評価: 10点[前回比: -](累計: 10/10 平均 10.0)
乙女は魔法少女に恋してる……。
これはすごい。このレーベル、どこの出版社か知らずに買ってしまったんですが、こんなものを読ませてくれたからには、そんなことは酷く些細な問題だと思えます。愛と勇気と夢と希望を与えてくれるはずの魔法少女もので、こんな夢の扉を開いていいのか? いーんです。ゆく河の流れは絶えずして、押し寄せる時代の流れとともに変化を遂げてきた魔法少女も、ついにここまで……。いよいよ煮詰まってきたという感じ。正しい意味で。
実際、魔法少女というものが元来、その主視聴者である少女達の変身願望を具現化したものだとするならば、そのターゲットが変わりつつある今、こういうあぷろーちはむしろ歴史的必然。「男だと判っていても萌えてしまう……!」それは、二次元でこそ実現できる、より純粋な萌えの原始のスープ。他ジャンルでも類例は散見されますし、ひょっとしたら当該ジャンルで先例もあるかもしれませんが。私としては、こういう作風の小説でそれが実現されたことが嬉しいのです。ヤスさんのイラストと相まって、このストイックな一人称文体が、かなたくんの魅力を引き立たせていると評価できます。魔法少女的お約束と、ライトノベル的お膳立ての理想的な融合。白姫かなたこなた母子が紡ぐそれは上位魔法。白石涼子さん主演でアニメ化する日を心待ちにしています。