2005年04月14日(木)

恩田陸「ドミノ」(角川文庫)感想

恩田陸_ドミノ<人生における偶然は、必然であるーー。>

 冒頭に挙げられた、上の一文を見て購入を即断(笑)。

 いやぁ、思った通り! こういうの大好きです。とある夏の日の午後、東京駅を訪れた登場人物たち。それぞれ、まったく異なる人生を歩んできた彼ら、彼女たちがふれ合い、重なり合い、ひとつの「事件」に巻き込まれていく。まさにドミノ倒しのごとく、運命という歯車が音を立てて加速していく、終盤に至るまでのこの疾走感はただごとではありません。
 文庫の裏表紙には、「パニックコメディ」と銘打たれてますけど、これ、そう書かれてなかったらコメディだと気づかない人も多そう。地の文は一見まともだし、個々のキャラクタも、自身ではみんなきわめて真面目に行動している。ただ、それを俯瞰してみると、それぞれの間で齟齬をきたし、めちゃめちゃ面白いという。三谷幸喜のドラマに近い感覚ですね。それを浮き彫りにするために、地の文では神視点三人称を導入しているのでしょう。ミステリを書かれることも多い恩田陸さんが、無自覚に神視点を導入するはずはありませんので。

 しかし、ひとつ難点があるとすれば、東京駅周辺の地理がさっぱり実感がもてないということ。東京在住の人はもっと楽しめるんでしょうね。「動輪の広場」と八重洲南口の「銀の鈴」を取り違えるってのは、名古屋駅でいうとナナちゃん人形と太閤通口の噴水前を取り違えるみたいなもんですか? あ、何となく実感できた(笑)。
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投稿者plateau: 2005年04月14日 01:31 [読んだ本の感想]