「絶対泣くなよ、泣くなよ。頑張れよー!」(ライオンさん)
実質的な本編スタート回。一話にも増してゆったりとしたテンポが心地良いです。そのまま感想なんて書かずに眠ったら気持ちいいんだろうなーと思ったり(笑)。アニメ感想系とは因果な稼業ですな。
いやもうとにかく、アスミの宇宙学校制服姿がめちゃめちゃかわいいよぅ〜。まだ成長し切ってない体躯に落ち着いた制服というギャップがたまりません。惜しむらくは、あまりにサイズがぴったりすぎることですかね。だいたい新入生はこれから成長するから、ってことでちょっと大きめのサイズを着たりするでしょう? アスミはもう成長しない、っていうんならそれはそれで魅力的な提案ですが、ここは筋を通してほしかった! 微妙なだぶだぶ感は譲れない一線です。袖口とかが微妙に長かったりして、手が隠れたりするのがもう……(マジメに感想書かんかい!)。
ということで(何がだ)前半はアスミの唯ケ浜との別れと上京。ライオンさんとも別れることになるのですが、そこでも「太陽光発電衛星」なる新技術を話題に出してたりと、徹底して後ろを振り向くのではなく、未来を志向しています。それにもかかわらず、アスミはライオンさんに後ろから声をかけられて振り返る、という構図になっているのが面白い。アスミを乗せて走り出す電車を追いかけるライオンさんという別れのシーンも、「鈴成先生=過去」に縛られて唯ケ浜から出られない彼の存在を強調し、アスミとの対比を描いています(この、過去との決別の構図はBパートでもう一度、父親を対象として出てきます。その差異については後述)。しかしこれ、いいシーンなのに某東鳩R効果で吹き出しそうになってしまったのが困りもの。アスミが窓を開けるタイミングで、まかり間違って主題歌が流れたりしないかと思ってハラハラ(おい)。
そして関東大砂漠を行くアスミ。電車の乗り継ぎとか、道順とか、ものすごく細かく描かれていたのが好印象。まぁ、東京のことはよく判らんのですが。名古屋の地下鉄とどっちがややこしいでしょうね? ともかく、典型的な田舎の風景から都会、そして辿り着いたオンボロ女子寮というメリハリがしっかり効いています。
どこまでも続く石段の上に見えるは、今日から彼女の住むひなた荘(違)。nishisさんの完全受け売りですが、女子寮といい宇宙学校の校舎といい、高台にあって「見上げる」存在になっていますね。「かもめ女子寮」という名前も、やっぱりテレシコワ由来でしょうか。
で、坂上の女子寮には小泉太湖……もとい坂下リンゴ@石井順子が。服にリンゴのプリントがあったから、ギガルト先生よろしく勝手に「りんごちゃん」と名づけてみたらホントにそのとおりの名前でびっくり(笑)。しかし、これも意味深なニックネームですね。ニュートンの運動方程式、みたいな。「今時はみんな金持ちで云々」という発言に、まったく厭味も卑下も感じられないのがいいですね。このあと、ぞろぞろと個性的な住人が出てくるかと思ったら、そんな荘ものハーレムアニメ(館ものミステリでも可)みたいな展開ではありませんでした(笑)。
そして、ようやくサブタイトルの入学式。圭ちゃんとの運命の再会。電話番号とメルアドを教えてくれという圭ちゃんにアスミ、「あたし持ってないんだ、そういうの」。ここ、ちょっと感動。「ケータイ持ってる?」と訊かれたら、「携帯電話じゃなくてPHSです! EDGEです!」と返すのが最近の私の持ちネタなんですが(笑)。「ケータイ」とは一言も言ってないのですな。そもそも主機能たる「電話」を略して「ケータイ」と呼ぶのには語義的な不適切さを伴っており、疑義があるし……。まあ例のごとくまったく関係ない話題でございました。
で、圭ちゃんと逢えたとなれば、もうひとりも……とお約束の展開。万里香、いきなりの「その汚い手で触れたら殺すわよ」発言に喝采。惚れてしまいそうです(あのな)。万里香を見つけて「あ」っていう圭ちゃんにもついでに(おい)。
そして、府中野君はアスミに会話をしてもらえないのでした(笑)。ひとりぼっちなのは彼のほうでは(こらこら)。そして新入生総代は秋。「オレの望みはただひとつ」と、空を指差します。まあ、それなりにお約束なパフォーマンスではあります。ところで入学式って普通、国旗と併置して校旗を掲げませんか?
で、今後の日程。佐野先生はやたら怪しいですけど、まだ詳細は不明。とにもかくにも、こういうガイダンスというのは、「大変そうだけど、これから楽しそう」という期待が高まるものですね。
放課後、万里香に声をかけるアスミ。万里香より一段上にアスミと圭ちゃんが位置し、万里香を見下ろす形になっています。馴れ馴れしくするなという万里香ですが、アスミに早く帰れと促したところ「帰ってもひとりだから」というアスミに反応します。しかし、アスミはそうは言っても直後のシーンで父親と逢っていますし、家族に望まれていない状況ではない、という点で万里香より上に位置している、ということでしょうかね。前話のラストで出てきた「見上げること」への希求の違い、というのが絶妙に表されています。
で、このあと、時間と場所が飛んでるのか判然としないんですが、今度は坂を上るアスミの前に父親の姿が。Aパートで、振り向いて出逢ったライオンさんと逆の位置関係ですね。父親が、「あいつ(母親?)がうまいって言った店」をけっきょく見つけられなかったという展開や、もっと直截的には「けっして後ろを振り向くな」とアスミに諭す言葉に現れているとおり。ここでは父親は単純に「過去」に縛られる存在としては登場していません。母親のプレゼントをアスミに渡すというのも、ロケット技師としての己の過去を断ち切り、アスミに将来を託すという意味合いが込められているのでしょう。アスミも、だから「明日見(未でも、美でも、実でも可)」なんでしょうね(この含意には、5話で母親の名前が「今日子」だったと判明したときに気づきましたが)。
そして寮に帰りつくアスミを出迎える圭ちゃんと万里香。最後はまたもアスミが、石段の下からふたりと寮(そして星空と桜)を「見上げる」構図です。万里香が微妙に頬を染めているのも注目。ひとりぼっちじゃない、ということを確認してのうれし涙。そういえば、涙がこぼれるのは地球の重力に引きずられるからなのですな。
ということで綺麗に締めようと思ったら、まだラストシーンがありました。OPに出てくる、石段を飛び降りるシーンということで、感慨深かったのですが。ここだけ何故か視線が下に向いてる……。ありゃ〜、さっきまでの考察が水の泡に(笑)。どうしてなんでしょ?(訊くなよ)
投稿者plateau: 2005年03月17日 03:18 [2005年1-3月アニメ感想] [ふたつのスピカ]