2006年01月27日(金)

森博嗣「レタス・フライ」(講談社ノベルス)感想

森博嗣_レタス・フライ「私、子供のときから、妹になりたかったのです」(田村真衣)

 流れ的にマジメな話だと思ってたから、完全に不意打ちを食らってしまった。恐るべし森ミステリィ。

 相変わらず完璧な構成の短編集。第一編から、いかにも深読みしてくれといわんばかりの仕掛けに目を奪われた瞬間、既に読者は陥穽に落ちている。中盤のショート・ショートと呼ぶべき短い話で、あたかも夢の中のようにくり返し立ち現れる光景、それは閉ざされた世界の中に生きる人間。タイトルの「レタス・フライ」の指し示す意味はおそらくこれ。レタスの葉を剥いても剥いてもくり返されるフラクタル構造。「フライ」は fly ではなく fry 。自由な空へ飛び立つことの許されない、コロモに閉じこめられた存在。そして最終編、Gシリーズの開幕の裏で執り行われる、あのシリーズ・あの話の後日譚。世界はダ・カーポのように第一編へと舞い戻り、円環は見事に閉じられる。

 にしても、前書いたとおり、私の頭の中では加部谷恵美の声は既に宮崎羽衣にしか聞こえなくって、Gシリーズはすっかり萌えアニメの時空と化しております。山吹早月はHAPPY☆LESSONだし(違)。
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投稿者plateau: 2006年01月27日 22:01 []