2007年10月28日(日)

「スケッチブック〜full color's〜」Page.04 三人だけのスケッチ大会(AT-X)感想

評価: 10点[前回比: +1](累計: 38/40 平均 9.5)

 いやいやいや〜、いやいや〜。さながらプリンセスレインとファイン。

 これは すごい 佐藤順一絵コンテ。曇天の下、空と栗ちゃん先輩、そして春日野先生の三人だけの写生会。もう栗ちゃん先輩の一言一言を聴いているだけで幸せな気分になってくるのですが、虫愛づる先輩の魅力が遺憾なく発揮された話でした。
 無論それだけではなく、空の「先輩に見えているものと、私に見えているもの、同じものを見てても、見えるものは違う」という台詞が、この作品にとって実に象徴的。もはや、私が原作で見えていた「スケッチブック」の景色とはまるで別物なのですが、このスタッフには、こういうふうに見えているということなのでしょう。このダイナミズムこそアニメの醍醐味。
 山の上にいる二人と、下界で日常を送る他の美術部員たち。同じ空を介在させて、シーンが切り替わる演出が実に素晴らしい。そして、雲の切れ間から次第に光が差していくという、アニメ技法の最先端に挑戦したような名シーンに続いて、空に架かる虹。「蟲師」を引くまでもなく、虹もまた虫偏の漢字なのが感慨深い。同じ空の下にいても、霧や虹に気づかなかった人もいたかもしれず、麻生さんたちが想ったように、山の上での体験はまた特別なもの。そこにあるのに、ふだん気づかないものに目を向け、鮮やかに描き出す。手法は変わっても、それは変わらない「スケッチブック」の真髄。

2007年10月28日 14:35 [スケッチブック]