パズル完成。
終盤はいろんな意味で大変なことになっていましたけど、なんとか最後までたどり着きました。振り返ってみれば、最初から最後まで完璧なジュブナイル。や、ジュブナイルというものがどういうものなのかよく判りませんけど。ただ確かに言えることは、これは少年少女のための物語、大人がいつの間にか忘れてきてしまった、扉の向こうの物語。ビルドゥングスロマンと言い換えてもいいかと思いますが、まさにその類のおはなし。
イサコが見た、大好きなおにいちゃんと一緒に、永遠に成長しない世界で暮らすという甘美な夢。しかしたとえ物語の中であろうと、否、物語の中であるからこそ、その誘惑は最後には断ち切らなければいけない。必要なのは痛みに立ち向かう強い覚悟。なんだか、「ひぐらしのなく頃に」にもきわめて近いテーマ性が感じられます(猫目がアレだという表面的な意味だけでなく)。まあ、ひぐらしの話はあっちの最終回後にちゃんと書きますが。
痛みの方向へ走る、ふたりのユウコ。胸の痛みを知ることで、少女は初めて大人への階段を上りはじめることができる。鳥居の並ぶ階段の途中、ヤサコとイサコが知った大切なこと。彼女たちの性別を考えれば、この「胸の痛み」というのは、ある現実的な比喩であろうことがうかがい知れます。それもまた、こどもたちの成長を肯定的に描こうとする意思の表れでしょうか。磯光雄監督も関わった「新世紀エヴァンゲリオン」が、(それが成功したかどうかはともかく)主に少年の魂の補完を目指したものだったとすれば、これは少女たちの補完計画だったのかもしれません。ダイチくんがいじられ役になるのもむべなるかな。
物語の「見せ方」という点で言えば、現実の中に、電脳空間というもうひとつのレイヤを重ね合わせて、二つの世界を描くその手法。古くて新しいユーザエクスペリエンスには毎回圧倒されました。ホラーだったりハードSFだったり、最後にはちょっとミステリだったり(よく考えれば「コイル電脳探偵局」だから当然か)。とか何とか考えてしまうのは、自分が悪い意味で大人だから。こういうものをジャンル分けを気にせず見られる、今のこどもたちは幸せです。NHK教育最高。
総点は90点。
