2007年10月02日(火)
霧舎巧「新本格もどき」(光文社カッパ・ノベルス)感想
「よろしかったですか?」なら名古屋弁ですよ。
まあ「どすこい。」レベルを期待しなければ、悪くないんじゃないでしょうか。「もどき」ですから。カニカマ以上、人造バター未満。前からこの作家の本は、本筋以外の部分でテンションが下がることが多いのですが、あまりにしょーもないダジャレにこだわり続けるのを見てると、だんだん許せる気がしてきました(それは本格ではなく幻覚です)。しかも、あとがきを読む限り、本人は面白いと思って書いているらしい……。素晴らしいですね、いい意味で。
それにしても、オビの倉知淳さんのコメントが意味不明で和みます。私としては、この方の新刊をこそ読みたいのですが。
2007年10月03日(水)
「アイドルマスター XENOGLOSSIA」全26話 (中京テレビ)総評
うーんと……とりあえず名瀬さんに幸あれ(何故)。
そんな感じでペンギン村からおはこんばんやよやよ。やはりこの着ぐるみ芸人の力は大きいですね。好きだった初代OPの、十六夜寮でドタバタやってる感じが一瞬で蘇ってきました。それは、主題であるはずの「大きな物語」を否定することにもなりかねない日常回帰ですが、まあ、もともと大きな物語なんてやるつもりはなかったような気もするので、別にいいのではないかと。ラブでコメなお話の、対象を人間のオトコノコからロボットに移し替えただけで。
といいつつ、後半の花田十輝らしい鬱々わーるどもこれはこれで。第20話では、このための双海真美@斎藤桃子というキャスティングだったのかと感心もしたり、続く第21話は渡邊哲哉のマニアックなレイアウトに目を奪われたり、そして第22話の「バカリボンがリボンしなかったらただのバカでしょ」という、アニメ史に残る名言を残してくれた伊織ちゃん@田村ゆかりさまに一生ついていきます。ねぶらは宇宙一幸せなiDOL。
作品の全体的な印象としては、エンターテインメントに軸足を置いた「新世紀エヴァンゲリオン」という感じ。単純な好みの問題もありますが、「天元突破グレンラガン」よりも、むしろこっちのほうがエヴァの系譜を受け継いでいるといっていい気もします。このユーザエクスペリエンスの気持ち良さは、今期のTVアニメの中でもトップクラスでした(ある意味直系の「電脳コイル」は別格として)。まあ、精神世界を描かないエヴァは既にエヴァではないのですが。っていうかサンライズアニメはほとんど見てないので、もっと別の影響関係があって、たまたま似てるだけだったらご容赦。っていうかリゼンブル?(それはGONZOだ)
総点は82点。

そして忘れてはいけないのは、名古屋飛ばしの危機を救い、連続放映というドロップスを降り注いでくれた中京テレビ。感謝。
「かみちゃまかりん」全26話(BSジャパン)総評だしー
哀愁メガネッコに幸あれ(哀愁メガネッコではない、烏丸キリオだ!)。
……その言葉だけでいいんじゃないですかね? と半分本気で思ったりするのですが。ずっと感想書かずに見守っていたのですが、とにかく、このメガネッコが引っ張るギャグパートだけを見れば最強でした。アスパラさんですら途中であきらめてしまったというのに、二クール通してツッコミを続けたキリオちゃん@浅沼晋太郎には頭が下がる思いです。キョンくんみたいに来世での活躍も期待してます(来世言うな)。
作品的には、いろいろ惜しいなぁと思うところがあるのですけど(ういういとかういういとかきみきみとか)。まあ、宮崎羽衣キャラがもったいない使われ方をされるのはいつものこと(なんてことを)。いや、マジメな話、ミステリ的な骨格はけっこう好みだっただけに、ちょっとした作り込みの甘さや、ラストの処理の中途半端さが気になってしまったのが残念。
この作品も、1stEDの歌(アネモネ@中原麻衣)がすごく好きだったので、二クール使ってほしいと思っていたのですが、2ndは逆に映像のちびキャラさが素晴らしかったので、それは許すとしましょう。
総点は76点だしー。

「天元突破グレンラガン」全27話 (BSジャパン)総評
ダリーに幸あれ。
二クールとは思えんくらい時間の進みの早い作品でした……。エピローグはもはや狙っているとしか思えないのですが(EDのキャスト表ネタばれが悔やまれるところ)。グレンラガンの合体もどんどんスケールが大きくなっていって、はっきり言って趣味ではないのですが(はっきり言うな)、そういうテーマの作品だからと割り切るより仕方ないのでしょうね。最後の敵となったアンチスパイラルの論理を打ち破る筋道も、うまいことごまかしてるというか、それこそトルクに任せて強引に風穴を開けているというか。個人的には「成長しない、進化する」という選択肢も……ごめんなさいもういいです。
そんな中で、ニア@福井裕佳梨というキャスティングを考えた人は宇宙的天才。毎回のメモを見返してみると、第12話あたりでショートカットになった頃は、その破壊力に死にそうになってる自分がいました。なにもかも懐かしい……。最終的にはヤマコ先生もといヨーコさんに宇宙のルール教えられたのがいい思い出です。次はヨーコさん主役の学園グレンラガンをやってください。
総点は71点。

「もっけ」第1話 ミコシ(メ〜テレ)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
みずきみずきよばれて、水樹奈々さんはアフレコやりにくくないんでしょうかと余計な心配をしてみたり。
原作既読であるおかげで、この第1話がわりとアニメオリジナルっぽい話だというのが判るのですが、それによって、アニメ版「もっけ」が何を目指しているのかが明確になった気がします。ここにあるのは、静流と瑞生という姉妹の成長物語。この1話を観ただけで、姉妹の置かれた状況、現在の立ち位置が明確に判る。純粋に自分の想いを貫こうとする瑞生と、瑞生を守ろうとする静流。原作でも、いろんな話の中でくり返し立ち現れてくるテーマ。それを、まず最初に基本形として提示することで、物語のスタートラインをしっかり線引きしていると評価できます。
原作はいわゆる時系列くるくるシャッフル方式を採用していて、それがまた各話の完成度を高めているとも思うのですが、厳密に話数の限られたアニメという媒体なら、ちゃんと時系列に沿った再構成をしてくるのではないかとも予想されます。そうしてふたりの心の成長が描かれていくのなら、なかなか面白いものが見られそう。アニメに出来そうだったり、明らかに無理っぽかったり、いろんな話がありますが、それに加え、どうシリーズとしての盛り上がりをつけていくのか……(そもそも、つける必要があるのか)。それは観てのお楽しみということにしましょう。おばあちゃんの話は絶対にありそうですが。
さて、あとは声優話。とりあえず、静流@また川澄か! ……まあ好きか嫌いかで言えば大好きなんですが。そして冒頭に書いたとおり、瑞生ちゃん@水樹奈々。これはとても良い水樹奈々さんですね。ポリフォニカに引き続き、平野綾さんにも近い系の役どころで素敵。ということで是非、小学生時代の話を中心に構成してください。最後に、個人的にはお爺ちゃんが青野武さんじゃなくて残念なのですが、果たしてどんなキャラとして描かれていくのか。いろいろ期待しています。
2007年10月04日(木)
「SHUFFLE!」第2話 会いたくて(AT-X)感想
評価: 8点[前回比: ±0](累計: 16/20 平均 8.0)
あ、Soul Link。
なんか、観てるとすごく幸せな気分になってきますね。視聴者が感じるであろうりんちゃんへの嫉妬を、すべて親衛隊の皆様に吸収させることで、虚心坦懐に観られるという巧妙な仕組み。今さらながらに、楓ちゃん@後藤邑子さまが幼なじみな世界というものの貴重さを感じさせられます。
今回登場はプリムラ@ひと美。何故か、母親の仇がどうのと言い出しそうな気がしてなりませんでしたが(ん、言いたいことは判る)。ひと美さんのこの手のキャラって、以前AT-Xで放映されたOVA「_summer」で好きになったので期待です(だったら、こんにゃく観れば良かったのでは?)。果たして彼女に対してどういう「夢の続き」が描かれるか。あと亜麻さんが妙に好きな声だと思ったらYURIAだったのか。
「スケッチブック〜full color's〜」Page.01 スケッチブックの少女(AT-X)感想
評価: 10点[前回比: -](累計: 10/10 平均 10.0)
なんと完璧なねこアニメ……。
原作既読。っていうか毎巻感想書いてるとおり大ファンなのですが。久米田作品を新房昭之 with シャフトでやるのが正解だったように、この作品をアニメ化できるのはハルフィルムメーカーしかない、ない、ない! てなわけで。もはやこのスタッフには全幅の信頼を置いているので、何も心配していませんでしたが、その期待をも上回るものを見せてくれましたよ。まさに総天然色 The Animation。原作の雰囲気をアニメで再現できないなら、アニメだけの世界を作ればいいじゃない、みたいな。枠組みの違いを活かして、4コマにはない世界の広がりを見せてくれました。もちろん原作と同じくらい、あるいはそれ以上に笑わせてもらいましたが。岡田麿里さんの すごい 脚本。
もうね、何が すごい かって、導入部分で既にこのアニメ化が成功だと確信してしまえること。お話をはじめるにあたって、ふつーなら原作第一話の、梶原空の入部をそのまま25分のアニメにしたくなるところ。それをせずにオリジナルストーリィを展開するというのが、とりもなおさず作品のビジョン、何を核に物語を紡いでいくかというのが明確である証拠。それはやはり、ねこしかないのであります。そして、気まぐれで集まりが悪いのです(それは制作会社が違う)。
ところで、今回のアニメ化で、ある意味いちばん興味があった栗原渚@田村ゆかりさまですが……。どうでしょう、これ(訊かれても)。まあきっと、3週間くらい聞けば、もともと想像してた声を忘れてしまうくらい完全に染められてしまうことでしょうが(えー)。
それは、今までもこれからも、ずっとそこにある日常。その一瞬を毎回どう切り取っていくのか、スケッチブックの一枚絵に載せていくのか、楽しみにしています。
2007年10月05日(金)
西尾維新「刀語」 第十話 誠刀・銓 (講談社BOX)感想
評価: 9点[前回比: -1](累計: 92/100 平均 9.2)
大満足です、否定姫さまっ。
相変わらず、作者だからって好き勝手に書いてますな。作者だから当然か。もう来年は否定姫さまを主役にした「刀不語(カタナカタラズ)」でも書いていただくしか。
それはともかく今回は、世界の中心で愛をさけばない穴掘りとがめさん。終盤になるとカヲルくんみたいな奴を出さずにはいられないというのは、もはや我々の年代の呪縛のようなものでしょうか。いろんな陰謀と思惑と伏線とが絡み合って、いい感じに物語がまとまるような気がしてきました。
っていうか、第一話でいきなり大オチをネタばれしといて、ここにきてまたそれをさらっと書いてきたり、第四話のあの趣向がこういう形で活かされたり……例によって、小憎らしいほど小賢しいですね、西尾維新という作家は! まあ、大きいよりは小さいほうがいいので許せますが……(何の話だ)。
「ドージンワーク」全12刷 (AT-X)総評
きみきみさんと桃子さんに幸あれ。
どう考えてもドージンワクワクのほうが大団円。よもや、こっちのほうが本編だったなどとは思いませんでした……。ソーラちゃんのコスプレと、岸尾だいすけの奇妙な味を除けば、わりと予定調和の面白さを生み出していたアニメパート。それに対し、Bパートは予想のつかないWボケが繰り出されるカオス時空。いまだかつて、こんな形でアニメに巻き込まれる原作者がいたでしょうか。
まあ画期的といえば画期的というか、むしろ反則なんですけど。っていうか販促か……。とら通販の売り上げも、基本的にお二人の元に入るのでしょうか? 店舗で売ってくれたら買うのに。
総点は総合評価で77点。こんなことなら、最初から別々に評点をカウントしていけば良かったかも。

「灼眼のシャナII」第1話 再びの刻(CBC)感想
評価: 9点[前回比: 実質+1](累計: 75/100 平均 7.5)
夢の扉を開いてくれた悠二くんにありがとう。
あんまり前シリーズのこと憶えてなくて、ぶっちゃけもういいかなとも思ってたのですよ。今回はもはや田村ゆかりさまが出てくることもないだろうしなぁ……というのが本心だったりして。そう思ってたらこれですよ奥さん。いや、えいえんってあるんですね。くり返される運命の歯車も、こんなものなら大歓迎ですとも。途中でもっと大きな存在の力で放送中止にならないことを祈るのみです。
まあ、今のは全部冗談として。実際けっこう間が空いて、そのまま続きをやられても混乱するばかり、こういう趣向はけっこう面白いと思いますです。むしろ「ななついろ★ドロップス」が頭をよぎって仕方ないのですが(同じいとうのいぢキャラ原案だし)、そんなだだあま恋愛模様を楽しむのもいいんじゃないでしょうか。なんだかんだ言って、こんなくぎみ〜☆大好きですし。吉田さん@川澄綾子も、やり過ぎない程度にふぁいとっ、だよっ。
2007年10月06日(土)
「ハヤテのごとく!」第24話 モテすぎて困る苦労はしたこと無いなぁ〜(BSジャパン)感想
評価: 10点[前回比: +1](累計: 213/240 平均 8.9)
それじゃまるで、こどもに恋愛感情を持つのが不健全みたいじゃないかっ。
なんて天の声は聞かなかったことにしよう(超法規的措置。なんなら民法を改正します)。加速度的に危険度を増すパロディを目眩ましに、いよいよ「ハヤテのごとく!」が本気を出してきたようです。全国3000万のみゆみゆファンが待ち望んだ新展開。どろり濃厚チェリー味で、青少年の視聴に配慮すべき壁を打ち破るのでしょうか。咲夜さん@植田佳奈とサキさん@中島沙樹も巻き込んで Shitsuji Days。一話まるまる「見せられないよ!」にならないことを祈るばかり。
例によって突発的に登場する尺合わせ……もといCパートですが、お母さんが皆口裕子さんだったことも忘れてはならないポイント。こういうところでお約束を外さないのはさすが川口敬一郎監督。できれば「もえたん」でも踏襲していただきたかった、などとは申しますまい(言うてるで)。とにかく端役キャラのひとりに至るまで、キャラ造形の巧みさが突出しているのがこの作品の最大の特徴。長期シリーズだとついつい視聴意欲が漸減しがちですが、それでも見続けようと思う原動力になります。
「もえたん」第9話 風…流れる(AT-X)感想
評価: 10点[前回比: ±0](累計: 82/90 平均 9.0)
川口敬一郎監督、ホントおんなのこの寝顔好きだなぁ。
すみちゃんがいんくちゃんのために魔法少女てんぺらスミの力を使う……なんて素晴らしい。お約束以上のことはないお話だけれど、それだけでじゅうぶん過ぎるほど。回想シーンの幼いんくちゃんとすみちゃんがかぁいいだけではないのです。そして愛と追憶の”あ〜ん”……まではいかなかったのだけが残念です。
番組の最後には「Canvas2お色気バージョン」。いや、パーフェクトチョイスのCM流されても、e2 by スカパー! では観ることあたわざるのですが……。もえたんもトライネット式にDVD特典映像とかつけてくれたら買うのに。言い訳は用意しておきましょう。
「ひぐらしのなく頃に解」第13(39)話 (東海テレビAT-X)感想
評価: 10点[前回比: +1](累計: 324/390 平均 8.3)
峰打ちを強調するレナちゃんがいいこです。
【FAQ】 よくある質問 | 東海テレビ放送。ふたつめの質問も大概ですが。鷹野さんが新世界の神となったことだし、もう本気で中京テレビに任せたほうがいいんじゃないでしょうか。本当にこの内容を見て、作品のテーマを理解できないようなら、アニメやドラマなんて今後いっさい放送しなければいいと思うのです。
実際、これまで散々やらかしておいて、結末を放送しない方がよっぽど悪影響といえば悪影響でしょうよ。冷笑と諦観、固執と軽蔑。そんな人の暗部に潜む心こそ、くり返される惨劇を生む土壌。その根を絶つにはどうしたらいいかというのが、ここに来てようやく示されたテーマ。っていうか、アニメ前作だけではそういう本質に気づけなかったというのも、それはそれで問題な気もしますが。ともあれ、ここからが本当の始まり、祝福の時は近い。
「GIRLSブラボー first season」第2話 学校で♥ブラボー!(AT-X)感想
評価: 10点[前回比: ±0](累計: 20/20 平均 10.0)
メロンパンといいカレーパンといい……異世界からやってきた女の子は菓子パンが好物という法則でもあるんでしょうか?
ううむ……。なんか、実はものすごく自分の趣味に合う作品なんじゃないかと思えてきましたよ。今回なんか作画までいい感じだし。「ま○○○」とかがダメで(<「ぷぎゅる」に非ず)、これが受け入れられるというのは、自分でもよく判りませんが……。石平信司絵コンテがツボなのかもしれません。バナナとか若干やり過ぎなとこも含め、ちゃんと芸になっていると思うのです。まあミハルちゃんといえばバナナなのは当然ですかね(恥ずかしい台詞禁止!)。ミハルちゃんが学校に行こうとする道中に、「通行止」とか「止まれ」という標識を連打してくるセンスがいいのです。
巻き込まれ主人公の典型のような雪成くんですが、そう思って聞いてると能登麻美子に聞こえる聞こえる(当然か)。なんか得した気分。それにしても桐絵ちゃん@斎藤千和が好きすぎます。私にも社会のルール教えてください。
2007年10月08日(月)
ぢたま某「Kiss × sis」1(KCDX)感想
なんと麗しき姉弟愛。兄と妹じゃなくても素晴らしいものは素晴らしい。
やはりぢたま某は天才。なんだったっけ、「好きだけど好きだから」あたりを読んだときの感動が蘇ってきましたよ。つまりその、「えっちなのはいけないと思います!」という方は注意が必要ですが、レベルの高い人だけ読みましょう。とにかく素晴らしい妄想具合。とりあえず、あこお姉ちゃんだけでもください。
森見登美彦「有頂天家族」(幻冬舎)感想
まさに豪放雷洛。電火放蕩、兄弟姉妹。妹がいなくったってお兄ちゃんは素晴らしい。
小説とはかくあるべし。圧倒的なそれは想像力。例によって京都という舞台を借景に、天狗的・狸的妄想が駆けめぐる。「偽」という概念が物語のあちこちに顔を出すそれはマジック狸アリズム。偽電気ブラン作りに精を出したり、偽叡山電車に化けたり、「偽右衛門」という象徴を追い求めて奔走したり。そんな彼らが、現実の京都に積み上げられた「偽」の京の街に跳梁跋扈する。もう、私が京都で大学生活を送ったのはこの小説を読むためだったといっても過言ではありません(過言だ)。クライマックスの、寺町通を文字通り疾走するところのディテールアップは圧巻の一言。三月書房は健在かなぁ。
ところで先日、著者の登美彦氏がNHKの「トップランナー」に出演されてたのを拝見したのですが、小説は文章でしか考えていないというのにちょっと驚き。まあ、自作の映像化で誰に演じてもらいたいかという質問に答えての発言だったので、人物に限ったことか、あるいは韜晦なのかもしれませんけれど。私は読むときも書くときも映像を思い浮かべないではいられないのですが、世の本読みがみんなそうとは限らないらしいというのは、つい最近認識したこと。それは、小説体験とマンガ・アニメ体験と、どっちが先にあったかの違いなのかなぁ……とも考えたりしてます。どちらにせよ、作者のイメージをも超えて、読者ひとりひとりに固有の読書体験を顕現させる小説こそ「真」の小説。
「桃華月憚」第26話サブタイトル 華(BS朝日)感想
評価: 9点[次回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
次回予告がないのが不思議なくらいの第1話っぷり……。
えと、総評ではないです。第4話くらいまでは観たけど、あまりの意味不明さに放擲。最終話から逆順放映してるという噂を聞きつけて、全話放映されるまで封印、あらためて今回を第1話として観てみました。
まあ、判らないところはありますが、アニメの初回としてみれば通常程度のもの。すくなくとも、これが最終回だと言われるよりは納得できます。普通の作品なら、謎の部分はこれから明かされていくんだろうなーと思えるところ。逆に、放映順に観てたら、今までの話で散りばめられていた謎が今回の中で収束し、納得がいくように巧妙に作られて……いるんでしょうか?
どっちにしろ、「もし逆に観ていたら」ということを想像しつつ進めていくのは変わらないので、正順で観ようが逆順で観ようが楽しみは失われないとは思うのですが、とりあえず逆順視聴のほうが話は理解しやすそうだという淡い期待を抱いていたりします。といいつつ、二クール積んだ後に追っていくのは「絶対少年」以上に長く険しい道になることが予想されます。いくら今期は視聴本数が少ないとはいえ(週20本くらいしかない)。まあでも、まこちゃん@喜多村英梨がやっぱり好きだったり(っていうか原画て)、他作品で本作のCMを聞くたびに笑えてしまったり、ひばりちゃんすずめちゃんつばめちゃんのアキハバラ電脳組に期待が高まったりしてるので、例によってよぉーしガンバるぞーの心意気で。
2007年10月09日(火)
「GIRLSブラボー first season」第3話 クッキングは♥ブラボー!(AT-X)感想
評価: 9点[前回比: -1](累計: 29/30 平均 9.7)
福山兄妹の権力が便利すぎる……。
相変わらず満点を続けてもいいくらいの出来なのですが。サブタイトルから予想される展開の斜め上を行く、それはライバル登場なの。やはり松岡由貴さんは、こういうキャラクタが最高に映えますですの。登校中にばったりぶつかったあなたに運命を感じて、窓から黒服を投入してきた彼女はクラスメイトの妹でした。って世界狭っ。このきみとぼく的視野狭窄がたまりません。
お約束というには妙にねじれて、でも押さえるべきところはしっかり外さない。非の打ち所のない理想的なドタバタラブコメディに思えるのですが……。う〜む、そんなに地上波放映当時と観ている世界が違うのでしょうか?
2007年10月10日(水)
「おねがいマイメロディ〜くるくるシャッフル!〜」第41話 ゴールできたらイイナ!(アニマックス)感想
評価: 10点[前回比: +1](累計: 379/410 平均 9.2)
小暮くん、もうゴールしてもいいよね。
無印から足かけ二年。「レ・ミゼラブル 少女コゼット」はマリウス・ポンメルシーのポン助に匹敵する情けなさを世にしらしむるところとなった小暮くんにも、ついにすぷりんぐはずかむ。あるいはスプリンターはにかむ。神輿に祭り上げられるのと、負け犬地獄に堕ちるのと、さてどっちが幸せでしょう。
もう今回はそれだけです。これ以上は益体もないことしか書けそうにないので(いつものことだ)割愛。割愛って、「愛を割る」なんて恐ろしい字を書きますね。すわタイトルロゴが割れて、中に誰も(だからやめれ)。
ところで、アニマックス番宣の女性ナレータの方は交代されてしまわれたのでしょうか。誰の声か判別できない……。
2007年10月11日(木)
竜騎士07「ひぐらしのなく頃に」第2話 綿流し編 上(講談社BOX)感想
評価: 8点[前回比: ±0](累計: 25/30 平均 8.3)
今にして思えば、綿流し編はすっかりスクールデイズ。ワタは舟となりて川を下る。
それにしても、「さくら」で連想するのがそれか……。圭一くんがそんな人だとは思わなかったかな、かな。<芳乃さんちの魔法少女を連想したあんたにだけは言われたくないっ。だって、いるじゃんそこに、さくらちゃん(人違いなのですよ)。
そんな感じで、極めて特殊なセミっぽさが急速に増している小説版ひぐらしのなく頃に。思わず、著者・西尾維新とか書いてないかと表紙を見返してしまいました。いや、実際には文章力と洗練度が段違いなのですが。完結したらトリビュートでも書いてくれないかなぁ。
しかしこれ、アニメを皆殺し編まで見終わった段階で読んでるおかげで、非常に見通しが良いですね。いい感じにアニメ放映当時のことを忘れてたり、そもそも見覚えのないシーンも多かったりしますが……。この段階では額面通り受け取るしかない各人の言動の「裏」を想像すると恐ろしくなります。っていうか祭具殿のポルターガイストは彼女の仕業だったのでしょうか。
「さよなら絶望先生」第12話 なんたる迷惑である事か!(キッズステーション)感想
評価: 10点[前回比: ±0](累計: 113/120 平均 9.4)
絶望した! 見た目でアニメを判断するTV局に絶望した!(そりゃま、アニメですから)
この作品に限ってはもう、遅れ視聴による社会情勢の変化が、ことごとく作品の面白さを増す結果になるという。ようやく時代が久米田康治に追いついたという感じですかね。いくない意味で。そんな絶望三昧の世の中にさようなら。
総評。これまで数多の武勇伝ぶゆーでんを打ち立ててきた新房新喜劇と久米田作品が奇跡のコラボレーション。もはや原作通り以外のなにものでもない……というかむしろ、下っぱ大活躍からしてもむしろ「かってに改蔵」の栄光の日々が蘇ったというか。この、語源上正しくヤマなしオチなし意味なし感こそが久米田の真骨頂。あまりにもカルトすぎる現代アニメの最終凶器、ただしバールのようなもの、みたいな。こんなものを放映してくれるキッズステーションに希望した! 何とぞ、「こどものじかん」もぜひに。
総点は89点。一クール未満なのが実にもったいない。第二期でも第三期でも、いっそ麻生さんが総理になるまで続けてください。っていうか麻生さんというと今だに「AIとま」を思い出す私でーすー。次こそエンドカードに赤松先生のご招聘を。

来週からは「D.C.II」ですか……。
2007年10月12日(金)
「スケッチブック〜full color's〜」Page.02 いつもの風景(AT-X)感想
評価: 9点[前回比: -1](累計: 19/20 平均 9.5)
「ミケは、何故『いつも』をやめたのだろう」(梶原空)
日常の謎派でもやるのかと思ったら、それどころじゃない。投げかけられた命題が謎のまま残る。これはもはやリドルストーリィですね。あいまい3マイルは遠すぎる。そりゃ猫も知らなかったって奴ですか。
第二話にして、すっかり原作とは違う風景が見えてきてます。もちろん望むところですわ。最終的に、ねこねこアニメねこアニメなのが変わらなければ良いのです。っていうか、ねこだけじゃなくて人間キャラもみんなかわいいなぁ。とくに麻生さん@中世明日香。麻生さんといえば今だに(以下略)。パペット少女で博多弁でツイン・テル子で、なんで貴女が田村ゆかりさまじゃないんだっ! とか思ったり思わなかったり。でもでも、この栗ちゃんのしゃべり方もかなりいいです。わりと想像通りの声なのは空閑さん@斎藤桃子と春日野先生@広橋涼くらいで、あとはみんな私の予想もつかない魅力を引き出されているという感じで、こういう意外性こそ原作既読アニメを観る醍醐味。
意外性といえば、神谷くんが女の子だったとは思いませんでした(あんた、ホントに原作ファンなのぉ〜?@水銀燈)。っていうか実は、栗ちゃんもしばらく男の子か女の子か見分けがつかなかったりして。いや、それくらい本作の女子って、みんな控えめな体型で素晴らしいということなのですよ。これだけ素晴らしい子が女の子なわけないじゃないですかと思ったのですよ。むしろ無害妄想なのですよ。
2007年10月13日(土)
「怪物王女」全24話+番外編 不良王女(BS-i)総評
番外編が本編でした。
スタッフの頭のネジもまきまきしたほうがいいんじゃないかという……。最後まで、ゆるゆるっ。江夏由結に好き勝手書かせるとこうなるということですか。
王族の血を分けた兄妹が闘いあうという、アリスゲーム・アリスロワイヤルにも匹敵する血なまぐさいテーマだったはずなのに。二クールあるうちの半分以上を関係ない話で浪費するという画期的なシリーズ構成。主人公のヒロくんにまで、本来の立場を「ときどき忘れそうになる」なんて自虐ネタを言わせる始末。
もお、第1話で見限らなくて本当に良かったの一言。第一印象は、また川澄か「ひぐらしのなく頃に」や「School Days」よりもよっぽど暗い話だと思ったのですが。おかげで、この○○○じみた世界でも生き残ることが出来ました。それが姫の生きる道、言わば処世術だというのなら、黙ってふふんでありふがふがであると首肯するしかありません。世間的な評判をあまり聞かない作品でしたが、個人的には面白かった! と言っていいでしょう。観てて妙に幸せになれる作品でした。
総点は81点。フランちゃんとさわわ姉さん@皆口裕子さんとマスターに幸あれ。

西尾維新「不気味で素朴な囲われた世界」(講談社ノベルス)感想
「日常で当たり前だって、地獄みたいなものですよねーーそれこそひと昔の映画でもドラマでも、子供の頃のトラウマをテーマにした物語ってはやったじゃないですか」(串中弔士)
「ドラウマ? ものすごくおいしいって意味?」(串中小串)
「そんな方言はありません」(串中弔士)
記念碑的傑作「きみとぼくの壊れた世界」のあと、冗談でタイトルだけ思いついた作品というだけあって、本格と冗句が同居する、アンビバレントな仕上がりになっております。キリンビバレッジではありません(キリンビールなら西澤保彦)。キリンどらうま(だから、そんなご当地ビールはありません)。
本流には前作から発展した「本格ミステリ」を突き詰める主題、そして対岸には「化物語」あたりから歯止めのきかなくなってっきた感のある、戯言を超えた言葉遊びの奔流。相変わらず、この人の作品を読むにつけ、自分がいかに偽物かというのを思い知らされますにゃ〜(アニメキャラのような語尾付け禁止)。例によって開始10ページくらいで面白すぎて、通勤列車内で読むのをあきらめました。こういうときどういう顔すればいいか判らないの(笑えばいいと思うよ)。串中小串の最終試験。嘘つき村の住人・ろり先輩。まあ、あまりお近づきになりたくないキャラですね。←ダウト この序盤を数倍に膨らまして、古野まほろ並の分量で書いてくれればいいのにっ。
昔の人は言いました。木を隠すなら森の中政権。死体を隠すなら瞬間移動死体(だからそれは西澤保彦)。そして、ミステリを隠すならミステリの中。学園青春ミステリと銘打って、虚構の中の現実に隠された謎を鮮やかに描き出す。これぞ囲われた世界。
ところで、今回は作者曰く、前作の探偵役・病院坂黒猫こと、くろね子さんがこっそり出演されてるとのことですが。驚いたなぁ、あとがき読むまで気づかなかったよ!←ダウト …………。次回作「きみとぼくが壊した世界」での登場も期待してます。とりあえず「ツンデレ」という言葉の登場だけは、本シリーズに限らず毎回確定っぽいですが。
2007年10月16日(火)
「魔法少女リリカルなのは」第一話 それは不思議な出会いなの?(キングレコード)リバイバル感想
今期は観るアニメが少ないので、極私的リバイバル企画として、週一くらいのペースで、過去に観た作品をリピート視聴することにします(シリーズ通して観るわけではなく、一話だけとか)。今回は無印なのは第1話。なのストは諸般の事情により、途中でごめんなさいしてしまった私なので、シリーズ全体について語る資格を持ち合わせてはいないのが惜しいところですが。
まあ、今さらやっぱり無印がいいのですと言ってみたところで、時計の針を戻すことは出来ない(後半略)。それは判っておりますよ。黒板ネタを気にすることなく新房作品を観られたあの頃に戻りたいなどと言っても、もはや詮無き夢。田村ゆかりさまな魔法少女を虚心坦懐に観られた往時に思いを馳せても、いてぃずのーゆーすくらいんぐおーう゛ぁすぴるとみるく。っていうか、なのちゃん小学3年生は記憶してたよりずっと田村ゆかり田村ゆかりしててちょっと驚き。
とかいうことはともかく。今観ることで、当時は気づきえなかった作品の本質に触れようというのが今回の趣旨。これもたしかに、紛う事なき新房昭之作品なのだと再認識しました。OP直後のユーノくんの受難のシーンの色遣いだったり、随所に観られる特徴的な構図だったり。とくに、なのちゃんがユーノくんに出逢う直前のシーンが白眉。それまで、アリサちゃんすずかちゃんとの日常を描いてきて、ここで訪れる転換。仲良し3人組を遠景で捉えるカメラワークが、ここから始まる「外」の世界との物語を暗示させているように思います。そして、このあとユーノくんを見つけるまで、アップで映るのは、なのはばかり。アリサちゃんやすずかちゃんがアップになったかと思いきやすぐにフレームアウトしてしまったり、あとで出てくる台詞のように、なのは一人が「見られてる」というのがいかにも暗示的。このあと群像劇ばかり手がける新房監督が、なのはという少女、そして後半ではフェイトという少女、そのふたりだけを主軸とした物語を描いたという意味では、やはり特異点的な作品かもしれません(都築真紀氏の脚本ありきだったとしても)。
あとは、例のうにょうにょ動く食卓シーンですが……。まあ、今観てもよう動いとらっせると言うしか。むしろ、そのあとの病院に向かって駆けるシーンのほうが今後の展開には示唆的。「駆けるなのは」という構図は、今後のシリーズでも何度も出てくると記憶していますが、いつだって全力全開、まっすぐななのはちゃんらしいと思うのです。言いかえれば、「だっしゅ!」ということで(台無しなオチをつけるなよ自分)。
2007年10月18日(木)
「D.C.II〜ダ・カーポII〜」第1話 小さな恋の季節(キッズステーション)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
うたまるさんの血は絶えてしまったのでしょうか……。
アニメ「D.C.」「D.C.S.S.」を高く評価する私ではありますが、月日は白菜の価格高騰と申しまして。正直、今回はそれほど視聴テンションが高くなかったりします。そのぶん冷静な目で、フラットな気持ちで観られるということでしょうが。フラットくんではないですよ。ジュテーム愛の言葉は杉並@岸尾だいすけにでも任せておきましょう。
さてしかし、やはり企みに満ちた第一話。文化祭、そして告白という、最終話にもってきてもいいようなシーンを最初に提示する。終わりは始まり、そしてそれは永遠に続くという、作品のタイトルが規定するそれは枷か。「D.C.S.S.」が、ひとつの愛の詩が終わりを迎えた、その先を描いた物語だったとするならば、今回はまたそれとは違った形で、終わりの向こう側のはじまりを描こうとしてくれることでしょう。まさか、最終話から逆順放映してるとかいうわけでもないでしょうし。咲き誇るのは桃ではなく桜の花。
それにしても。えいえんはきっとあるよ。芳乃さくら嬢@田村ゆかりさま、ご機嫌麗しゅう。枯れない桜よりも、貴女の存在こそがこの初音島を規定する、それは長い鯨幕が支配する奏鳴曲。こういうしゃべりかたをする田村ゆかりほど、素晴らしいものはない……。これぞすなわち、「さくらキミにm」(自意識過剰)。「よしゆきくん」っていうのがまた新鮮なのですよ。前作でも、たまにはそういうよびかたをしてくれればよかったのに。学園長ともあろうお方がツインテールでにゃははなんて……貴女はそれでいいんですっ(そろそろ頭冷やそうか)。
はい。えっと、他のキャラクタについても触れておきましょうか。といいつつ、ここちゃんゆめちゃんおとめちゃんより、水橋かおりな委員長とか、おっきなリボンのちっちゃな雪村杏さんのほうが気になるわけですが。雪村杏@岡嶋妙、妙に懐かしい声質の花咲茜@柳瀬なつみ、そしてここちゃんこと月島小恋@南條愛乃、この3人はけっこう強力かもしれません。まあ、サブキャラが活躍する機会も、そう多くはない気もしますが。そんな機会を逃さず、山本天志演出カードを切ってほしいところ。
ところで、何十年も先の話のはずなのに、ちっとも未来を感じさせない描写なのは意図的なんでしょうかね。天枷研究所のロボット技術が民生用に公開されて、大量生産されててもおかしくないのに(それは次回のお話?)。むしろ、実は前シリーズのほうが未来の話で、今回のほうが時系列的に前の話だという叙述トリックでも仕掛けられてたり……なんてことはないでしょうね。それだったらまるで、くろね(ネタばれ禁止!)……ちょこくろねはどっちから食べる?(そんな食べ物はありません)
ともあれ、枯れない桜を舞台に、幕はみたび開けられる。楽しみに見守りたいところです。
2007年10月20日(土)
古野まほろ「天帝の愛でたまう孤島」(講談社ノベルス)感想
「うげらぼあ!!」(古野まほろ)
麻耶雄嵩ならぬ魔夜峰央推薦って、あなた……。
はふぅ。この作家に出会えたことこそ、今年最大の収穫。過激で歌劇で、人知れず耽溺するそれは探偵劇。本格推理にありがちなカテゴライズ精神を発揮すれば、おそらく竹本ー麻耶ラインにつながる系譜だと思いますが、とにかく情報量が圧倒的。情景を頭に思い描いて読むだけで酩酊します(西澤保彦に非ず←くどい)。ホントに状況が全部映像として浮かんでいれば、少なくとも表面的な真相の喝破は「鴉」なみに容易だとは思うのですが……。あぅ、この手の館もので、当該図面がまともに機能する確率なんて近似値的にゼロだと思ってたのに(おいおい)。大森望のコメントがオビに隠されてるのにも意味があったとは。
それにしても、明らかに量産できそうにない作風なのに、この出版スピード。まあ、この業界、最初の三作だけで以降の出版スパンを推し量ることはできないんですが(黒いこと言うなぁ)。三部作というからには、当該天帝シリーズもこれで一区切りなのでしょうか。すっかり真賀田四季の風格が出てきた彼女をこのまま措くにはもったいないという気もしつつ、次作に秋波を送る次第であります。
「こどものじかん」第1話 なかよしのいっぽ(BIGLOBEストリーム)感想
評価: 10点[前回比: -](累計: 10/10 平均 10.0)
この作品も、ねこアニメだったのか……。
うっかりキーボードを叩く手が滑ってDVD予約済なので(注: ランドセル狙いではない)、わざわざ放送修正版を見なくてもいいんですけどぉ……。制作側も半分自棄になってるような気もしますが、前後の文脈から明らかに類推できる放送修正はギャグ演出として是認できなくもないという肯定的評価を下すに足る状況証拠を収集するという目的に鑑みて(くどい!)。直截に。たかが現実が、アニメの放映を左右しようなどと、おこがましいとは思わんかね?
っていうか、原作の雰囲気から覚悟はしてましたけど、重い。第一話からフィギュア17なみにヘヴィですわ。だからこそ、個人的には、けっして趣味に合致するというわけではないですが。しかし、これをどうハンドリングするかで、菅沼栄治監督と岡田麿里シリーズ構成の手腕が試されるというところでしょうか。わんわん(また放送修正?)
つまるところ視点の問題なのですよ。この第1話では、まず新任の青木先生の視点で、担任を受け持つことになったこどもたちを「了解不能なもの」として描いている。それに対して、りんちゃんをはじめとするこどもたちの立場では、教師という大人を、明確な攻撃対象とするところから物語が始まっている。それら二つの視点のダイナミックなせめぎ合い、すれ違い、重なり合いこそが、この作品の核ではないかと思うわけです。だからこそ、やはり主たる視聴対象は、かつてこどもであった大人たちのような気がします。大人の立場にいる青木先生に多少なりとも共感できないと、作品の本質を理解することは難しいかも。だからといって、視聴年齢制限をかける必要があるとは思えないのですが。だいたい「もえたん」をふつーに放映しといて、これがダメだという理由が判りません。
それはともかく、TVストリームアニメでもやっぱり、りんちゃんくろちゃんみみちゃんがかわいい。象徴的なのは、宇佐、鏡、九重という苗字が並ぶ出席簿(男女混合名簿にも思うところはなきにしもあらずですが)。囲われた世界である学校の中で、出席番号の近さは、そのまま児童同士の距離の近さにつながる。作劇上も三人組という設定は非常に扱いやすくて、もっとも互いの個性が顕著に描かれる、まさに黄金のとらいあんぐる。個人的な好みを言わせてもらうと、くろちゃんがいっとう素晴らしい。真堂圭さんの演技を聞くと、梨花ちゃまと同じく、黒くろちゃんと白くろちゃんがいそうな気がしますが……(わかりにくいな)。みみちゃんの真価が発揮されるのは次回以降ですかね。さいきん「おジャ魔女どれみ」を観ていて、はづきちゃんが白雪さんに見えることはなくなってきたんですけど、こんどはみみちゃんに見えるようになってきたのが悩ましいところ。そして、悩まし番長ならぬ悩ませ番長として今後ますますご多幸をお祈りすべきりんちゃん。最近の喜多村英梨さんのご活躍には目を見張るものがありますね。略称するのも畏れ多いということで、そろそろ喜多村さまとよばせていただきましょうか。
なんだかんだと、いろいろ思うところはありますが、とりあえず、このEDですべて許せてしまえますね。勘違いした常識を越える作品になってくれることを願います。
「しゅごキャラ!」第1話 しゅごキャラ誕生!(AT-X)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
小さくても しゅごい ちびキャラ。
もものたね原作未読。ほとんど予備知識無く観てみましたが、これはかなり好みかも。ちびキャラ分多めでテンポよく進む演出のおかげで、既視感あふれる設定も好印象。あむあむ言われると「絶対少年」を思い出すのが難点ではありますが(難点なの?)。変身シーンが見にくいのは新手のテレ東規制ですか?(そんなの私のキャラじゃないっ) むしろ、あみちゃんの変身シーンを期待(こういうのが私のキャラだと思われると非常に心外です)。
声優陣も全般的に初々しくて、宮崎羽衣さんが出てこないのが不思議なくらいだしー(何のこっちゃ)。とりあえず第一印象はすこぶる良くて、この先どんなキャラを見せてくれるか、楽しみにしてみます。
「ひだまりスケッチ」特別編 8月11日 そして元の位置に戻す/11月27日 そこに愛はあるのか(BS-i)感想
前編 評価: 9点[前回比: 実質±0](累計: 112/130 平均 8.6)
後編 評価: 10点[前回比: +1](累計: 122/140 平均 8.7)
そして元のシャフト。
あぁ、開始早々はまた「絶望した!」と言わされる羽目になるのかと思いましたが、なんかいい感じに収まりました。相変わらず実写とかゴルゴンヒロさんとか、気が散る要素は多々あるのですが。ただ、そういうあれやこれやも、ゆのっちを主役にすることで全部吸収してしまえる。まさに人間ポリマー(ネーミングセンスのかけらもない人ですこと<水橋かおりの声で)。特別編に至ってようやく、本作の正しい見方を理解した私でありました。
ヒロさんの靴箱から発掘されたラブレターという古代遺跡を元に、秋風吹きすさぶ嵐の一日を描いた後編がつとに秀逸。「ひゃぁ〜ん、おねがい、揺らさないでぇ〜」という吉野屋先生@みゆみゆ、「34じゃないのおぉ〜」というヒロさん@後藤邑子の名演も充分に堪能できますし。恋愛話で盛り上がるひだまり荘の面々が実にほほえましい。これで絶対ラブでコメな展開にはならない、という絶対の安心感があるからこそ。なんだかんだ言って、新房監督らしい緻密な作品なのでした。
「ひぐらしのなく頃に解」第15(41)話 祭囃し編 其の弐 蠢き(東海テレビAT-X)感想
評価: 10点[前回比: +1](累計: 343/410 平均 8.4)
ひぐらしの声が告げる、それは最終決戦。
三四ちゃん三四ちゃん。私の中で三四ちゃんの株価が急騰。ベタだけれども、実に素晴らしい。nishis さんには異議を唱えられるかもしれませんが、実に本格だという印象を受けます。妄執の形が綾辻的というか。
およそ探偵小説的な、と形容を受けるものの大半において、その本質はじっさい「犯人」側にある。事件を起こす側の強固な意志、犯罪計画なくしては、いかなる事件も事件たり得ず、よって探偵の出る幕は文字通り上がらない。しかし逆に、たった一度読まれるだけの物語であるが故に、探偵によって謎が解かれなければ幕は下ろされない。それが探偵小説があくまで「小説」であることの束縛。
しかして当該雛見沢事件においては、梨花ちゃまを中心にした「くり返し」の構造を用いることで、その呪縛から解き放っている。ここでは既に探偵ー犯人の構図は存在しない。解かれるべきは謎ではなく、世界の構造。「解」の示すところは解決ではなく解放(専ら精神的な)、あるいは解体(専ら肉体的な)ではないかと愚考します。
ともあれ、三四と羽入、どちらの「約束、だよ……」が勝ち鬨を上げることができるのか。最期まで見届けられることを願って。
2007年10月22日(月)
「ef-a tale of memories.」01. eve(AT-X)感想
評価: 8点[前回比: -](累計: 8/10 平均 8.0)
あ〜も〜気が散るなぁシャフトは〜〜〜!(ライトノベルのような音引き禁止)
minori 原作、ただし大沼心監督・新房昭之監修のシャフト制作みたいな、ということで……。ぱにぽ演出からギャグとちびキャラを希釈して、不条理感を突き詰めるとこうなるということでしょうか。望月智充監督も驚きの難解ホークスです(年いくつだ)。
ホークスといえば福岡ダイエー(それ以外に何が?)。大英図書館といえば読子・リードマン。そりゃ私も読子先生の教えに倣って、いつでも不測の事態に備えて鞄には二、三、四冊の本は常備してますけどね。胸ポケットに本を入れるか麻生くん。そうか、ポケミスですね(誰がうまいこと言えといった!)。そして電車の来ない無人駅で、千尋ちゃんと遭遇。えっと、つまり、非電化の路線だという叙述トリックですか(どんなテツ道ミステリだ)。演出的にも、このふたりの会話が妙に落ち着かないのですよ。四〇九号室の患者ですか!
まだしも落ち着いて見られる、宮ちゃんヒロさんコンビ。ん、みゆみゆ?(空耳です) あと、羽入埴江さんという人が出てきてトリオになるんですね。はにはに(げに懐かしきアニメ魂)。
そんな感じで、まだ海のものとも山のものともつかない段階ですが……。今のところ、 sola のものになったりしそうな気もしつつ、気を確かに視聴続行。
2007年10月23日(火)
「D.C.」サイドエピソード #1〜#13(キングレコード)リバイバル感想
リバイバル企画第二弾は「D.C.II」の放映を記念して、「D.C.」無印から、サイドエピソードをチョイス。いまだに無印というと、謎の声優プロモが話題に挙げられることが多いですが(まだ実写にこだわりのない時に観れて本当に良かった)、何故か対比されるべきサイドエピソードのことを言う人は少ない気がします。まあ、話題にしようにもあまりに意味不明すぎるということもあるでしょうけど。
といいつつ、それ故に、むしろ本編よりも見返したくなる度は高いと個人的には思っていまして。実際、ちょっと前から芳乃さくら嬢の「ふぁんたすてぃ〜っく」をもう一度聴きたいと思っていたのですよ(何か違う要素が加味されているという意見は却下)。今回も当該話数だけにしようと思ったのですが、せっかくなのでシリーズ通して観てしまいました(#6を除く)。もりやまゆうじの特異な感性が横溢する作品世界。いや、その後の「ぱにぽにだっしゅ!」での傍若無人ぶりを思えば、まだおとなしかったほうといえますが。
おぼろげながら見えてくるのは、徹底したくり返しの構図。「初音島」という舞台が最大限に生かされた画面構成により、坂や階段を上る/下りるといった上下の動きが強調される。「不思議さん」こと謎の人型くろねこさんとヒロインたちの邂逅。何かが現れ、消え、また別の何かが現れるというそれは生々流転。
そして、朝倉純一という本編の主人公の姿は一度たりとて出てこないのにもかかわらず、カメラワーク、漁師、不思議さんといった、いわゆる男性視点が拭いがたく存在を主張する。#2では声のみの「兄さん」がプレイヤ視点として導入されてますが、これも朝倉純一という「個」である必然性は極限まで抑えられている。視聴者サービスという商業上の要請はもちろんあったでしょうが、それ以上に、「視点」というものを意識的に物語に織り込もうとする意志が感じられます。
そして、#11では不思議さんの「過去」への遡行が達成される。なんと、この時点で既に、初音島の時間的普遍性が描かれていたのですね(ちなみに、台詞から1970年という年代まで特定される演出になっている)。さくらさん似の娘のCVは桃井はるこさんではありますが。白河さん@桑谷夏子という友人まで登場しているのも注目。燦ちゃんと巻ちゃんですか……初音島は瀬戸内にあるんでしたっけ。
それはともかく、続く#12では、今までのエピソードが映画館の中で上映され、それを不思議さんが観ているというメタ構造が導入。ここまでされては、もはやこっちも「いったい何なのだ……」と呆然としつつ感涙にむせぶほかありません。こうなってくると、#1で「あたま山」を引用してきたのも意図的と考えるべきでしょう。それは入れ子的虚構。何度でもくり返される「D.C.」という物語、そのサイドエピソードは inside であり、また outside でもある。
ねこは時空を超える生き物であり、その出逢いは日常から半歩ずれた世界へと誘う。「ARIA」の先達ともいうべき、素晴らしきねこアニメなのでありました。
2007年10月25日(木)
「みなみけ」第1話 南さんちの三姉妹(AT-X)感想
評価: 10点[前回比: -](累計: 10/10 平均 10.0)
無敵ですチアキさま。
原作既読ですが、いまだに三姉妹以外のキャラの名前と性格が把握できてない私です。ということで、アニメ版も過度に期待せず観てみましたら、思った以上に素晴らしい出来ではないですか。あらこんなところに伏兵が。3.14牛乳はダテじゃないという感じです。
第1話だからか、ムダなところでよく動いたりとか、アニメ的な面白さを引き出す工夫が良い調味料。ぶっちゃけ、原作は背景が白くて、どこで何をやってるか判りづらいので、再構成で非常にスッキリした画面になってます。
タイトルが示すとおり、中核を占める南家三姉妹ですが……とにかくもう、チアキさまこと南千秋@茅原実里ですよ。そうか、この娘はこういう娘だったんだ……。なんかもう、この健全さに涙が出てきますね。まさか、茅原実里なキャラにときめいてしまう日が来ようとは……いや、別にいいんですけどぉ。
正直なところ、ちびキャらいOPを観た瞬間に全肯定してもいい気になってしまったのですよ。今季のベストOP/EDは「こどものじかん」EDで決まりと思っていたのですが、それに比肩しうるといっても過言ではありません。むしろ「今日の5の2」で全面対決してほしかったなどとは申しません。嬉しい誤算で視聴続行。
2007年10月26日(金)
「瀬戸の花嫁」全弐拾六-1話 (AT-X)総評
第26話 評価: 9点[前回比: ±0](累計: 238/250 平均 9.7)
巡ちゃんと委員長(No Megane No Life)と巻ちゃんに幸あれ。
第拾七話が未放映なので、暫定ではありますが。なお、第拾七話の放送修正版(と言っていいのか)は11/17に放映とのこと。
とにかくまあ、最後まで突っ走ってくれたというほかありません。ギャグアニメとして軸がぶれる前に高速運動、みたいな。ルナパパを出オチに使うなんて反則すぎます。
異常な状況下で結ばれた二人も、異常が常態化すれば日常になる。そんな世界が揺さぶりをかけられることによって、今一度愛を確かめ合う。とことんΦなるフォーマットを守り通してくれました。ナイスボウフラ、ナイスフナムシ。個人的には、本作のラスボスは一秒でも顔を見ていたくないタイプの人間(ナマズか)だったのが残念なところでしたが……。伊藤誠よりよっぽど許されざる存在。みんな、そんなに誠くんが嫌いですか?
それはともかく。燦ちゃん@桃井はるこ&留奈ちゃん@野川さくらをはじめ、声優陣の最終兵器が炸裂した岸誠二作品はまさに無敵。お約束満載のハイテンションラブコメディ、いや、それ以上の何か。他人に知られてはいけない秘密をもったヒロインというお約束が、さらに一歩も二歩も踏み越え、エラ呼吸三兄弟のような未知の存在との遭遇を果たす。それをヒトは奇跡とよぶ。
総点は90点(暫定)。評点グラフは第拾七話を視聴後に、あらためて。
2007年10月27日(土)
「CLANNAD」第1回 桜舞い散る坂道で(BS-i)感想
評価: 7点[前回比: -](累計: 7/10 平均 7.0)
時計坂高校演劇部を思い出した自分は我ながらどうかと。
「Kanon」以来の京都アニメーション制作ですね。例によって原作は未プレイ。なんか最近「リトルバスターズ!」がやたら気になってたりするのですが。タイトルに「リトル」がついてる時点で傑作の予感。
まあそれは良くて、くらにゃど。しかしこれは、なんというか……一話から暗っ。「Kanon」「AIR」にも増して、開始早々に暗部が見え隠れしています。加えて、絵コンテがなんか性に合わないというか、妙にシーンの断続性が気になりました。言うなれば、アニメとして軸がぶれている(つくづく便利な言葉だこと)。
といいつつ、そこはそれ、京おにいちゃんのことだから、意図的なものである可能性が高いですが。この世界そのものが、高校演劇的な虚構の上に成り立つものだとしたら、いい意味での稚拙さはむしろ理解できるところ。その場合でも、彼らを待ち受ける舞台は、「ひとひら」のように約束された場所ではないような予感もしますが。
とりあえず、春原芽衣@田村ゆかりさまの出番があることを祈って待ちます。「美鳥の日々」の栞ちゃんくらいはあるよね?(中原つながりか)
「こどものじかん」第2話 にこにこのごほうび(BIGLOBEストリーム)感想
評価: 9点[前回比: -1](累計: 19/20 平均 9.5)
「きこえなーい」というのは自虐ネタですか。
原作の知識を前提にしないと話の筋が判らないというのは、スタンダロンアニメとして致命的な問題だと思うのですが……。こんなに健全なお話なのに、規制のせいで余計に恣意的に見えるじゃないですか。長いアイキャッチだこと。
その一点を除けば、とにかく圧倒される世界。きれいはきたない、きたないはきれい。こどもであっておとなである、おとなでなくてこどもでない、りんちゃんの魅力が凝縮されたお話だったと思います。絵コンテ井出安軌のせいで、ときどき斎藤桃子に聞こえるのは措いといて。世の中にはこどもが好きな人もいるってこれに書いてあるよ(没収)。
「しおんの王」第1話 しおんの道(東海テレビ)感想
評価: 9点[前回比: -](累計: 9/10 平均 9.0)
「ひぐらしのなく頃に解」を打ち切って、こんなものを放映開始する東海テレビがやっぱイチバンミステリィ。
ということで詩音ではなくて紫音。って、また川澄か! と思いきや、しゃべらない川澄とは新機軸。スケッチブックで会話するしおんちゃんがかぁいいです。今にも沙織さんが「お持ち帰りぃ〜」とか言い出しそうでドキドキ。
将棋が題材とのことで、昔「歩武の駒」って将棋マンガがあったなぁ、と思い出したり。「365歩のユウキ」ではなく。ミステリーという点では、(囲碁ですが)竹本健治の牧場智久シリーズみたいな感じを視聴前には予想してましたけど、もっとサスペンス調なのかな? いきなりパクロミで叙述トリックを仕掛けてきたのには驚きましたが。あと、男性キャラの造形の傾向が非常に不快感を伴うものなのが気になります。
ということで(二歩)、第1話としては健気なしおんちゃんの姿に心を打たれつつ、そういう明るい面だけを見られる展開にはなりそうにないのが若干の不安材料。まずは様子見ということで。また打ち切られたらそれまでです(BSフジでも放映するけど)。
「もえたん」全12-1+0.5話 (AT-X)総評
白鳥ありすちゃんに幸あれ。ええ、もちろん人間形態で。
とか何とか言ってみたりして……。これぞザ・ヴェリベスト・オブ・バカアニメ。終わりが近づくにつれ、加速度的に壊れていく世界。ってか、ぽてまよと何の関係が。
この手の好事家として、こういうものを手放しで認めていいのかという葛藤にシリーズ通してさいなまれ続けたわけですが。いんくちゃんとすみちゃんがかわいいから何でもいいや、と思ったり思わなかったり。「小学生じゃないもんっ」な田村ゆかりさまは正義なのです。魔法はそらいろでもいいじゃないですかっ、みたいな(混濁しすぎ)。
何にせよ、最後にとってつけたように井上麻里奈を出してきたことで、とにかくメタにメタに突き抜けるスタイルは守り通したという印象です。魔法少女ものとしては、ラスト2話で主人公たちが普通に変身せずにコスプレするだけという画期的な手法を導入したりしてましたが……。パチモンもここまでやれば、史料的価値ほどのものは見いだせなくもないと言ってもいいかも。
総点は78点。第6話のためにDVDを買うかどうかは微妙なところ。

2007年10月28日(日)
「スケッチブック〜full color's〜」Page.04 三人だけのスケッチ大会(AT-X)感想
評価: 10点[前回比: +1](累計: 38/40 平均 9.5)
いやいやいや〜、いやいや〜。さながらプリンセスレインとファイン。
これは すごい 佐藤順一絵コンテ。曇天の下、空と栗ちゃん先輩、そして春日野先生の三人だけの写生会。もう栗ちゃん先輩の一言一言を聴いているだけで幸せな気分になってくるのですが、虫愛づる先輩の魅力が遺憾なく発揮された話でした。
無論それだけではなく、空の「先輩に見えているものと、私に見えているもの、同じものを見てても、見えるものは違う」という台詞が、この作品にとって実に象徴的。もはや、私が原作で見えていた「スケッチブック」の景色とはまるで別物なのですが、このスタッフには、こういうふうに見えているということなのでしょう。このダイナミズムこそアニメの醍醐味。
山の上にいる二人と、下界で日常を送る他の美術部員たち。同じ空を介在させて、シーンが切り替わる演出が実に素晴らしい。そして、雲の切れ間から次第に光が差していくという、アニメ技法の最先端に挑戦したような名シーンに続いて、空に架かる虹。「蟲師」を引くまでもなく、虹もまた虫偏の漢字なのが感慨深い。同じ空の下にいても、霧や虹に気づかなかった人もいたかもしれず、麻生さんたちが想ったように、山の上での体験はまた特別なもの。そこにあるのに、ふだん気づかないものに目を向け、鮮やかに描き出す。手法は変わっても、それは変わらない「スケッチブック」の真髄。
2007年10月30日(火)
藤岡真「ゲッベルスの贈り物」(創元推理文庫)感想
先日発掘した某書店でオススメされてたので、予備知識なく購入。創元だからまず安心だろうと思ってましたが、水準以上の作品でした。さりげない一文で伏線を張ったりして小憎らしいなぁと思ったら、さらにそれがミスディレクションだったりという、いちばん厄介なタイプのミステリ書きですね、いい意味で! こういう出逢いがあればこそ、リアル書店に足を運ぶかいがあろうというものです。いい作家を見つけてしまいました。
裏表紙に書かれているあらすじと、表題から受ける印象、そしてプロローグとそれに続く本編、それらがみんなバラバラで、とても同じ作品とは思えないちぐはぐさ、それ自体がミステリ。それがひとつところに収斂していくとしたら、いわば端正な本格ミステリだと言えるのですが、またそこから少しひねくれてみたり。いろんな要素をひたすら詰め込んで、自分の読みたい作品を書いてみましたと言い切る潔さが好印象です。いくら何でも、こんなのありかというオチなんですけど、少なくとも私は、これをバカミスとはよびたくないです。べっ、別に、動物が好きってわけじゃないんだからね! みたいな(判らん判らん)。けっきょくのところ、表象的な言葉で一絡げにしてしまうことで、意識からこぼれ落ちてしまうものもあるよね、というお話なのですよ。
比嘉智康「ギャルゴ!!!!!-地方都市伝説大全-」(MF文庫J)感想
あんたは泡坂妻夫か!
……という感じで、まさかこのレーベルでこんな陥穽が仕掛けられてるとは思わなかったので、ものすごくびっくりしてしまいました。いやまあ、冷静に考えたら、「ハヤテのごとく!」でもやってるんですけどさ。
まあそれは別にしても、実にしあわせの書。タイトルに込められたバカっぽい含意が世界観のすべてを表しているといってもいいくらい。読み心地の良さは今年読んだ作品のうちでもトップクラス。ライトノベル版「化物語」という評価を下しても、けっして褒めすぎではないでしょう。
それにしても、何この人外魔境。人外の描写にこそ愛情を注ぐべし、これもまた好印象。とにかく、小鳥遊ゆかりさんのキャラ造形が素晴らしい。ゆかりさんなのに愛称がコトリさんだなんてもったいない……!!!(そこまで強調することか) これはぜひとも続編で、幸せな結末を迎えてもらいたいところです。とか言って、次巻になって、押しかけ幼妻吸血鬼とか出てきたりしたらどうしよう。
「ToHeart2」第5話 勧誘(KBS京都)リバイバル感想
今回は何故か東鳩2。いや、ここだけの話、「D.C.II」の第2話を観たときに、かすかに近いノリを感じたので。
チョイスは笹森花梨。なんかこう、押しが強い娘にいじられるのっていいよね(何を言うか)。それでいくと、実は十波由真のほうが好きなのですが(タマ姉は対象外)、唐突に「たーまごさんど食べちゃうぞ」がもう一度聴きたくなって。自分でも不思議だったのですが、EDで気づきました。CV:中島沙樹さんなのね。中島さんはこの後、無敵看板娘の若菜ちゃんとか、ストパニの千華留様とか、ハヤテのサキさんとか、印象的な役を多く演じられてますが、思わぬところで魅力再発見。
お話のほうも、今観ると思ったより悪くないじゃないですか。「ちょっと変わってる」花梨ちゃんとタカくんの第一種接近遭遇。「ふつーって言うなぁ!」と嘆くよりはましですよ花梨ちゃん。それでいて心は普通の女の子。実際、心情的には涼宮ハルヒにも近いものがあります。心も体も子供のままのキミが好きだぁ! っていうか、小学生の頃から心が変わってないって、タカくんを罠にはめたみたいなことをそんな頃からやってたのですか貴女。とんだこどものじかんです。







