2008年01月01日(火)
2007年・小説ベスト10
新春恒例きかく。昨年はだいぶいろんな本が読めました。ノミネート基準は以下の通り。
- 2007年1月1日〜12月31日に刊行された作品(奥付部分の日付で判断)
- ただし、昨年より前にハードカバー等で刊行された作品のノベルス・文庫落ちは除く
- 感想を書いたかどうかは問わない
- 雑誌(およびムック)は含まない
- 上下巻(あるいはそれ以上)に分かれている作品も一作と数える
- ただし、電撃文庫等のライトノベル・レーベルで刊行される作品についてはシリーズが長期化する傾向にあるため一作ごとにカウント
- 10位: 勇嶺薫「赤い夢の迷宮」(講談社ノベルス)
「黒っ。黒いよ、はやみねさん!」というのが読後の第一印象。ペンネーム変えただけのことはある、「おっとな〜」な作品でした。 - 9位: 田中ロミオ「人類は衰退しました」(小学館ガガガ文庫)<初見感想>
「ヨコハマ買い出し紀行」といい「ARIA」といい、衰退文学とでもよぶべきジャンルでくくれるような気がしてきました。まあ、その中でも、この作品は黒さがトップクラスなのですが。年末に2巻も出ましたが、あまりの黒さと突拍子もなさに感想が書けなかったことをお詫びいたします。 - 8位: 石崎幸二「首鳴き鬼の島」(東京創元社ミステリ・フロンティア)<初見感想>
地味でも忘れてはいけないこの作品(地味って言うなぁ)。講談社文庫には、歴代メフィスト賞作品をちゃんと全部文庫化していただくことを強く要望します。 - 7位: 森博嗣「ZOKUDAM」(光文社)<初見感想>
毎年のお約束となった感のある森博嗣枠。「探偵伯爵と僕」ならトップ3入りは確実だったのですが、ノベルス落ち作品なので残念ながら対象外。というか「スカイ・クロラ」シリーズも買っただけで読んでないのが大問題なのですが。映画公開までには読みますよ。 - 6位: 白瀬修「おと×まほ」(GA文庫)<初見感想>
ある意味、2007年一番の収穫。涼宮ハルヒシリーズが残念なことになってる今、ライトノベル界隈期待の新星。早くアニメ化しないかなぁ。 - 5位: 米澤穂信「インシテミル」(文藝春秋)<初見感想>
文句なしに本格ミステリ。 - 4位: 歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」(講談社ノベルス)<初見感想>
舞田ひとみシリーズとどっちにしようか迷ったのですが。 - 3位: 森見登美彦「有頂天家族」(幻冬舎)<初見感想>
森見流京都小説の頂点。 - 2位: 西尾維新「刀語」全十二話(講談社BOX)<初見感想(西尾維新カテゴリ)>
一年間、毎月刊行の大河ノベル。第5項の基準を作ったときには、まさかこんな形態の作品が登場するとは思いませんでしたが……。まさしく合わせ技一本。否定姫さま好きです。 - 1位: 古野まほろ「天帝のつかわせる御矢」(講談社ノベルス)<初見感想>
そして、この企画をはじめて5年、ようやく森博嗣・西尾維新以外の、新たなメフィスト賞作家の作品を一位にできたことがとても嬉しいです。三部作のうちどれを選ぶかは些細な問題で、さながら量子論的波動関数のように不確定。とりあえずは、天帝の尾をかすめとりし第二作を選ぶことにしました。「彼女」がすごく好きなのですが、ネタばれになるので詳しく書けないのが惜しいところ。
今年もいい本ありますように……!
2008年01月02日(水)
kashmir「デイドリームネイション」1(MFコミックス アライブシリーズ)感想
オビに、わかりにくいネタを仕掛けるセンスが大好きです。漫画にカバーを掛けてくれる本屋は少ないのですよ。
「○本の住人」と出逢って以来、こっそりkashmirさんのファンだったりします。これも素晴らしい。あぁ、今年も真人間に戻れそうにありません(えっ)。
舞台は、とある高校の漫画研究部。一ページ目の、「5人集まんないと廃部だー! とかそういうイベントでもあればねえ」なんて台詞をすんなり受け入れられるかどうかで、この物語に入り込めるか否かが決まるような気がします。極めて特殊な方面への共通認識を前提で作り上げられた世界。対象を限定することで、できることがあるというのは、どこのミステリ研の人の言葉だったでしょうか……。
とはいえ、これはけっして、パロディとか内輪ネタを楽しむ類の作品ではない(と思う)。「げんしけん」(原作)とはまた違ったリアリズムを志向した作品。あるいは、「らき☆すた」(原作)よりもっと過激に、非日常を日常へと還元する試み。夏の夜の夢ほど波瀾万丈ではない、それは心地良い午睡へのいざない。まどろむような空想と妄想の世界へようこそ。
2008年01月04日(金)
「こどものじかん」第12話 こどものじかん(BIGLOBEストリーム)感想
評価: 10点[前回比: ±0](累計: 114/120 平均 9.5)
こどものじかんよ永遠なれ。
すべての人々に、救いが訪れる。時は満ち、祝福の鐘が鳴りひびく。どうぶつSEと、のの字もいっしょに降り注ぐ。今こそ、なにもかもが赦される時。
この展開には、もはや「School Days」を思わずにはいられません。混沌の2007年アニメの中でも、ひときわ異彩を放っていた通称スクイズ(大森望的に言うと「裏ベスト1」)。あの物語が、あんな結末を迎えてしまったのも、彼らが高校生(相当)という年代であったからこそ。走り出したら止まらない、踏み出した一歩が、惨劇への雪崩を引き起こしてしまう坂道。それを思うにつけ、本当に、この物語がこどものじかんであってよかったというか。こどものじかんだからこそ、前を向いて進める。前を見ながらも、左右に注意して歩ける。いったんていし、一線を超える手前で、踏みとどまることができる。りんちゃんくろちゃんの「おっとな〜☆」な言動も、あくまで健全な領域にとどまっていられるわけです。だからこそ、エンディングは「オトメチック初心者でーす」が選ばれたのでしょう。otometic は automatic のようにはいかない。わかばまーくの、こどものじかんは始まったばかり。
もう一つ忘れてはいけないのが、こどものじかんと相克する、おとなのじかん。てっきり、青木先生がレイジー一喝で締めるのかと思ってましたが。けっきょくレイジーも、おとなになれないこどもだったということで。「お前に何が判る」ってのは、浅い脚本で使われると一気に醒める十大台詞のひとつなのですが、ここはこのレイジーであるからこそ言わせるべき台詞。それに対する青木先生の受け止め方も見事でした。判らない。判らないことが解るということ。それでも、解ろうとしたい、それが教師として踏み出すべきいっぽ。平凡な、ふつーの人間である青木大介。こどもたちに振り回され、先輩の教師からは叱責され。そう簡単に立派な大人になることはできないけど、こどもとはまた違った形で、前に進んでいく。共に歩んでいく。
……実はここで、気になることがあるのですけどね。りんちゃんの青木先生に対する想いは、果たして本当に恋愛感情だったのかどうか。もしそうだとすると、こどもとかおとなとか関係なく、その想いに対して、青木先生は明確な答えを出せていない。りんちゃん自身、青木先生を「はじめて信頼できる大人」と形容していて、それはまるで、こどもが大人に見せる純粋な憧憬だったようにまとめられています(レイジーはもとより、母親もここでは除外されていて、肉親に対する情とは別物だという自覚はあるようですが)。まあ、そこまでツッコむには、一クールは短すぎるでしょうし、あえて第二期、あるいは原作版の結末への余地を残したとも考えられます。何より、それをやると、今度こそどこでも放映できそうにない気もしますが。
で、のの字の話。それこそ「おっとな〜」な事情も鑑みて、あまり白眼視すべきものでもないというか。話の筋が判らなくなるのはさすがにどうかと思いましたが、最終的には本筋の阻害要因にはならずに済みましたし。対価は払わなければならない。くろちゃんのありがたいお言葉を聞きたければ、DVDを買うべしなのですよ。まあ、本筋とは関係なく、くろちゃん最高です。くろちゃん万歳。ってか、みみちゃんのおべんきょうがそのままにされたことが、最終話で最大の驚き。将来が楽しみなお子さんです。
総点は96点。まだ言い足りないことは、DVD版を観て随時。

2008年01月05日(土)
「GIRLSブラボー second season」第4(15)話 お掃除♥ブラボー!(AT-X)感想
評価: 10点[前回比: +3](累計: 136/150 平均 9.1)
ヒーローになれたらイイナ!
頭おかしいのか……。セカンドシーズンに入ってから、バカっぽさのベクトルが別次元を向いてしまって、あまり乗れなかったのですが、久々にやってくれました。もはや、このお話をがぶらでやる必然性も皆無な気がしますが、それでこそがぶらというか。あと、リサさん@松岡由貴さまの言葉責め魔法にぱめるくらるく。
横見浩彦・牛山隆信「すごい駅!」(メディアファクトリー ナレッジエンタ読本)感想
ひとりひとりの すごい 駅。
言わずと知れた全駅下車達成者の横見さんと秘境駅訪問家の牛山さんが、対談形式で全国の「駅」をご案内。駅にスポットライトを当てた本というと、以前丸善のバーゲンブックで買った所澤秀樹氏の著作を読んだことがありますが、どちらかというと雑学的な内容(そういうのも好きですが)。それに対し、こちらは語るお二人の情熱自体がすごい。横見さんにしても牛山さんにしても、余人が目のつけないところに価値を見いだす。そして、その魅力を人に伝えようとするときの特異な語り口(たまに、理解しがたいところがありますが)。そこにこそ、この本の真価はあるといっていいでしょう。そう、だからこれは単なるガイドブックではない。その証拠に、目次も紹介された駅名の索引もありません。って、それはさすがにどうかと思いますが……。
まあ、そうはいっても、やはり普遍的な魅力を感じる駅も多くあって。JTB時刻表を脇に置いて、どこの路線なのかを確認しつつ、思いを馳せてみたり。「鉄子の旅」を観たときにも思いましたが、やはり竜飛海底駅には生きてるうちに一度は行きたいところ。あとは、知和駅とか行きたいですね、いい意味で(何)。ゆいレールにも是非(あなたは鉄として失格です!<いや、私は鉄じゃないので……)。
2008年01月06日(日)
「ハヤテのごとく!」第37話 普通の女の子に戻りたい、でもキャラソンは買ってね♥(ぎふチャン)感想
評価: 9点[前回比: +1](累計: 326/380 平均 8.6)
絶望した! 「ふつーって言うなぁ!」っていう台詞がなくて絶望した!(絶望少女撰集 BS11Ver. を観たばかりなので……)
BSジャパンが一週休止で、また岐阜放送改めぎふチャンが先行したのでこっちで視聴。またみてね画像(次回もみるのがとっても普通♥)も普通にありますし(だから普通って言うな!)。
最近はナベシン演出だったり、川口監督スターシステムだったりで混迷の極みを見せている「ハヤテのごとく!」ですが、久々にこういうのもいいもんですね。この作品はハムスター西沢の平凡な日常を淡々と描くものです。過度な期待はしないでください。何気にハムスター好きなのですよ(だったらなまえでよびなさい)。どのくらい好きかというと、瀬川さんの次くらいに好きです。瀬川さんはひなちゃんの次に好きです。ひなちゃんは伊澄さんの次に好きです。伊澄さんの上はありません。まあそんな感じで。ところで、湯気は深夜31時アニメにしては普通ですか?
「ポルフィの長い旅」第1話 父さんからの手紙(BSフジ)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
次回予告がまともだー。
始まりましたBSフジ版世界名作劇場第二作。OPからめっちゃ出来が良くて感動しましたが、本編もこれまた理想的な兄妹愛の物語。日本人が忘れてはいけない魂の物語がここにあるわけなのですよ。「桃華月憚」とはえらい違いです(逆順でようやく第18話まで観ました)。米兵のジープに目を奪われて、妹のミーナを置き去りにしてしまったポルフィくん。もらったチョコレートよりも、もっと大切なことを学びました。そう、今こそ言おう、ぎぶみーちょこちゃん。プレゼントに妹を。
演出的なことで言えば、さすが望月智充監督、相変わらず足ばっかり映してます……というのはおいといて。公式のトップ絵を見たときから、ひょっとしてと思ってたのですが、やっぱりキャラクタに影がないですね。「絶対少年」のOP的というか、細田守的というか。そのぶん、きっちり動かしてます。食事のシーンとか、ちゃんと山羊のミルクに気を取られるミーナを描いておいて、次の画面でポルフィがその隙を突いてパンを横取りしたり。こんな調子で52話動かすのは大変そうな気もしますが、世界名作劇場の日本アニメーションは本気っぽいから大丈夫でしょう、きっと。
ということで、まだ海のものとも山のものともつかない第一話。今のとこ山のものっぽいですが、ギリシアだから海のものになるかも知れません(いいかげんそのネタやめれ)。この素敵兄妹に、どんな試練と困難が待ち受けているのか……。今回はあんまり悪役が出てこないとイイナ! とか思いつつ、また日曜夜の楽しみにさせていただきます。
「GUNSLINGER GIRL」第1話 兄妹 - fratello -(BS11)感想
評価: 10点[前回比: -](累計: 10/10 平均 10.0)
これも、なんて兄妹アニメ……。
BS11で再放映の第一期。原作ともども未見でした。事前情報から判断したかぎりでは、どうも自分が楽しめる作品ではなさそうな気がしたのですが、某所と某所の評判も良いし、少しでも気になったら初回だけでも観てみることにしてるのでチェック。
その結果。……これは、まさに罠にはまってしまったというか。あぁもう、浅香守生監督ズルいっ! と思わず言いたくなったとかそうでないとか(どっちだ)。「絶望した!」と声高に叫ぶこともできず、ただ銃声のみが響く、深い深い暗闇。夜明け前がいちばん暗い。この第一話を観てしまったら、これ以上の辛いことはないんじゃないかという希望を抱いてしまいます。間違っていたとしても、あえてweb拍手コメントでの指摘は求めません。この先、少女たちに、キャッチコピーどおりの「小さな幸せ。」が訪れるのかどうか、見守りたい気分になってきました。
で。そうなると、今期スタートの第二期も観ずにはいられなくなるわけで。キャストもスタッフも総入れ替えということなので、同時並行で観て混乱しそうな、そうでないような、よく判りませんけど。とりあえず「おかわり」よりは不安ではない気がします(なんてことを)。ヘンリエッタ@南里侑香の声がかなり好みだったので、新人らしい阿久津加菜さんがどういう演技を聴かせてくれるかに期待がかかりますね。
2008年01月07日(月)
「ef-a tale of memories.」全12話(AT-X)総評
意外にも、ふつーに終わった(ふつーって言うなぁ)。
うぅむ。けっきょく、千尋とみやみやのラインは交わることなく、平行線のままだったですね。なんか倒錯的な叙述トリックでも仕掛けられているのかと期待してたんですが。いや、うれしはずかしなアレではなくて、折原一的な意味で。時空平面上で縛られている千尋という存在からすれば、創無理筋でもないと思ったんですけど(勝手に言ってなさい)。
冒頭に書いたとおり、最後はえらくふつーなハッピーエンドになってしまったなぁという想いが強くて。鬱展開になるのは嫌だとかいうくせに、我ながら身勝手な言い分だというのは承知してますが。道行が道行だっただけに、それが最後につながっていたのかどうか、よく判らないところ。ってそれは、このスタッフの演出が苦手だというのを口実に、ちゃんと直視していない自分が悪いのです。レンズ越しに観ても、フレーム越しに眺めても、けっきょく受け手が読み取ろうとしなきゃダメだというのが結論。
総点は74点。個人的には「Wind -a breath of heart-」を超えられず。

2008年01月09日(水)
竹宮ゆゆこ「とらドラ!」1(メディアワークス電撃文庫)感想
評価: 10点[前回比: -](累計: 10/10 平均 10.0)

一家に一匹、手乗りタイガー(匹って言うな)。私にもください。
デビュー作「わたしたちの田村くん」読了から1年半。外伝である「とらドラ・スピンオフ!」を読みかじったのも、はや半年以上前。ようやく、ちゃんと「とらドラ!」本編に手を出すことができました。これは……参りました。完敗です。なんでもっと早く読まなかったかな、かな。かなカナ4文字タイトルで敬遠していたのは失敗でした(いーかげんにしなさいっ)。
もう、キャラクタの綿密かつ粘着質な描写、お約束満載の展開、何もかも素晴らしい。逢坂大河さん素敵です。いやむしろ、「大河!」と呼び捨てにして、思いっきりなじられたい(あんた……)。きわめて個人的には、こういうのに釘宮嬢の声を当てて読んだら負けかなと思ってるのですよ。そういうんじゃないんです、彼女の魅力は。かといって伊藤静さんって感じでもないんですよねぇ。むしろ中島沙樹さんという感じかな(どういう括りで考えてる?)。あ、ぼっちゃまのほうではないです。
この作家さんらしく、最後はちょっと切なかったりもして、滝本竜彦的ネガティブハッピーの雰囲気を感じました。NHK(日本曳かれ者協会)にようこそ! 次巻以降も楽しみです。昨年いっぱいで「R.O.D」を既刊全部読み切ってしまったんですが、これであと半年は戦えますね。
「おねがいマイメロディ すっきり♪」第1話 お花畑ですっきり!?/第2話 マイメロちゃんですっきり!?(アニマックス)感想
第1話 評価: 8点[前回比: -](累計: 8/10 平均 8.0)
第2話 評価: 8点[前回比: ±0](累計: 16/20 平均 8.0)
実写コーナがないのは、すっきりしてて大変よろしい。
ということでアニマックスでは週二話連続形式で放映開始。1分強のOPとEDが各二回流れて、せわしないですな。あと、前半の次回予告のあとに「ひきつづき『おねがいマイメロディ すっきり♪』をおたのしみください!」という田村ゆかりナレーションが入ります(ここ重要)。
で、本編は……尺が短いおかげで、より脊椎反射的な展開になったような。相変わらず随所が酷いんですが。しかしまさか、通称マイメロがプリンセスを僭称するとは。「ふしぎ星の☆ふたご姫」が終わったからってやりたい放題ですね。とりあえず、次回予告で歌ちゃんが「駆」ってよんでるのが聞き捨てならなかったりしつつ、なるべく感想は書かない方向で視聴続行。
2008年01月10日(木)
「ARIA The ORIGINATION」第1話 その やがて訪れる春の風に…(AT-X)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
やはり、名港イタリア村は真剣にコラボレーションを考えるべきだと思いました(そーいう話は分家でしなさい)。
その みたび出逢える奇跡に。いや、OVAがあるから、よんどかな。いずれにしてもよんどころなく、いつものままのネオ・ヴェネチアがそこにありました。
それでも、今度のシリーズは ORIGINATION ということで、「始まり」がテーマになっているとのこと。変わらない日常の中で、なにかが変わりはじめる、未来に向かって歩み始める、それは未来への胎動。明日は今日よりもっといい日になる。もちろん、ここで「ef」を引き合いに出すような無粋な真似はしません。これぞ「ARIA」の世界観。
いちはやく変化の兆しを見せたのが、後輩ちゃんことアリスちゃん@広橋涼。佐藤監督の絵コンテだから当然といえば当然なのですが、なんかアリスちゃんが今まで以上に輝いていました。ぜひとも、成長せずに進化する姿を見せてください。
ということで、なんの心配もなく視聴続行。ねこねこの日も楽しみにしています。
2008年01月12日(土)
「true tears」1話 私…涙、あげちゃったから(東海テレビ)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
風人物語セカンドシーズン、はじまります。
事前特番はBS11で観たけど、本編は東海テレビが先行。まあ、また打ち切られたら移行するまでです。って、そんな展開は勘弁願いたいものですが。
第1話の印象としては、すこぶる清新。西村監督らしい緻密で繊細な画面構成が楽しめます。OPも素敵で、まさに eufonius field。特番によると、舞台は制作会社の所在地でもある富山ということで、そのうち探訪に行くのもいいかもしれません。……いや、北陸本線は石動駅に行くって意味ですけど(ただの探訪には興味ありませんから)。
その石動乃絵@高垣彩陽が、なんか好きで。名塚の人が本領を発揮する前にとばかり攻勢をかけてきますね。あくまで噂ではありますが、「ちいさくなりますように」なんてことを女の子のほうから言うなんてっ(逆はいいのか)。
風人物語とは言ったものの、彼らよりはもうすこし切実な現実を生きる高校生たち。仲上くんが向かうキャンバスは、スケッチブックのような純白でもなく。ピーちゃんに訪れる不幸は、単なる偶然か大いなるヒツゼンか。果たしてこの作品がどんな世界を描き出してくれるのか、楽しみにしてます。
「俗・さよなら絶望先生」第1話 ほら、男爵の妄言/当組は問題の多い教室ですから どうかそこはご承知ください(BS11)感想
評価: 10点[前回比: 実質±0](累計: 123/130 平均 9.0)
絶望した! 実写版「ま」のCMを観てしまって絶望した!
新興放送局BS11デジタルの開局により、だんだんキッズステーションがいらない子になってきてるような気も。最近のキッズステーションの編成って普通だし(ふつーって言うなぁ!)。
内容についてはもう……。第一期にも増して危険なカルトアニメ。否、毒をもって毒を制す、現代日本にはこのような作品こそが求められているのです。この作品が放送休止になったら、本当に「絶望した!」と叫んでいい。
「破天荒遊戯」第1話 永遠のともしび(メ〜テレ)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
永遠の19歳では遅すぎる。
なんて破天荒。男性陣の絵柄だけ見てスルーしなくて良かった。初回のお約束的状況説明もそこそこに、ぽんぽんと勢いよく球が飛んできて、さながら千本のっく。高本監督恐るべしです。
破天荒といえば、第一期は制作局だったはずなのに「ウエルベールの物語」第二幕を放映しないメ〜テレも大概な破天荒しとらっせる、みたいな。別にいいですけど。あの姫様よりもラゼル@小林沙苗のほうが好みですし(比較しちゃいけません!)。どんな珍道中になることやら、次回もおもしろかわいいのを期待してます。
2008年01月13日(日)
「CLANNAD」第11回 放課後の狂想曲(BS-i)感想
評価: 10点[前回比: +1](累計: 98/110 平均 8.9)
出崎演出じゃあーりませんか。
ふーちゃんが旅立たれてしまわれて、みちるちゃん編以降テンションの低下を招いた「AIR」の二の舞になることを危惧していましたが……。むしろ川澄舞になって帰ってきましたみたいな。京おにいちゃんが本気を出すと、ホントにヘヴンズドアを開きかねないから困ったものです。全然関係ないですが春原妹の出番はまだですか?
ということで、一ノ瀬ことみ@能登麻美子の魅力満載でお届けするCLANNAD。ことみんが本を読んでるとこ好き、声も好きって、岡崎さん私と気が合いそうです。っていうか「ドグラ・マグラ」とか朗読しました? 相変わらず演劇部の活動そっちのけで人集めに奔走してますが、こういう経験の積み重ねが、最終的に意味を持ってきそうな気もします。ふーちゃんといっしょに過ごした時間は「なかったこと」にされても、記憶の片隅には残っているように、この一瞬もいつか、もっと大きな物語の一部として語られる日が来るのかもしれません。
ともあれ、リサイタル終演後のことみんを狙う怪しい影。っていうかテイル・メッサー監察官じゃあーりませんか。そうか、同じ能登の人だし、ことみんも成恵ちゃんと同じ星の人……って、なんでやねん。などと、一概に否定できないのが鍵的世界なのですが、はてさて。次回も貴方の胸に直撃よ。
「ポルフィの長い旅」第2話 友達がやってきた(BSフジ)感想
評価: 10点[前回比: +1](累計: 19/20 平均 9.5)
新しいともだち・フクロウさんのなまえはアポロ。ちょこだけに(あらきかなお「夢みたいな星みたいな」じゃないってば)。
あぁ、なんか変なスイッチが入ってしまったみたい。なんかなんか、すごい好き。直前に、ぢたま某「Kiss×sis」2巻を読んでしまったからと言うわけではないと思いますが(いらんことを言うな)。地中海性気候のごとく、どこまでも澄み切った陽性の雰囲気。兄妹愛というほどでもない、じゃれあってる様子のほほえましいことといったら。願わくは、ポルフィくんも別に旅とか出なくていいから、ずっとこのままでいいからっとか言ってしまいたくなります。
もちろん、そうはいかないのが世界名作劇場なのでしょうけど。フクロウさんという来訪者が暗示するものは、「true tears」のように空をこいねがう想いなのか。文字通り、ミネルヴァの梟が黄昏に飛びたつその時まで、じっくり見守っていきたいところ。
2008年01月14日(月)
「シゴフミ」第1話 コクハク(ぎふチャン)感想
評価: 8点[前回比: -](累計: 8/10 平均 8.0)
松岡由貴さんがしゃべる杖にレベルアップ。
BS11の放映を録り逃してしまったので、初回だけ岐阜放送で。いったいどれほどの視聴者が「しにがみのバラッド。」を思い起こしたことでしょうか。実際、途中まで、きわめてよくあるライトノベル的フォーマットに則った物語だという印象を受けましたが……。思った以上に暗黒アニメでした。いや、これまでにもそういう趣向の小説はいくらでも読んではいるのですが、あまりにも見事に騙されてしまったので、やられた! と素直に感心です。
「死」を明示的に扱う作品として、これも定番のひとつではありますが、もっとも恐ろしいのは生きている人間だという結論。今後もこのスタンスで進みますかどうか。フミカ@植田佳奈の心の機微が判りにくいですが、こういうフォーマットの作品では仕方のないところでしょうか(主人公というより狂言回しに近いので)。もう少し、しゃべる杖な松岡さんを活かすツッコミ力の持ち主だったら良いのにとは思いますけど(ハヤテのように?)。まあ、放置プレイというのもそれはそれで。
「もえがく★5」[英語]第1話 運命の出会い。はじめまして!(BSフジ)感想
評価: 7点[前回比: -](累計: 7/10 平均 7.0)
もえたんセカンドシーズン……よりもっと恐ろしい何か。
なんだこれは……。月〜金で毎日一カ国語を楽しく学べる新感覚語学アニメバラエティ……といっていいのやら。本気でちっちゃいこを視聴対象に考えているとしたら、そうとう病んでいるとしか思えないのですが。いい意味で(どこがだ)。いやぁ、素晴らしいですねBSフジ。
平野綾さんが妙なテンションではじける実写パートもツッコミどころ満載ですが、さらに問題なアニメパート。全世界の純真なこどもとおとなに夢と希望を与えてくれる魔法少女ものは、また新たなステージを登りつめたようです。まったく何やってくれてるんですか高本宣弘監督。外国語よりも、役に立たないコアな知識のほうが身につきそうな脚本は誰かと思ったら渡辺陽。ってまた貴方ですか! 既にして観てて頭が痛くなってきますが、果たしてどこまで突き抜けられるか。目指せ、打倒・川口敬一郎監督と言いたいような、どうでもいいような。
まあ、初回は英語だからまだふつー(?)。明日からは韓国語・スペイン語・中国語・フランス語と、どういう基準で選んだのかよくわからない言語が続きます。実際に数カ国語を話せるという月島もえ@芳村れいなさんの真価も、それで明らかになることでしょう、きっと。
2008年01月15日(火)
「もえがく★5」[韓国語]第1話 運命の出会い。はじめまして!(BSフジ)感想
想像を遥かに超える展開。
一瞬、何が起こったのか判らなかった……。この衝撃を一言で伝えるのは、本来ならば難しい気がしますが、幸か不幸か、こういう状況を的確に表す比喩が存在します。すなわち、「瀬戸の花嫁」第拾七話 。話の筋はそのままで、アメリカ人が韓国人に変わっているという。手を抜いてるのかよけい手間かかってるのか判りませんが……。なんてリフレイン。あぁもう、だから素直に田村ゆかりさまを主役に据えればいいのにっ!(何) といいつつ、この方もけっこう中毒性の高い声だったりするのです。
そりゃまあ、よく考えたら、一週間同じテーマを題材にするわけで、この手法は理にかなってはいるのですよね。しかし、このどーしようもない話をあと3日見続けなければならないとは、気が遠くなってきます。肝心の外国語よりも、フィギュアがどうのガレキがどうのという話のほうがリピート学習効果で頭に残りそう。
「ヤッターマン」第1話 ヤッターマン誕生だコロン(中京テレビ)感想
評価: 8点[前回比: -](累計: 8/10 平均 8.0)
アイちゃんが150%萌えキャラになってました。
まあ、これも初回は観とかないといけないというか。第一期(という言い方もどうか)は、ちっちゃいころ再放送でよく観てました。今にして思えば、自分がお約束大好きになったのもこの作品のおかげ、ちっちゃかわいいもの好きになったのもビックリドッキリメカのおかげといっても過言ではないでしょう。でもドロンジョさまのような年上の女性は苦手ですね、不思議ですねどうしてでしょう。
そんな感じで思い入れがある作品とも言えますが、例によってテキトーに観てるので、リメイクに対する拒否感とかはまったくありません。いい感じに楽しめればいいんじゃないかと思います。滝口順平さんが演られてるだけでもう。そしてナレーションが山寺宏一さんだということに最後まで気づかなかった自分。本作においてガンちゃんアイちゃんはどうでもいい存在ですが(おいおい)、思った以上にいいキャラしてました。というか伊藤静さんがいいのです。っていうか中学生だったのか!(だから?)
あ、EDはちょっとギャグが高度すぎてよく判りませんでした。
2008年01月16日(水)
「もえがく★5」[スペイン語]第1話 運命の出会い。はじめまして!(BSフジ)感想
BPOのCMが入るのは狙っているのだろうか。
そろそろ書くことに困ってきたのですが……。それでも、三回目にしてようやく聞き取れた台詞があったりしますからね。平野綾さんはさすがプロだと思いました。
2008年01月17日(木)
「みなみけ」第13話 恋のからまわり(AT-X)感想
評価: 10点[前回比: ±0](累計: 123/130 平均 9.5)
年越しの呪文はまじかる? ぽか〜ん。
最後はすごいとこまで突き抜けました。もはやまったく収拾がつきません。いい意味で。祝福の鐘は除夜の鐘。みなみけ四姉妹弟に女神の祝福を。マコちゃんには姫の祝福を。
出逢い方が違っていれば……というけれど、出逢い方がそんなに問題ですか!(by益田西守歌)は、おいといて。はじめての出逢いは原作でしたが、今ひとつピンと来なかったというのが正直なところ。それを、ここまで見事に料理してくれたアニメスタッフの力に乾杯。料理に必要なのは腕だとチアキさま(姫)もおっしゃってます。愛情といい食材がそれに続く。元々のキャラクタという素材の味を生かしつつ、さらに二宮くんとかふんどしといったオリジナル食材を混ぜ合わせて、世にも奇妙なフルコースを作り上げてしまった。シリーズ構成の勝利というほかありません。
タイトルが示すとおり、みなみけ三姉妹(後に弟が誕生)の魅力を十全に引き出せれば、それだけで100点。チアキさま(姫)@茅原実里の素晴らしさはあらためて言うまでもなく。小石(やまだ)とか、くまぬい(ふじおか)という無機物に注ぐ愛情と、ふだんのギャップが大きな励起エネルギーを生み出す。回を追うごとにカナ@井上麻里奈もかわいく思えてきました。ハルカ姉さまとトウマ弟もそれはそれで。南家以外では、とくに内田ちゃん@喜多村英梨がやたらかわいくて好きでした。単に喜多村さんが好きという可能性もなくはないですが。マコちゃん何気に幸せ者ですね。気づいてないから不幸かも。でも不幸なことにも気づいてなさそうということで、やはり愛すべきバカ野郎たち万歳なのです。
総点は93点。もうね、おかわりなんか無くても、これだけでごはんさ〜んば〜いなのですが(禁止)。第二期は、終盤で鬱展開になったりするんでしょうか。

2008年01月18日(金)
竹宮ゆゆこ「とらドラ2!」(メディアワークス電撃文庫)感想
評価: 10点[前回比: ±0](累計: 20/20 平均 10.0)

あみちゃん、つよいこっ。
第二巻読了。ちょっと読むスパンが短すぎるかな……。そろそろ、西尾維新の小説みたく、通勤列車で読むのを控えたほうがいいかもしれないと思えてきました。実際、この素晴らしくテンポの良い掛け合いと、ときどき出てくる特異な言語感覚、そしてなによりツボを外さないキャラクタ造形、ライトノベルとしても圧倒的な読者へのやさしさに満ちた小説です。もう、どのページを開いても幸せな気分になれますね。
まあ、あみちゃんは今回措いといて(次巻以降の展開が目に浮かぶようだ……)、みのりんがなんかすごいキャラづけされてます。ちょっとこれは反則気味じゃないですか奥さん!(だーれが奥さんか) しかしそれでも、大河さんの魅力にはまだまだ敵わないのだから、恐ろしい作品です本当に。
というか、物語における登場人物は互いの関係性の中でしか生きられないのだから、どっちが上とかいう話では本来無いのですよね。みのりんがいて、大河と出逢った竜児。その逆もまた然り。ありていな三角関係ともまた違った、微妙で絶妙なバランス。まあつまり、何が言いたいかというと、あんなふうに虐げてくれる同級生がいてくれたらという、それは淡い空想の世界なのでした。次巻も近いうちに。
2008年01月19日(土)
私屋カヲル「だめよめにっき」(双葉社アクションコミックス)感想
習字のネタが出てくると身構えてしまいます。
通称こじか以外で私屋さんの作品を読むのは初めてですが、これは通称こじかとは別の次元で素晴らしい。殺伐としたところは少なくて、安心して楽しめます。くろちゃんやりんちゃんやみみちゃんとは別の次元で、こういうヨメほしい! とか思ってしまいます。あ、別の次元といっても二次元と三次元という意味ではないので。
まあまあそれはそれとして、台詞をほとんど入れずに、ヨメとオットの平凡な日常を淡々と描いていく4コマスタイルが新鮮。たまに、ちょっと考えないとオチが判らなかったりもしますが。後半は、同じマンションのツマコさんと徐々に親交を深めていくのがダイナミックに描かれ、若干作風が変わってるような。でも好きですよツマコさん。じゅうぶんかわいいと思います。めがねっこですから(けっきょくそれか)。
ということで、第二巻出版希望。
「GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO-」第1話 二人の距離 兄妹(中京テレビ)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
なんだろ、すごい幸せそう。
第二期っていうかARTLAND・真野玲監督版。マッドハウス・浅香守生監督版もまだ二話しか観てない段階での印象ですが、同じ舞台設定でもずいぶん雰囲気が違います。ジョゼさん視点からヘンリエッタ視点に主軸を移して描いているせいか、ヘンリエッタがやたら明るく積極的で、おにいちゃんだいすきっこになってる感じ。ナレーションとは裏腹に、ごくふつーのおんなのこ、というのを強調しているようにも見受けられます。
なんでも知ってるジョゼさんがヘンリエッタへの贈り物に選んだのは、その名前にゆかりのある品。って、そんなことを話を聞いただけで判るクラエスという娘も何者ですか。「条件付け」というので生前の記憶は消されるという話ですが、そういう実体験には直接関係ない記憶は残るのか、あるいは後から得た知識なのか……。なんにしても、いいめがねっこです。ヘンリエッタがクラエスとトリエラと部屋で話してるという場面は浅香監督版でも既に登場してますが、三人の関係がうかがえて好きなシーンです。
そういえば、タイトルが「GIRL」で単数形なのは、「スカイガールズ」とかと違って、少女たちどうしでチームを組むのではなく、それぞれがパートナーを持って行動する(らしい)からかな、とか考えました。え、じゃあ「ロケットガール」はどうなるって?(知らん知らん) ソラに対して物理的あぷろーちを試みるのではなく、ただ地上から見上げるだけ、そんな少女の小さな幸せを描いていってくれたら嬉しいなと思います。
「CLANNAD」第12回 かくされた世界(BS-i)感想
評価: 9点[前回比: -1](累計: 107/120 平均 8.8)
なんでふーちゃんがお助けキャラになってるですかっ。
相変わらず素敵ため息のことみんですが、それとは別に、なんか杏ちゃん@広橋涼が涼宮ハルヒっぽいと思えてきたのです。アグレッシブに問答無用、良いキャラしてます。
なんて思ってたら、事態は急変。どうもこの作品、ギャグパートから一瞬でテンションが切り替わるので混乱しますが、それもまた、日常のすぐ隣にある非日常を演出しているのでしょうか。プライバシーという名の禁則事項。テイル・メッサー監察官の口からわずかながら語られたそれは、スコシフシギな世界への扉。なんか大変なことになりそう。蝶っぽくない?
2008年01月20日(日)
森博嗣「タカイ×タカイ」(講談社ノベルス)感想

評価: 9点[前回比: ±0](累計: 25/30 平均 8.3)
Xシリーズ三作目。このシリーズ、謎の提示の仕方と解かれ方が、地味だけど面白い(地味って言うなぁ)。いや、これの前のGシリーズがあまりにひねくれてて、謎が解かれたのかどうかすら判らなかったから、よけいそう思うだけかも知れませんけど。
とはいえ、これ一冊だけでは真価が測れないのが例によって森ミステリィ。今まで以上に他のシリーズとクロスオーヴァしていくから「Xシリーズ」と名づけられたのかな、とか思ったりもします。西之園萌絵嬢の落ち着きぶりを見ると、S&MシリーズやVシリーズから幾星霜、ずいぶん長い月日が経ったのだなぁと万感の想いです。とはいえ、「Φ」文庫版で西尾維新が書いてるとおり(っていうか森先生自身が公言してるとおり)、どの順番で読んでも問題はないはずなのですよね。これを初見として、あとからS&Mシリーズを読み進めると、また別の感動が湧き上がるはずで。ただ、どっちにしても前提条件として「最終的には全シリーズを読破する」必要があるということで……。最低でもS&Mシリーズ、Vシリーズ、四季四部作、Gシリーズ、Xシリーズ、あと○○……30冊以上は読まないといけないという、考えてみるとあのね商法以上の戦略です。
まあまあそれはそれとして、今シリーズのメインキャラで言うと、真鍋くんがやけに楽しい。大学の友人の相談に乗るその姿、チアキさま並に素敵探偵。あぁもう、君をぜひ加部谷恵美に逢わせたい。っていうか、今回の話なら、加部谷恵美が出てきてもおかしくはないくらいですが。
八神健「どきどき魔女神判!」1(秋田書店チャンピオンREDコミックス)感想
やがみけんさまのいうとおり!
なんか一部で話題になったらしい同名の携帯ゲームをコミカライズということですが……。この人は毎回、予想もつかないことをしてきますね。「ふたばの教室」も、もっと続けていたら「こどものじかん」に匹敵する作品になったかもしれないと思うと残念です。
まあまあそれはそれとして。えろいのを描いても健全に見えてしまうのが八神健なのですが、今回はそれ以上にパロディに走るという芸当を見せてくれました。「まじかるドミ子」なんて生易しいレベルじゃありません、擬音までつけてそのまんま。あらゆる意味で八神健史上最高に危険な作品になってる気がしつつ、末永く続いてくれることを願います。
2008年01月22日(火)
「ヤッターマン」第2話 ナニワのたこ焼王決定だコロン!(中京テレビ)感想
評価: 9点[前回比: +1](累計: 17/20 平均 8.5)
オーサカキングって、よみうりテレビじゃなくてMBSじゃなかったっけ?
やっぱり面白いです。おやくそくというものの持つ圧倒的な力。良質の漫才のように観てて安心できます。であればこそ、やたら長いアバンとか、変なとこでCMが入る変則的な構成も、出来れば見直してほしいところ。いま開始何分だから、あと何分でこういう展開になって……というのを先読みできるのが理想的だと思うのですよね(朝の番組だったら、時刻テロップを見ながらそれが可能なのですが)。あと、ちょっと油断すると、アイちゃん@伊藤静がひなちゃんに聞こえてしまったりもしますが、これは問題なしの方向で。
2008年01月24日(木)
「みなみけ〜おかわり〜」1杯目 温泉、いただきます(AT-X)感想
評価: 10点[前回比: 実質±0](累計: 10/10 平均 10.0)
ねこアニメとは、不意打ちにも程がある。
笑いすぎて死ぬかと思った……。本音を言うと不安が大きかったスタッフ交代ですが、見事に裏切ってくれました。いい意味で。それこそ「ま!?」を観てるかのような、どこから飛んでくるか判らない剛速球、ただし遠投ストライク! みたいな。このスタッフが本気でギャグアニメを作ると、こういうことになるわけですか。それに考えてみれば、このシリーズ構成なら、もしかしたら長谷川勝己が脚本を書いてくれるんじゃないかという期待もできますし。
第一期「みなみけ」から季節は連続して1月。しかし、雰囲気がすべてそのままかというと、かなり違う印象を受けます。突き抜けた陽性の笑いをお茶の間に提供した第一期に対して、こちらはどちらかというとダークサイドでの面白さを展開しているように見えます。基本のエピソードは原作準拠でも、見せ方が粘着的というか、テレ東らしからぬ深夜アニメ的というか。第1話のオチだけ見れば「SHUFFLE!」よりよっぽど鬱々ワールド全開です。私の内田ちゃんにあんな仕打ちをするなんてっ! そうしてみると、この放映順は正しかったのかなという気にもなります。先にこっちを見せられても、観てる方のテンションがついていかなかった可能性がありますから。やはり大月プロデューサ恐るべし。
ということで思わぬ出足好調。この先、保坂先輩がどれだけ気持ち悪く描かれるだろうとか、マコちゃんや内田ちゃんの魅力がどこまで引き出されるだろうかとか、期待が高まります。
2008年01月25日(金)
小池滋「余はいかにして鉄道愛好者となりしか」(ウェッジ文庫)感想
鉄の本としては、かなり珍しい部類の本じゃないでしょうか。著者の専門はイギリス文学の研究ということで、イギリスをはじめとした海外の鉄道と日本の鉄道との対比、専門用語の英訳解説などが多くの比重を占め、興味深かったです。意外に、海外の鉄道を取り上げた本って少ない気がするのです。まあ、海外に目を向ける暇もないほど、日本の鉄道が魅力的だということなんでしょう、きっと。鉄道で海を越えるのは難しい。あじあ号が環大東亜特別急行となれなかった以上、それは必然なのかもしれません。
「鉄道は文化財である」というのに文句はないですが、それ以上の著者の主張には正直あまり共感できません。廃線後の鉄道車両を動態保存したいというのは判りますが、そうしたところで、既に普通の利用者はいないわけで……。そう思うのは、やはり私が鉄ではないからでしょうか。車両自体よりも、鉄道路線、さらに言えば、毎日定刻通りに列車を運行させるシステムそのもののほうが惹かれるところがあるかも、と自己分析。
まあまあそれはそれとして。この本でいちばん受けたのは以下のくだり。たばこをやめることを「電化する」と言うのだ
そうで。……本当にこれ、鉄の人の間では有名なのでしょうか?
2008年01月27日(日)
高野うい「あにけん」1(一迅社4コマKINGSぱれっとコミックス)感想
ちびキャラい表紙につられて買ったら、とんでもない陥穽が仕掛けられていました。八神さんのアレに続いて引き当ててしまうとは……。まあ、あれです、こんなかわいいこが女の子のはずないじゃないですかっ、みたいな。まあ全然問題ありません。偽装問題が次々と明るみに出る昨今、唯一許されるのが、おとこのこ×おんなのこの偽装だといっても過言ではないでしょう。それは数奇にして至高のファンタジィ。好きにしてゴー。
それも含め、いい意味で煮詰まった萌え4コマ。アニメ研究部が舞台だったり、それっぽいネタがいろいろ出てきたりと、よくある設定ではあるのですが、その描写が妙に心地良い。ゆるゆる〜っとみてみてという表現は、まさにこういうものにふさわしい。ちょっと「WORKING!!」を思い出すのは、作者がともに北海道の方ということもあるのでしょうか(そんな乱暴な論理があるか)。次巻もよしなに。
2008年01月28日(月)
「スカイガールズ」全26話 (AT-X)総評
立てたフラグをきっちり回収する手腕には感服奉りました。
無事に終わりました通称スカイズ(誰も呼んでませんよ?)。このゆるいエピローグが、まさに作品を象徴している感じです。ワームという人類の敵との戦いとか、マジメな話をしたいように見せかけて、そこかしこに漂うバカっぽさ。岩崎良明監督とコナミアニメのノリが、今回はいい感じに作用したのではないかと思います。
スカイガールズと銘打つだけあって、女性キャラの描き方がみんな実に魅力的であったのが印象深いです。これぞ、おんなのこ日和。前半は瑛花さん、中盤はエリーゼちゃんのおかげで人類は救われたといってもいいでしょう。毎回毎回、どっかのハムスター並の執念で提供背景を勝ち取る七恵さんも、めがねっこ素敵でした。
総点は79点。混沌の2007年アニメの中でいえば、突出してはいないんですが、地味に毎週楽しみな作品でした(地味って言うなぁ)。終盤もそれほど鬱な話にならなかったのも僥倖。とりあえず、今からもう一度OVA版を観てみようと思うくらいにはお気に入り。

「スカイガールズOVA」(AT-X)リバイバル感想
この時点で既に三組のフラグが立っている……。
ということで改めて見直してみたわけなのですよ。やはり、ゆるゆるに見えて緻密に作られているものですなぁ。まあ今観ても、ワームとの闘いで男性の戦闘要員が激減……とかいう冒頭のくだりは、この状況設定の言い訳にしか聞こえなかったりしますが。
そんなふうに世界観は同じながら、わずかに設定のずれたパラレルワールド。同じコナミアニメ、熊坂省吾原案ということで、ちょうど「おとぎ銃士赤ずきん」のTVシリーズとOVA版と似たような関係。既に太平洋遠征中のスカイガールズですが、エリーゼちゃんが出てこないという最大の違いがあります。瑛花さんはちょっとマイルドになってるような。このOVA版に価値を感じるかどうかは観る人次第ですが、とりあえず私は、それなりに幸せな気分になれました。
2008年01月29日(火)
夏寿司「トリック・ソルヴァーズ 哀しみの校歌」(トクマ・ノベルズEdge)感想
なんか、メフィスト賞ヒトケタって感じ。
「いろんな意味で、早くも話題騒然」だとか……。どこで? というのはおいといて。なんか、キャラの登場の仕方とか会話がやたらにえろげ文体的だったり(知りませんけど)、本格ミステリをやりたいにしては記述が不用意だったり、読んでるうちは気になったのですが、全部わざとだったのかな、とも思えるオチ。とりあえず、「見立て」の意味をそこに求めるという趣向は感心。でも、だったらミスディレクションとして、別の意味があるのでは? と探偵役なり助手なりが言い出して、もっと盛り上げたほうが面白いのに、と私なら思います。その場合は500ページコースになるので、それこそ講談社ノベルス行きですが。
それにしても、相変わらず人気だなぁ、十回ノックする……。
森博嗣「もえない」(角川書店)感想
僕は、その言葉を発音できるほど大人になっていたのだ。(淵田)
萌え出づる鍵的世界。
圧倒的な幻惑と浮遊。オビには「森ミステリィの異領域」なんて書かれてますけど、どうでしょう、これもある面ではど真ん中の直球ではないかと思います。物語を牽引する一要素である「プレートの謎」に解答(というか解釈)が与えられ、そして珍しくもタイトルの真意まで明かされる最終章。そのテーマは森作品ではおなじみのもので、なんで思い至らなかったのかと不思議なくらい。
封印された記憶をめぐる物語がときとして哀しみを伴うのは、本当は忘れたい、なかったことにしたい過去が明かされるから。雪が降り積もるように、埃が堆積するように、長い時間をかけて人格は作られる。やがて、元の形が判らなくなるくらいに。その外枠は、さながら「ベールのようなもの」。その覆いをはがして、元々の形をたしかめる行為が、すなわち「unveil」、解明するということ。それが本格ミステリにおけるカタルシスの源泉ともなる一方で、切なさ(刹那さ)をも生む。ノスタルジィともまた違う、見事な少年小説でした。そして存分に萌えました。
「ご愁傷さま二ノ宮くん」全12話 (BS朝日)総評しようよ
先生と二宮くんのほうがご愁傷さまでした。
昔のあにたま枠ならともかく、さすがにこれにセカンドシーズンはなさそうなので、超法規的措置(観なかったことにしよう〜)は発動できず、総評を書かざるを得ないわけですが。う〜ん。う〜〜ん。原作はいざ知らず、一クール(未満)のアニメとして、こんなマジメな話を主軸に据えたのは本当に良かったのかどうか。それよりも、もっと壮絶にバカっぽいノリで突き進んでいってほしかった、というのが極めて個人的な願望。第一話から、幼い頃の思い出とか別にいいから、という視聴態度が悪いと言われればそれまでですが。月村さんも、ちっちゃいころはちっちゃかったんだねぇ、という感想しか持てなかった私を誰か叱って。
総点は63点。せめてアバンの小ネタとOP/EDが最後まであれば、69点にはなったのに(あんた最悪だ)。









