「敵わないな……」(佐倉裕美)
凄い! これは凄い! もしかしたらこの作品、D.C.やΦなるに並び立つ超傑作になるかもしれません。
タイトルに冠された「ラムネ」の秘密、そしておさかなヘアピン。それらがまさか七海ではなく佐倉さんにまつわるものだったとは。前回、そして今回と、メインに描かれるのはまぎれもなく彼女であるにもかかわらず、ヒロインにはなり得なかった運命。もう、シーンのひとつひとつが胸に詰まります。
子供のころから健次と知り合いだったはずなのに、互いで苗字でよびあう程度の普通の先輩・後輩関係に甘んじていた彼女。その理由は、まさに物理的な「距離」によるものだったのですね。想いは遠く離れていても届くとは言いつつ、それはあくまで、一度近くで同じ時を過ごしていたからこそ、その後離ればなれになっても通じ合うという意味であって。歩いて40分の距離は足を持たない子供にとっては絶望的な距離。おそらく通う小学校も違うでしょうし、それこそ今回アバンで描かれた「出逢い」以降、しばらく健次があの駄菓子屋を訪れることもなかったのかもしれませんね。
ついに始まった夏休み。その意味するところは、いままで止まっていた時間がゆっくり動き出す、切ない予感。それを象徴するように、佐倉さんの家の駄菓子屋がコンビニ形態の店になっているところも時の流れを感じさせます。それもフランチャイズもしてない個人経営みたいですし、引っ越しの理由も経営が思わしくなくて……という話だったりするのかな、なんて思って、ますます個人的に胸が締めつけられる思いにとらわれるのです(あえてはっきり描かれないところは救いが持てますが)。お客のいる様子のまったくない七海の喫茶店の経営状況も気がかりなところです。声優ソングばっかり流してるからお客が寄りつかなくなったわけではないと思いますが。だから私が近くに住んでたら毎日でも通ってあげるのに!
鈴夏がいなくなった隙に、こっそり健次の部屋を覗いてしまう佐倉さん。そして、その目で七海との「距離」を感じてしまう。ああもう、なんちゅう切ないシーンを描くんですか! というか、七海の部屋のカーテンがめちゃめちゃ薄くて中が丸見えという点はどう解釈すれば。七海は健次に部屋を覗かれても平気、ということですよね。
そして別れのシーンも実に印象的。七海のお株を奪う「なんてね」も、こんなシチュエーションで出されてしまってはもう何も言えません。「友達じゃなくて先輩」……切ない言葉ですが、たしかに最後まで下のなまえでよびあうことのなかった関係性ではそう言わざるを得ないんでしょうねぇ。
それにしても、佐倉さんが七海と健次にかけた最後の言葉が気にかかります。朝倉兄妹以上に盤石に思われたこのカップルの仲にも試練が待ち受けているとでもいうのでしょうか。
ところで、いくらなんでもあの電車(気動車らしいです)、停車時間長すぎじゃないかと思ったんですけど。急行待ちでもしてたんでしょうか? どう思われます専門家の方?(笑)[12/11 22:15返信追記]
次回予告は本編とは別のテンションで突っ走ってほしかったなぁと思わなくもない。
投稿者plateau: 2005年12月09日 22:23 [ラムネ(殿堂入り)]