2006年01月06日(金)

「古畑任三郎ファイナル」第3夜 ラスト・ダンス(関西テレビ)感想

"Shall we dance?"(古畑任三郎)

 お見事!

 まさに今までのシリーズの集大成というべき話でした。アリバイ崩しのために駆ける今泉というのはDJおたかさんの回を思い起こしますし、古畑の口からは1期の第1話の犯人であるマンガ家(当人はコミックライターと名乗ってましたが)の話題も出されたりと、セルフオマージュにあふれた一作。おそらく再見すればもっと見つかるでしょう。再見に耐えうるミステリというのは本当の意味での名作の証です。
 犯人が脚本家というのは第二シーズンでもありましたけど、今回はより露骨にメタを意識した役どころになっています。「カガミキョウコ」というペンネームは姓も名も「鏡」を連想させますが、「三谷幸喜」という名前も鏡面対称。そこから「双子」という設定を思いついたのかなとも思いますが、ミステリの古典的題材ともいえるこの設定によって虚構性を高めて、脚本家・三谷幸喜の本心を巧く隠しているところが心憎い。ブルガリ三四郎役が小日向文世というのが意味深な気もしますけどね。役どころとしては西村雅彦に近いものを演じることが多い気がするんで。
 双子といえば本格ミステリでは○○○○○というのは常識でして、さすがに私もすぐに展開は読めましたけど、果たして一般の視聴者はどれくらい騙されたことでしょう。実に綺麗に決まっていたと思いますが。ってか、ドラマでの双子の一人二役なんてアニメ以上に大変ですし(そりゃそうだ)、やはり役者というのは実に偉大なものですな。
 今回の犯人が葛藤したのは自分が自分であることのアイデンティティ。それは、毎回最後に「古畑任三郎でした」と名乗る古畑の、己を保ち続ける姿勢と対照的。このラスト三部作は、どんな犯人と対峙しても揺るがない古畑任三郎という「名探偵」(刑事だからその呼称は変ですが、このジャンルのお約束として)を神格化するためのものだったといっても過言ではないでしょう。
 まあ心残りもあるっちゃありますけど(花田さんとか洗面器とか花田さんとか)、すべてが丸く収まる最終回は三谷幸喜が嫌いだそうですし、これで良いんじゃないでしょうか。実に楽しませてもらいました。

 にしても、松金よね子を戸田恵子だと思ってしまった自分に愕然。声の聞き分けだけじゃなくて顔を見ても判らんのか。

投稿者plateau: 2006年01月06日 00:22 [TV(アニメ以外)]