2005年12月15日(木)

「D.C.S.S.〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜」#24 誓い(KBS京都)感想

「音夢、俺は絶対にお前を離さない。いつまでも一緒だ」(朝倉純一)

 めでたしめでたし。これにて一件落着(違)。

 いや、あながち冗談ではなくて。この作品がもしも純粋に「音夢と純一の物語」であったとするならば、ここで話が終わっていてもおかしくはない。桜魔法だろうと何だろうと、ふたりにとっては障碍でも何でもない。それは既に9話の段階で明確に答えが出ているものであって、この点から言えば出来レース以外の何物でもない。
 だとすれば、この物語が続いているのは何故か。それはもちろん、その次の回から始まる、アイシアの魔法修行、これこそが真のテーマであるからに他ならない。この「D.C.S.S.」の主役はあくまでアイシアなのです。
 だから考えるだに、「ダ・カーポ」というタイトルは言い得て妙なのですね。完膚無きまでに終わった前作を引き継いで、終わりの続きをはじめようとする無謀な試み。示されるテーマは、「終わりの続きは、はたして何も始まっていない状態と同じなのか? ゲームのようなリセットは可能なのか?」というもの。前作を未見の視聴者の視点は、何も知らずに初音島にやってきたアイシアの視点に重なって。いっぽう、前作からのファンの視点は、さくら、あるいは美咲さんあたりに寄り添うことに。しかし今回、アイシアの「純粋な願い」なるものの前に無力だったさくら。物語はいったん生まれてしまえば、永久機関のごとき無限の駆動力を持って走り続ける(それは、メタな意味では「二次創作」に如実に表れる)。たとえ誰かが「終わりだ」と思ったところで、本当の終わりはやってこない。まさにこれが、「永遠にくり返すドラマ」の意味するところ。

 ということで、一応普通の感想も1500字くらい書いたんですが、全部破棄して以降、#25の予想を行います。
 成就したアイシアの桜魔法。アイシアの創造した世界、それは、文字通りゲームのような「リセット」の存在する世界。初音島のヒロインたちは皆、朝倉純一に対して恋心を抱いている。そしてあるとき、何かのきっかけで、誰かにフラグが成立し、あるいは純一と恋人どうしという関係にまで進展する。しかし、そこでその彼女にとっての物語は終わり。いったん「幸せな関係」が成立すれば、世界はリセットし、ダ・カーポのようにはじめの状態に戻る。奇しくもシリーズ構成である長谷川勝己さんがΦなるファンブックで語っていたとおり、永遠に続くハーレムエンド。終わらない世界。
 しかし、ここで造物主たるアイシアに、ひとつの懸念がわき起こる。これでは、他ならぬアイシア自身は、因果の外に出てしまっている。それはまさに、おばあちゃんと同じ状態。他の人の幸せだけを叶えて、自分は幸せにはなれない。「それは……イヤだな」と、彼女は、自分も因果の中に入ることを決意する。朝倉純一と自らが結ばれることを夢見て。
 何回かの試行ののち、その願いは果たされる。アイシア・ハッピーエンド。そしてここで、彼女はその状態を「リセット」しなければならないことに思い当たる。純一との恋人としての時間、思い出、記憶のすべてを捨てる……。それに耐えられないアイシア。いっそ、この状態のまま、はじめに戻ることがなかったら……。否、これこそが本当のエンディングなのだ。ここで、すべての物語は終わり。そう自分に言い聞かせて、アイシアは「永遠に終わらない世界」の魔法を解こうと、桜公園に向かう。
 と、そんなアイシアを桜の木の下で待ち受けていた、ひとりの少女。それは、最初から因果の外に出ていた芳乃さくら。かつて目の前の少女に浴びせられた言葉を、そのまま返すさくら。「それは、ズルい」。他人のための幸せを願っての魔法だったはずなのに、結果は、自分の幸せだけを優先するのか?
 そして、桜の木の下に姿を見せる、もうひとりの少女。鷺澤美咲、彼女もまた、純一との恋愛ゲームへの参加を拒んだ一人だった。その理由は、彼女の中に残る、彼女の分身であった少女がかつて体験した思い出。その存在は消えても、思い出は残っている。だからこそ、その経験は貴いのだと彼女は言う。その思い出が残されないこの状態で、いくら刹那に想いを叶えても、それは本当の幸せではない、そうアイシアに言う美咲。
 「幸せになれないものもいる」と、大きな声が響きわたる。「それは俺だ!」杉並登場。「何度物語がくり返したところで、ハッピーエンドを迎えるのはいつも朝倉のみ! 俺自身が幸せになることは一度たりとてない!! やってられるかー!!」血の涙を流す杉並。
 そうしてようやく、自らの過ちを認めるアイシア。魔法から解けた初音島の、桜が静かに散ってゆく。世界は元の姿を取り戻し、朝倉純一と音夢との関係も「妹にして恋人」に元通り。ようやく終わりを告げる、長い長い夏休みの最終日。アイシアはひとり初音島を発ち、北欧へと戻っていく。彼女自身の、「本当の幸せ」を見つけるために。今度初音島を訪れるときは、魔法によるものではない、普通の桜が見られる春にしようと心に決めて。

 以上、あくまで妄想です。予想が外れた場合、自分で小説に……する気はあまりありませんが(笑)。需要があったら考えなくもなかったり。
 あ、あと、今回の話で、これだけは書いときたい。まさかみっくんの「お兄ちゃんにらぶらぶ」なんて設定を活かしてくるなんて思いませんでしたよ。こんなん誰が憶えてるっていうんですか。ちなみに無印#10で確認できます(憶えてる奴)。

 ところでED、ついに変更! こ、これは実にイイ! 主に映像が(おい)。曲はまあ、「存在」のときみたいに、フルバージョンで聴くと印象が変わったりしそう。

投稿者plateau: 2005年12月15日 21:14 [D.C.S.S.]