「輝く命、シャイニールミナス! 光の心と光の意志、すべてをひとつにするために! ……って、なに?」(シャイニールミナス)
おおー、また闘いの途中で引くのか。どんどん少年マンガっぽくなってきましたな。
って、それならそれで、その意図をちゃんと考えないといけません。それはひとことで言えば、「ルミナスの変身シーンを二度見せたかった」ということでしょう。……いや、マジメな話(いつもふざけたコトばっか書いてるから、こういうとき本気にしてもらえない、まさにオオカミ少年)。
九条ひかりがポルンと出逢い、クイーンの命としての使命に目覚めた最初の変身。この段階は作中でも言及されている通り、一年前、なぎさとほのかがはじめてプリキュアに変身したとき(無印1話)と同じです。たしかになぎさ・ほのかとひかりとでは、当人がもともと虹の園の住人であったかなかったという違いはありますが、しかし以前の記憶がない以上、突然の変身に対する戸惑いの気持ちは同じでしょう。そして、虹の園の住人ではない故に、「闘う」ことに対する動機づけが、一年前のふたり以上に希薄である、という状況にも立たされます(これを強調するために、初登場時からここまでのひかりの言動がすべて自発的意思の感じられないものになっています)。このときは襲いくる酉ザケンナーに立ち向かうため、ポルンに「力を合わせるポポ」と言われ、ほとんど自動的に「エキストリーム・ルミナリオ(?)」を発動。変身すると勝手に決めセリフをしゃべってしまうというのもプリキュアと同じです。
そして一夜明けて、なぎさ・ほのかと、戸惑いながらの挨拶を交わすひかり。さらにその上で、ふたたび襲来したサーキュラスから自分を守ろうとしてくれたふたりのために、はじめて自分から変身しようと言う意思を見せる。そう、それはひかりという人間としての、はじめての意思決定。無印プリキュアでは2話から数話かけて描かれたここまでの過程を、同じ1話の中でやりたかった、というのが今回の肝でしょう。今までのように、Aパートで日常シーンを描き、Bパートで敵が襲来、変身バンクをはさんで、数分間の戦闘シーン、そして日常回帰、というパターンを外してまで。これも、無印一年間の積み重ねがあってこそ、今回のような「掟破り」を行うことができるようになった、という「MaxHeart」の強みでしょう。まあ、次回予告を見る限り、こういう引きが毎回続くとも限りませんが、作品作りの自由度が上がったというのは面白いところ。
さて。では次に、九条ひかり=シャイニールミナスという人物が、この物語において果たす役割とは何なのか。それを考える際に、やはり重要となるのは、前回/今回の闘いにおいて、プリキュアふたりがひかり(シャイニールミナス)を守ろうとしていたシーン。これ、既視感がありますよね。まさに半年前のポルンと同じです。それこそが最大のポイント。今日はここ憶えて帰っていってくださいね(やかましい)。かたや、「未来へ導く光の王子」であるポルン(本人の口からひかりに向かってそれが宣言されていることから、重要な意味を持つことが判ります)。かたや、クイーンの命であるひかり。この両者はほぼ同一の存在として重ねあわされています。
無印のラストを思い起こしてみれば、プリキュラを救いたいと自ら決意を固めたポルンが、まだその形をとどめていたクイーンから「成長しましたね」という言葉を賜るというシーンがありました。そのときも書いた通り、ここで実質的な政権の禅譲が行われているわけです。となれば、それに引き続く「MaxHeart」では、実際に光の園の将来を担うポルンの成長が描かれないといけません。これは、以前私の主張した「子どもから大人への成長」というMaxHeartのテーマとも符合します。なぎさ/ほのかの人間としての成長を描くと同時に、ポルンの成長も描いていく、というのが今期の主題なのではないか(さらに言えば、そのために意識的に多数一人称がとられているのではないか)と思われます。
そして、それを実際に描くために新キャラ・ひかりが登場したのは、ほとんど作劇上の都合といってもいいでしょう。ポルンの成長を描くといっても、やはり人間形態をとっていないことには視聴者の感情移入の対象になりにくい。ほかの魔法少女アニメでは、もともと人間形態だった異世界の住人が、この世界では小動物に変身する、という手法がよくとられていますが、「プリキュア」では光の園の住人はもとから小動物系で、しかも現実(虹の園)ではそのままの姿では長くいられない、という設定になっているため、ポルンをそのまま人間形態にすることはできない。となれば、残る選択肢は……と、消去法的に「クイーンの命=ひかり」という存在が(一部サブ視聴者層の需要も視野に入れつつ)出来上がったのではないか、と推測されます。
他にも、長老と番人がいきなり光の園に帰っていってしまったとか、アカネさん何かに気づいたのかとか、志穂莉奈はどうしたとか(え)、いろいろありますが、今回はここまで。次回以降、より世界の広がった話を見せてくれることを期待しています。
投稿者plateau: 2005年03月06日 20:45 [2005年1-3月アニメ感想] [ふたりはプリキュアMaxHeart]