評価: 10点[前回比: ±0](累計: 58/60 平均 9.7)
DVDの初回特典がランドセルなのも納得至極。
もはや、今回のために、レイジ役に杉田智和を配したといって間違いないでしょう。物語の根底に流れる、黒い部分を凝縮して煎じ詰めたような回。大地丙太郎作品にも匹敵するものすごい話。現代アニメの最先端がここにあると認めましょう。新しすぎて、まだ今の時代では正しい評価がされにくいのかもしれません。だいじょうぶ、見てる人はちゃんと見てる。10年後くらいに、ふつうにキッズステーションとかで再放送されるのが目に浮かびます。10年か……来年の新入学に備えてランドセルを買ってる子が高校生になる頃……。長いな。
「はやくおとなになりたいな」というのは、多くのこどもが思うところでしょうけど、レイジの場合はそれがとりわけ切実なもので。変えようのない現実と、取り返しのつかない時間。それを経て、りんに希望を見いだしている今。しかし、彼がりんを通して見ているものは、彼女自身の未来なのか、あるいは、彼女の母親という過去の幻影なのか。カットインされる現在時制のシーンで、りんの服や母親の遺影といった、無生物にだけ色彩があるという演出からしても、後者である可能性が非常に高い。ある意味、レイジのじかんはあの日以来、止まったままだと言うこともできるかもしれません。
ある種のミステリならば、あるいはそれこそ美少女ゲーム原作ならば、この物語がレイジ視点で描かれることもありえたでしょう。それでも、この物語が「こどものじかん」である以上、彼は既に脇役でしかない。であればこそ、今回の話は、主人公であるりんの視点に立って見ることも可能。そうしてみると、それがそのまま、これまで青木先生を惑わしてきた彼女の言動に対する解答になっている。そして、彼女もまた「はやくおとなになりたい」という想いをどこかしら抱えて日々を送っている。しかし、時間を「スキップ!」することは叶わぬ夢(「もえたん」ではなく北村薫です<じゃあ何故感嘆符がついてる?)。ここから、りんが、そして青木先生が、どのような道を選びとるのか。二学期も期待してます。ふたたび黒ちゃんとみみちゃんの元気な姿が見られるのと一緒に。