまるで変わってきます。第1巻では高須くんの視点で「憧れの女の子」として登場したみのりん。それが、第2巻くらいからだんだんはっちゃけてきて、今回、彼女自身が感情を吐露することで、人物描写にもう一段深みがかかる。一面的ではないキャラクタを描いてくれる小説が好きなので、嬉しいかぎり。というか、もともと、高須くんにしても大河さんにしても、第一印象と内面が違うというのが特徴にされているので、そのへん意識的なキャラ造形がされているのかなぁとも思います。
 何にせよ、個人的には大河さんイチ押しなのは変わらず、この先さらに混沌とした戦況が予想され、実に楽しみです。

2008年03月15日(土)

西尾維新「零崎曲識の人間人間」(講談社ノベルス)感想

「ふむ。ツンデレという属性がはやって以降、『勘違いするな』という台詞から格好良さは完璧に失せたな」(零崎曲識)

 人間シリーズ第3弾。というか、すっかり戯言シリーズで回収されなかった伏線を消化する番外編シリーズと化しております。これで自作品のクロスオーバーはしないと公言する西尾維新は、いい性格してますね。いい意味で! むしろいいのです。曲識(まがしき)だけに真賀田四季……うぅむ、作者も意識してそうで怖い。シリーズとか関係無しに、ラストにすべてを持っていってしまうあの人の存在感はまさに別格にして破格。
 まあまあそれはそれとして。時系列入り乱れての全四楽章、最初から「ランドセルランドの戦い」とかいうタイトルをつけるところからして相変わらず本気ですね。これはもう、人間シリーズ終了後はいよいよ「萩原子荻の中学生日記」スタートでしょうか。「闇口崩子の小学生日記」でもいいですよ。「春日井春日の高校生日記」までは許しましょう。ただし飛び級で! みたいな。
 しかし、ツンデレといっしょに最近の西尾作品のお約束になってきてますが、西尾作品がアニメ化される日は来るんでしょうか……(アウターホリックは例外ね)。むしろ西尾維新が小説家で良かったと思ってしまうご時世ですが。絶望した! 小説くらいしかもうそうするところがない世の中に絶望した!

2008年03月17日(月)

白瀬修「おと×まほ」4(GA文庫)感想

 新感覚ヒーリング魔法少女ライトノベル、第4弾。んー、しかし今回はちょっと、そろそろ慣れた?(えー) 短編集なのでテンションがじゃっかん持続しなかったというか、かなちゃんのかしましい日々が意外に物足りなかったというか。お約束は素晴らしいものですが、やっぱりかなちゃんはいつものままのかなちゃんがいちばんだと思いますの。ということで、グレ子さんにはいつまでもそのままでいてほしいと思うわけなのでした(はいお約束)。

22:38 Permalink []

2008年03月20日(木)

豊島ミホ「青空チェリー」(新潮文庫)感想

 著者のデビュー作を含む短編集。昨年末に読んだ「日傘のお兄さん」に続き、これまた素晴らしい。いっけん素朴に思える言葉の紡ぎ方が、不思議と性に合って、とても心地良い。キャラが立った小説はたくさんあるけれど、世界そのものが匂い立つくらい圧倒的な現実感を憶える小説に出逢えることは、そう多くはありません。
 個人的に、著者が自分と近い年齢だというのも関係してるのかもしれません。世代論なんて乱暴なものだけど、やはり無視できない要素だと思うのです。西尾維新みたいに表層に現れてはこなくても、こどものころ読んだマンガや、観ていたアニメとかいうものが、どこかで通底する感覚を形成しているみたいな。しかもその範囲は相当シビアで、ちょっと年齢がずれただけでもう感覚が違ったりするもの。まあ、誰とは言いませんが某賞の5回や19回や21回があまりピンと来ないのも、そのせいだったりするかもしないかも。今回の作品集でも、もう少し著者の世代が上だったら受けつけないような素材を扱っていたりするのですが、実際に自分たちの世代の空気というものを見事に捉えているからこそ、素直に読めるところがあるかもしれません。
 とくに最後の「誓いじゃないけど僕は思った」にはやられました。中学時代の同級生の女子のことを忘れられない主人公。ドラマチックでも何でもない、淡々とした日々の思い出。それでも、とてつもない訴求力を持って見えてしまうのは、それがもう二度と戻らない日々だから。ふと、「School Days」の彼ら彼女らが、一歩を踏み出さなかったケースが、こんな感じかもなぁとか思いました。互いに想いを伝えることもなく、遠くから眺めるだけで終わってしまう、それは究極のバッドエンド。

23:25 Permalink []

2008年03月22日(土)

TOBI「眼鏡なカノジョ」(Flex Comix)感想

 めがねっこはすばらしい。逆ナイロールはすばらしい。「目が悪い」なんて言葉でネガティブに捉えられてしまうけれど、先端技術とデザインの粋を極めた眼鏡というアイテムを身につけられるのは、誇るべき特権なのです。眼鏡は、現代の様々なストレスから身を守る、心のガーディアンなのですよ(恥ずかしい台詞禁止)。
 しかるに、コンタクトレンズというオルタナティブの存在によって、その可能性にみんな気づけないでいるのです。本来なら日本国民の半分以上がめがねっこであってもおかしくないのに、コンタクトレンズによってそれがデチューンされてしまっているのですよ! 絶望した! なんでもちっちゃくすればいいと思ってる軽薄短小社会に絶望した!(どの口が言ってるの?)
 久米田メソッドはこのくらいにして。この物語は、そんなめがねっこの皆さんの秘めたポテンシャルが最大限に発揮された、お約束満載のめがねっこらぶこめでぃ。略してめがらぶ。ギガやテラがもてはやされる時代だけど、やっぱりメガがいいのです(何のこっちゃ)。レーベルに購入を迷いつつも、店頭で第一話のサンプルを読んで一目惚れ……もとい、一眼鏡惚れしてしまいました。オムニバス形式ですが、どのお話も期待通り実にステキ妄想純度。みんな、眼鏡が実にポジティブに描かれていて、たとえダテメガネであっても、そうまでして「めがねっこ」である意味のあるお話になっています。「CLANNAD」の智代さんも、こんなふうだったらメインルートになったかもしれないのに。

2008年03月25日(火)

米澤穂信「愚者のエンドロール」(角川文庫)感想

「実はですね。……わたし、ブラウザが使えるんです」(千反田える)

 高校の文化祭のために制作されるも、「解決編」に辿り着くことなく中断されてしまったミステリー映画。その事件の「探偵役」を依頼されることになった主人公たち古典部の活躍を描く、シリーズ第二作。第一作「氷菓」のときも思いましたが、妙に谷川流っぽい(というか涼宮ハルヒシリーズっぽい)印象を受ける文体です。といいつつ後半、えるさんが変な方向にはっちゃけ出すと、俄然面白くなって、そのへんは気にならなくなりました。同時に、京アニによる映像化の芽をつぶしてしまった感もなくはないですが。
 それはともかく、谷川流との明確な相違点は、こちらはあくまでとことん本格ミステリだということ。「インシテミル」同様に、ひねくれてはいるけど、屈折してはいないというか。自主制作映画について古典部員たちが批評するシーンでも描かれているとおり、ミステリにおける謎は演出次第でいくらでもすごく見せることができる。それを真っ正面から描くよりも、こうやって劇中劇の形にするのは、醒めたやり方のように見えて、本当に本格ミステリに愛情を持っている自信がないとできないことのような気もします。
 ところで、あとがきを読むまで「探偵映画」との類似には気づきませんでしたが、言われてみるとたしかに。見せ方ひとつで、ここまで違うものなのだなぁと感心しました。ちなみに、我孫子武丸では人形シリーズが好きです(えぇい、何も言うな)。

23:32 Permalink []

2008年03月26日(水)

「もっけ」(メ〜テレ)感想

総点: 76点(全24話 累計: 212/240 平均 8.8)
評点グラフ - もっけ

 おばあちゃんの話で締めますか……。「クダンノコト」の話をやって、よって件のごとし、で終わるかと思ったのに(それは黒すぎるだろう)。
 まあ、それはいいとして。この作品は、原作通りで絶望した! とかいう類の作品ではないとは思うのですが、欲を言えばもう少し原作を超えてほしかったかな、という印象です。時系列くるくるシャッフルを排したのならいっそう、このあとの瑞生ちゃんの成長が見たかった。もちろん精神的な意味で。何にせよ、毎回みずきちゃんがかわいいのはもちろん、川澄お姉ちゃんもやたらかわいかったので、その点では満足なのですが。次回予告に象徴される、仲のいい姉妹という感じがよく出ていたのではないかと思います。
 あと、アニメとして特筆すべきところと言えば、正しい意味での豪華声優。ふつーのクラスメイト男子に斎藤千和と釘宮理恵をあててきたのに驚いたのは序の口、滝口順平に内海賢二、果ては野沢那智という大ベテランから、名塚佳織や平野綾のような若手まで、声優今昔続百鬼ともいうべき様相を呈していました。どれだけ資金力があるのかavexアニメ。その割にネット局が少なかったのが気になりますが、そこはそれ、あさはかなテレビ局のせいということで。

22:58 Permalink

森見登美彦原作/琴音らんまる漫画「夜は短し歩けよ乙女」第1集(角川コミックス・エース)感想

 まさか、この作品がマンガ化されるとは……。オビで隠れてしまうのがもったいないくらい素敵なカバーデザイン。乙女が過度にかわいいのは角川だから当然なのです。過度キャ?ワ!イイなのです(またそれか)。
 そんな感じで乙女と京都な大学生の平凡な日常を淡々と描く物語。とくに原作準拠の第一章・第二章は、自分が思い描いていたイメージにかなり近くて不思議な感覚でした。実際の京都の街並みの描写とかいうレベルじゃなく、もっと深層の、幻想的な雰囲気がよく出ています。ただ、大学構内の描写に一部違和感を憶えたりするようなしないような。モデルがどこか知りませんけど、不思議だなぁ。
 まだ続くみたいなので、マンガオリジナルの話も楽しみにしつつ、下鴨納涼古本まつりの話が再現されることを願っています。そして、ゆくゆくは「NHKにようこそ!」同様、アニメ化までされちゃったりなんかして。そのときはやっぱり京都アニメーション制作だったりして、とか思いを馳せつつ、なむなむ。

2008年03月29日(土)

「北へ。〜Diamond Dust Drops〜」(AT-X)感想

評価: 68点(全12話 累計: 94/120 平均 7.8)

評点グラフ - 北へ。

 何故かAT-Xアニメ女子部で放映された作品。最後は無事に、だいやもんどだすと☆ドロップス。初回を観たときはどうしようかと思いましたが、それなりに収穫はあったかと。
 北海道を舞台に、6人の少女たちの物語をオムニバス形式で描いた作品(一部、「少女」ではないような気が……)。そのおかげで、如実に脚本家の力量の差が表れる結果になったというか。もちろん個人的な好みもありますけど、やはり岡田麿里(北見編・旭川編)と花田十輝(札幌編)は、こういうベタでベタでベッタベタならぶこめでぃ書かせたら天才的です。とくに札幌編の、めがねっこな能登麻美子の人は素晴らしい。「sola」のトマトしるこって、もしかしてこれが元ネタだったりするんでしょうか。
 まあ、だいやもんどだすと☆ドロップスがまったく話に絡まないような回は論外として、もっと脚本レベルが上の方で揃っていたら、みんなが集う最終話が、より感動的なものになっていたかもしれないのに、と、少し惜しいところ。

22:46 Permalink

「School Days」OVAスペシャル マジカルハートこころちゃん(MMV)感想

評価: 10点[前回比: 実質±0]
「School Days」DVD版総評: 92点(全12+1話 累計: 119/130 平均 9.2)

 待望のOVA。もちろん、スタッフとキャストの皆様に敬意を表してシリーズ本編も全巻DVD揃えました。AT-X版より赤くなった第12話を見返した後、満を持して、もうひとつの幸せな結末へ。
 ……あぁもう、素晴らしすぎて言葉が探せないですが、とりあえずシルブプレー。心ちゃんが正義の味方で、刹那さんが悪の親玉という時点で楽しめないわけがない……もとい。元永慶太郎監督と上江洲誠シリーズ構成の陽性のパワーが存分に発揮されております。途中じゃっかん「あまえないでよっ!!」になってた気がしますが。マジカノショッピング? なんのことやら。
 本編より長い映像特典は、シリーズ全12話を30分にまとめたダイジェストを、言葉さん@岡嶋妙さんと世界さん@河原木志穂さんのオーディオコメンタリで送るという無茶な企画。ふつーのオーディオコメンタリでもちょっと話がそれるとすぐシーンが先へ行ってしまうのに、ダイジェストだから尺が足りない足りない。とりあえず、みんなの誠くんがキャストからも愛されてるなぁということが判りました。
 ということで、本シリーズの教訓を糧にして、スタッフの皆様におかれましては、ぜひ「Summer Days」をアニメ化していただきたく思います。私ゃ、心ちゃんの同級生の卯月ちゃんが無事に日々を過ごしているのか、気になって仕方ないのです。

22:50 Permalink

2008年03月30日(日)

「GUNSLINGER GIRL」(BS11)感想

総評: 83点(全13話 累計: 121/130 平均 9.3)
評点グラフ - GUNSLINGER GIRL

 はふぅ。自分の中で何かにくじけそうになりつつ、なんとか最後まで、目を逸らさずにいられました。結果的に、第二期と平行して追ったのは良かったのかどうか……。エピソード的には、第二期が第一期の補足になってることが多かったように思うのは、東海地方的放映日程の偶然のなせる業でしょうが(偶然なんてこの世にはないのよ)。
 しかし、ことここに至れば、もう第一期ってレベルじゃないくらい、完膚無きまでに終わってしまっています。ここは終わってしまった世界。アンジェリカちゃんのことだけじゃなく、みんなそろって断頭台に上がるような。しかも締めが第九だったので、「エヴァ」を思い出してちょっと笑ってしまいました(絶望した! ポロロッカ現象に絶望した!)。これを見越して「ANIME+」を組んだのでしょうかBS11(それもまたヒツゼン?)。
 世界の終わりへの前段階として、ヘンリエッタちゃんが探偵役を買って出た第11話は、いろんな意味で示唆的でした。「条件付け」は、担当官との固い絆を示すものとはいえないこと。究極的に、彼女たちの中だけで完結する物語。銃を持ってるおんなのこはふつーですか?
 じゃっかん大きな世界を描いているように見える第二期とは対照的に、この作品は、徹底して少女たちの視点で物語がつづられていたという印象を受けます。ジョゼさんたち大人の視点が入ることはあっても、それはあくまでドラマティックアイロニーを補完するためのもの。マジックミラーの向こう側とこちら側で、その世界は厳格に分けられている。プリシッラちゃんが「ちゃん」づけを強要してたりするのも、その壁を超えようとして超えられない皮肉のような。
 彼女たちに幸を願うのも間違っているような気もしつつ、この世界に愛を、と思わずにはいられません。願わくは、クラエスちゃんがめがねっこのままでいられる世界でありますように。

23:00 Permalink

2008年03月31日(月)

丸川トモヒロ「成恵の世界」10(角川コミックスA)感想

 ついに二桁突入。16進数ならAですけどね。すべてがなるAの世界(はい)。谷川流はオビに推薦文なんか書いてる場合じゃないぞと言いたい気持ちをぐっとこらえて(言うてる言うてる)。

 やはり世界構築力が並外れています。もはや完璧なハードSFなのに、どこまでも日常学園ラブコメで、愛すべき思春期少年少女たち。今回も成恵ちゃんや香奈花ちゃんに振り回される、惑星地球代表・和人くん。こういう、がんばれオトコノコ! というノリが、あくまで日常のなかのSFという安心感をもたらしてくれるのだと思います。
 そんな中で、ちょっとだけ非日常に足を踏み入れてしまった八木さん。その道を行けばどうなるものか、そこは true tears かスクイズかって、そういうことじゃなくて。めがねっこがいいのです。めがねっこはどんなSFでも日常感を演出してくれる重要なファクタなのです。八木さんがめがねっこでいるかぎり、この現実という地に足をつけたSFを書いてくれることでしょう。日常に不安を感じた八木さんが、時台屋の四季ちゃんとSFネタでわかり合ってるシーンもほほえましい。八木さんと語り合えるほど、私はSF畑に詳しくないのが悔やまれます。時台屋の四季ちゃんとなら、もっとオールレンジにあるいは。私もそれなりにいろんな古本屋を見てきてますが、時台屋みたいな古本屋には、ついぞ巡り逢ったことがありません。いつの日か夢見ています。その ぴーとさんとの出逢いを……。