ゆるゆる〜っと……じゃないなこれは。
小学五年生の舞田ひとみは父親と二人暮らし。刑事をやってる叔父さんがひんぱんに家を訪れてはゲームの相手をしてくれる。そんな彼女の何気ない一言が、思わぬ捜査のヒントになって……。歌野さん自身がまえがきで「ゆるミス」だの「やわらか本格」だのと銘打ってるから、どんなまいだけ (maida-ke) が見られるかと思ったら。やっぱりこの人の言葉を信じちゃいけませんね。黒い夢の扉開きすぎです。そこはかとなく現代的で、それでも完璧な本格ミステリで、もはや後味がいいんだか悪いんだか判りません。
なんて、そんなことはぶっちゃけどうでもいいんです。とにかくもう、ひーちゃんがこの上なく魅力的に描かれている、それだけで洛陽の紙価を高らしむるに足る作品であると言えましょう(原油高だのう)。現代っ子ぽいんだか時代がかってるんだか判らんしゃべりかたも、あぁ、おばあちゃんっこでテレビっこだったんだなぁというのが行間から想像できます。そして、それがちゃんと伏線になっているという……。この作品はこの作品で大いに楽しませていただきましたので、真のゆるゆるミステリはまた別の機会に書いていただきたいところです。幸い、ふたごが主役のミステリは題材に事欠きませんし。や〜わらか本格の心はひとつ、生き延びたい 生き延びたい(お、クローズドサークル)。