三ヶ月かかって読了……。読むと時間まで非現実的になる小説を私ははじめて読んだ(綿矢りさ解説パロはやめい)。
内容はいつもの通りの森ミステリィ。今回は比較的マジメな方です(おい)。といいつつ、ミチルとロイディの会話とか、随所にエスプリが効かせてあるのも相変わらず楽しめます。
しかしまあ、ネタばれかもしれませんが、この方の作品はけっきょく、「人間はどこまでひとつなの?」というテーマに行き着くんですね。作品自体にもその思考は現れていて、どこまでもどこまでもつながっていく。
ミステリィにしても何にしても、それぞれのシーンでの細かい描写に心血を注ぐ作家と、それよりもまず圧倒的な世界観を提示して、すべての部品はその大枠のために奉仕するために用意する、という作家の二種類がいると思います。森博嗣という作家のタイプはおそらく後者。すなわち、微分じゃなくて積分で小説を書いている。だからこそ、読者も「分かった積もり」になる、ということで……(理系では普遍的なダジャレです)。
で、前作「女王の百年密室」に引き続きスズキユカによるマンガ版も続けて読了。これもまた、単なるコミカライズ(というと意味が変わってくるかな)にとどまらず、なかなか重厚で独特な世界観を築いているので見応えがあります。
あとはまあ、アニメファン的に言えば、人形が出てきたり、ラストは押しかけ女房だったりするところが注目ですかね(その一文が余計)。
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