この作品との出逢いに感謝! なむなむ!
相変わらずこの人の作品を読むと、京都で過ごした学生時代をありありと思い出します。ページをめくるたびにめぐり逢う固有名詞の数々に、頭の中は現実と妄想が入り混じった古都の風景でいっぱいに。萩書房さんにも紫陽書店さんにもお世話になりました。下鴨納涼古本まつり、私はかき氷を食べた想い出がありますね。あのときラムネにしていたら、こんな奇妙な恋愛ストーリィが幕を開けていたかもしれないのに(妄想です)。学園祭はあまりまともに参加しなかったなぁ。サークルにも入ってなかったし。まあ、この大学がどこをモチーフにしてるのかは知りませんし、それが私の出身校と同じなんてことは、まさに御都合主義以外の何者でもない、有り得ないことでしょうが。
本との出逢いは一期一会。デビュー作「太陽の塔」にリアルタイムで出逢えたのは僥倖でしたし、その後も一貫した作風で書き続けられていることも私にとっては非常に嬉しいことです。ローカルネタを措いても、この幻想感あふれる世界観と、軽妙な文体が素晴らしい。そして鮮やかに浮かび上がるキャラクタ。今回はもう、黒髪の「彼女」のキャラクタ造形にすっかりやられてしまいました。大きな緋鯉を背負ってキャンパスを闊歩するその姿は、佐祐理さん並にきゅーと。御都合主義万歳、見事な恋愛小説でした。