2005年07月11日(月)

竹宮ゆゆこ「わたしたちの田村くん」(電撃文庫)感想

竹宮ゆゆこ_わたしたちの田村くん

 ああぁもう、こんなオチにしたら、せっかく序盤の相馬広香の行動がとーってもツボだったのに、辛くて萌えられないじゃないかっ! 一話目の松澤小巻にしたって、裏表紙みたいなウサミミ少女のままでいてくれたら! 切ないよぉー。

 ……とかいうのが、「萌え」を中途半端にかじった人が陥りがちな典型的ダメ感想(おいおいおい)。や、素晴らしかったですよー。

 いいですねぇ。帯に「あなたのツボにくるラブコメディー」なんて書いてあったんですけど、電撃にしては珍しくその通りでした(失礼)。なんとなく滝本竜彦を思わせる軽快な文体。
 で、さらに滝本竜彦と共通してることに、単なるラブコメに終わらないところ。いかにも狙いすました「萌えキャラー」的なヒロインの行動が、実は故あってのことだったというひっくり返しが素晴らしい。正直なところ、相馬さんの話とか、個人的にはけっこう辛いんですけど、でも安易にファンタジーに逃げない態度は立派ですね。

 ひとつ文句をつけるとしたら、看板(タイトル)に偽りありなところ。「わたしたちの田村くん」なんて言うから、各女性キャラの視点から見た「田村くん」を描いてくれるのかなーなんて思ってたんですが(実際口絵の文章はそんな感じでした)、本編は始終田村くんこと田村雪貞本人が一人称視点人物で語ってました。ま、こういう文体好きだからいいけどね。
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2005年07月11日 23:46 [] [竹宮ゆゆこ]