「ふたつのスピカが支えあって、あの輝きを生んでいるんだ。どちらかひとつが消えてなくなるまで、ずぅーっとね」(ライオンさん)
この作品に限らず、他所サイト様からいただいた反応などは基本的にえむぜろ?に書いております(気づいた範囲内ですが)。何故改めて書くかというと、「えむぜろ?」のアクセス数がメインの十分の一程度なので、書いたはいいけど気づいてもらってない可能性もあるので(笑)。ここと違って、あまりオチの無い雑文ですがよろしくです。
ということで感想です。今回もいいですね〜。考察のしがいがあります。
まずは個人的な備忘録も兼ねて、キャラクタのおさらい。ルームナンバ0350の三人はアスミ、圭@大浦冬華、そして万里香@木村亜希子。この圭ちゃん@大浦冬華がけっこう良い感じ。「〜っちゅーの」ってしゃべり方がツボにはまります。そして後半の万里香とのバトルが最高に面白かった。まさかと思ったら、本当に頭から水をかけるとは。圭ちゃんには悪いですが、大爆笑してしまいました。そしてチーム2960。府中野君@富永利行、秋@甲斐田ゆき、あとのひとりはぐるぐる残響譜さんによると憶えても無駄だそうなんで無視です(笑)。たしかに、すぐ脱出ボタンを押そうとしたりと、あからさまにやる気がありません。なんで宇宙学校を受験したんでしょうか。まあしかし、物語的には、こういう人間がひとりはいないといけませんからね。典型的どーでも良いキャラというか、秋春くんというか(西尾維新かよ)。
さて今回、圭ちゃんが宇宙を目指したきっかけとしてアームストロング船長が語られたり、万里香はデブリの問題を口に出したりと、いよいよ「プラネテス」と話がつながりそうになってまいりました(そういえば、「ふたごのプラネテス」なんて本かDVDかよく判らない商品も発売されていました)。しかし、フツーに比較しても面白くない。ということでここでは、両作品の物語構造に着目してみたいと思います。
ズバリ、「プラネテス」は「空間的多重構造」を意識しているのに対し、「ふたつのスピカ」は「時間的多重構造」をとっている。これが私の仮説です。
プラネテスにおいては、とくに後半、フォン・ブラウン号を目指すハチマキと、テクノーラに残ったタナベ、といったように、ふたつ以上の場所を舞台に生きる人々の物語を同時に描く、という手法を多用していました。しかも、一話のなかでは、別々の場所で進展するエピソードが完全に対応して、共鳴するようにひとつのテーマを浮かび上がらせていく、という仕掛けが毎回のようにありました(うちの感想でも見返してもらえれば幸いです)。これが圧倒的な世界観の広がりを実現して、あの最終回につながっていったわけなのですが。しかし、基本的に物語は時間的にはシーケンシャルに、一直線に進んでいきました。1話の冒頭のシーンが、そのまま後の伏線になっていたり(未見の方のため表現をぼかしています)するのがその典型的な例ですね。
それに対し、ふたつのスピカでは、とくに空間的二重構造は意識されていないように思われます。今回の話も、ルームナンバ0350のアスミたちと、2960の府中野君たちという、ふたつの舞台が描かれてはいるのですが、その対応関係は明確ではありません。単純に時間配分も全然違いますし(これは、作品中でハチマキとタナベが同じくらいの役割を占めていたプラネテスに対し、あくまでアスミが主役の物語だから、ということでしょうが)。構成メンバに与えられた役割が呼応しているというわけでもないようです。圭ちゃんはぺらぺらうるさいけど、けっして2960の彼のように、はじめから課題を諦めたりはしていないし、万里香のポジションが2960では秋と府中野君に分散していますし。
そのかわり、スピカにあるのは時間的多重構造。これまたぐるぐる残響譜さんが第1話から指摘しておりますが、この作品ではメインストリームである現在の中に、アスミの幼少期の思い出がたびたび挿入されて物語が進んでいくようです。その出し方も非常にスマート。前回考察した「0350の意味」にはもうひとつの役割があったのですね。万里香にそのことを問われてアスミが思い起こす、ライオンさんとの思い出。そこで「ふたつのスピカ」というタイトルの意味が明かされるのは、単なるギミックに過ぎません。非常に重要なのはそのあとのシーン。冒頭に引いた、「どちらかひとつが消えてなくなるまで」という言葉に反応したアスミ、「ライオンさんは、どこにも消えたりしないよね。ずっと、ずっといっしょだよね」と訴えます。これが今回のラスト(と次回)の、アスミの母親の死につながってくるのですね。そのあとの、お姫様アスミ(幼女Ver.)の萌え萌えシーンに気をとられている場合じゃありません。いやまあ、たしかにかわい(略)。
あとは、たまには理系らしく、あのドミノの総数でも概算してみましょうか。映像で見る限りドミノは二つの箱いっぱいに入っていた様子。あの箱は万里香の膝上くらいまでの高さで、ほぼ立方体。万里香の身長は公式サイトにでも行けば判るかもしれませんが、面倒なんで省略。まあ箱の一辺は50[cm]程度でしょう。すると体積は50x50x50=125000[cm3]。次はドミノの大きさですな。まあ手のひらサイズってことで、判りやすく10[cm]x5[cm]x1[cm]にしよう。すると、箱いっぱいに敷き詰めたとして二箱に(125000/50)x2=5000個入る。ただ、見る限りそんな風にはなってなくて、雑多に入れてる感じ。隙間がどのくらいあるか(空乏率)というのはけっこう見積もりが難しいかも。えーい、ここは勘で10%。すると5000x0.9=4500個。これを何日で並べられるか。前回言ってた点灯/消灯時間が何時だったか忘れてしまったのですが、まあ実働1日8時間として、一個ドミノを置くのに10秒かかるとしましょう。すると3人では(8[h]x60[min]x60[sec]/10)x3[人]=8640個……あれ? 一日かからない……。概算間違ったかな(笑)。いやでも、部屋の広さを考えると、個数は妥当なところかも。万里香の言う通り、七日間というのはたしかに長い。まあ実際、今回ラストで4日目にして完全にご破産になってしまいましたし、その気になれば(ノーミスでやれば)一日でも出来るのかも知れませんね。問題は、一度スタート地点に戻されて、やる気を取り戻せるかどうか。ミスをしてはいけないというプレッシャに勝てるかどうか。そしてもちろん、最大の不安要因は、曲がりなりにもチームワークを形成してきた要であるアスミのフラッシュバック。今後、どういう展開になるか注目です(って、次回は現在に話が戻ってこないかのような予告ですが)。
ところで今回、一か所だけ疑問点。圭ちゃんが寝てるとき歯ぎしりするってこと、何故アスミは知ってたのでしょう? 万里香と話してる途中で、そのまま眠ってしまったように思えるのですが……。
投稿者plateau: 2005年02月24日 02:23 [2005年1-3月アニメ感想] [ふたつのスピカ]