「やったぁライオンさん、この試験、わたしラッキーかも」(鴨川アスミ)
前回の感想について、ぐるぐる残響譜さんにご紹介いただきました。これはもう、ネタ超重視暴走ツッコミ感想なんかやめて、マジメな考察系を目指せと言うご啓示でしょうか(笑)。
いや、しかしこの作品、思わず考察したくなってくるような作品なのです。今回も判りやすいものから、あえて解を明示しないものまであって、なかなかスマートで好きな感じ。
宇宙学校の試験を受けるアスミ。会場で見かけたのは府中野君。「ふちゅうや」の「ふ」が聞き取りにくくて「ちゅうや」に聞こえてしまいました。1話では夏と冬の奏鳴曲だと思ったら(ぐるぐる残響譜さん談)、今度は暗黒館ですか。ミステリファンにはたまりません(意味不明)。
今回の前半でも、他の受験生に笑われるアスミという構図が出てきています。「あのロケット、飛ぶんですか?」と質問して失笑を買うという、行動面、知識面での場違いさを演出するのみならず、服のSSサイズがないという身体的特徴までが強調されています。しかし、前者は秋と出逢ったときの「わたしはカモメ」という名文句を知っていたり(府中野くんがなんで知らないのかというのは気になりますが)、後半の展開でしっかり逆転がなされているのが面白いところです。
ちなみに、ここで府中野君がアスミを必要以上に気にかけているのもポイントですね。バスの窓から見えるロケットの模型に見覚えがあると言うアスミに、「お前がいつも持ち歩いてる本にも」といいつつ、「別にいつもお前のこと見てるわけじゃ」と、訊かれてもいないのに言い訳してるところ、こういう子好きですよ(笑)。秋との会話でも、すっかりアスミの代弁者としてしゃべっています。しかし今のところ、アスミはなんとも思っていないようで、このあたりのすれ違いが今後どうなるのかも楽しみ。
部屋番号を渡されて更衣室へ。いかん……なんか不埒な期待をしてしまった。NHKだっつーの! そんな、更衣室に淫獣小動物が隠れてるようなアニメと同じような目で見ちゃ(もう黙ってなさい)。あ、でも、けっきょくSサイズの服を着たアスミ、服がだぶだぶ萌え(昔どっかで書いた記憶が)。
そして、3人チームで一週間を過ごす閉鎖環境適応試験。思わず「プラネテス」の「Phase20 ためらいがちの」かよ! と言ってしまいがちですけど(BSではスピカのほうが先だったみたいですが)、むしろ「11人いる!」というか、SFもののフォーマットなのですから仕方ありません。
三人寄れば「もんじゅ」の事故隠し、というのは5年前から私が言い続けている駄洒落ですが(そして誰にも笑ってもらえない)、それはともかくチームの最小催行単位だけあって、アスミ側も府中野君側も、見事にキャラの色が別れています。フレンドリーに話しかけてきて、一見人あたりが良さそうだけど、思慮浅い人物。自ら動こうとせず、見た目はとっつきにくいけれど、的確な観察眼を持つ人物。そして、そんな対照的なふたりをまとめることのできる中心的人物。もう、あまりにも綺麗に分かれてて、それもあらかじめ試験官が仕組んだことかと思ってしまいますが。
で、部屋番号が課題の入ったケースの暗証番号になっていたという展開。何故アスミが部屋を捜しながら歩いていて「やっぱり」と言ったのか、そして何故自分の部屋、0350の前で「ラッキー」だと言ったのか。また府中野君が「フクロウ」と語呂合わせで憶えていた番号を秋は何故「射手座でもいい」と言ったのか……。次回に明かされるのかもしれないですが、とりあえず今回は明かされないままで終わったという、これが今回の仕掛けですか。まあでも判りやすい。後者はともかく、アスミにとってのライオンさんとの思い出は「スピカ」しかない、とすぐに判ります。手元の辞典(大辞泉)で「スピカ」を引いてみると、「350光年」とありました。恐らく、あの部屋番号は星座をもとにして並んでるんでしょうね。そして射手座の中心をなす星が2960光年なのではないか、と推測しますが……(大辞泉には載っていませんでした)。ローカルで感想を書いてるんで、あとでWikipediaで確認してみましょう。
ちなみに、私も番号をすぐ語呂合わせで憶えるタイプです。私なら2960は「ニクロム」、0350は「おみごと」と憶えますね(「と」じゃないけど)。それはともかく、このネタがいいのは、これが単なるネタのためのネタではなく、先ほど言った3人の立ち位置を明確にするためのものだということです。これで、秋は見かけほど適当な人間ではないことが判りますし、アスミの部屋にいたケイが偉そうなことを言いつつも番号を憶えてなかったりと、第一印象と逆の性格を持っていることを巧く描いています。そして、最終的にケースを開けたアスミが、このチームで主導権を握ることになるだろうというのをほのめかしてもいて、このあと、この三人の中でどうチームワークが生まれるのか(あるいは生まれないのか)が楽しみになってきます。
ということで、なかなか毎回いろんなことを仕掛けてきてくれて面白いです。かなり好みかも。そういえば冒頭の「アスミの夢」、毎回やってくれるんですかね。あのタッチのアスミがやたらツボにはまって萌えるんですが……。
#追記:どうやら正解のようです。Wikipediaには載ってなかったのでGoogleさんに訊いてみたらこちらのサイトに綺麗な写真付きで載っていました。いて座の散開星団M21が地球から2960光年ですね(よく考えたら距離は相対的なものなんで、「どこから」って書かないと意味がない)。
2005年02月17日 02:20 [2005年1-3月アニメ感想] [ふたつのスピカ]