評価: 10点[前回比: ±0](累計: 124/130 平均 9.5)
まさか、この作品で修羅場が見られるとは。Always Rail Days.
アニメ「鉄子の旅」終着駅は北海道。でも、終わりは始まり、そしてそれは永遠に続く。この大地に線路があるかぎり。そしてその上を、列車が走っているかぎり。否、たとえ廃線になったとしても、そこに鉄道が存在していたという記憶は、誰かの胸の中にきっと残る。あるいは、こうして物語の中に描かれることで、存在は永遠となる。まるで、アニメの中の魔法少女が永遠に小学生のままであるように。
総評。毎年数多く生まれ続けるアニメ作品の中でも、極めて特異な作品といっていいでしょう。ノンフィクションという域を超えた、それは現実が虚構を凌駕する奇跡の一瞬。鉄道というのは、人々の生活に身近なものでありながら、ふつうは単純な移動手段としてしか捉えられていない。それを横見さんという「鉄」の目から見ると、ふつうでは気づかれない魅力が立ち現れてくる。そしてさらに、そんな横見さんを冷静な(というか冷徹な)目で見つめるキクチさんというフィルタの存在。さらに言えば、そうして生み出された原作マンガをアニメへと昇華するアニメ版スタッフ。二重三重のフィルタを通すことで、現実はその姿を変える。
そういう意味で、アニメ化にあたって、駅舎や車両とかがどれだけ忠実に再現されているかとか、鉄音がリアルかとかいうのは副次的な要素に過ぎない。というのは、私が鉄ではないからそう思うだけなのかな? かな? もちろん、素人目でも情景描写は良かったと思いますし、すくなくともわたらせ渓谷線と竜飛海底駅と土讃線はそのうち行きたくなりましたが。
ともあれ、「鉄子の旅」の主役はあらゆる意味で横見さんであり、それに巻き込まれる人々の存在があってはじめて作品が活きるわけで。であればこそ、やはり声優陣の方々にこそ賛辞を送るべきでしょう。いま第1話を見返してみると、最初の横見さん@檜山修之のテンションの低さに驚くくらい。他のキャスト陣も含め、回を経るごとにテンションが上り坂になっていった気がします。声優にスイッチバックなど必要ない……! みたいな。あと2クールくらい続けたら、「瀬戸の花嫁」とまではいかないまでも、マイメロくらいにはなれたんじゃないかと惜しいかぎり。
総点は90点。本当に、この一クールで終わらせるのはもったいない。ぜひ続編を期待しています。
