「何気なく日々を過ごしていると、ぼくらはまったくその大きさに気づかない。自分の目で確かめないかぎり、その力強さはわからない」(ライオンさん)
なるほど!! 前回の予告で出てきた、お父さんがアスミをぶつシーンは巧妙なミスディレクションになっていたのですね。プラネテスでさんざん騙されたというのに、またもや引っかかってしまいました。
第1話で提示された「ロケットの運転手になる」というアスミの夢ですが、まだこの段階では非常に弱々しく、物語を動かす動機づけの乏しいものでした。むしろ、それを狙って1話では先生側に比重を置いていたふしもあります。ライオンさんがアスミに与えたのはひとつの「きっかけ」であって、それが成長するためにはまた別のファクタが必要となります。それが「父親」という存在だったわけですね。小学校の授業参観で、アスミがその夢を口にする。それが思い出となることで再帰的に本当の夢になる。この構造がなかなか面白いと思いました。
そんなわけで、お父さんが怒った理由は、無断で宇宙学校を受けようとしたからでもなく、家の経済状況でもなく、夢をてらいなく語れないアスミの態度にあったわけです。このトリックを成立させるために、前半の学校での、「私のいちばん嫌いなシーン」が存在するのですね。「リリカルなのは」で語った矢先(しかもアスミ、なのはと同じ左利き)だったので、その瞬間には落胆しましたが、故あっての描写であるなら納得です。学校での所在なさを、家に帰ってもそっけない父親の態度とうまくリンクさせ、誤読を誘っています。
そして、一時は父親の言葉を誤解し、夢を諦めようとするアスミを導くのは、やはりライオンさん。一歩引いた立場からアスミを諭すことで、ひいては物語の重要な流れを視聴者に語ってくれる、いわば狂言回しとしての役割を与えられているようです。まあ、観測者原理というものがあるので、「本当はすべてライオンさんが思い通りに駒を進めようとしてるだけじゃないんだろうか」という疑念も湧いてくるんですが、これはミステリ読みとしての悪い癖で、そこまで気にする必要もないとは思いますが。
それにしても、いくら物語上の役割とはいえ、二者面談での先生の態度は酷すぎます。生徒に対して体を横に向けて話をするか!? 心理学的には体を正面に向けないというのは、対話の拒絶を示しているわけで、面談の意味をなさないと思われますが。
2005年02月10日 01:55 [2005年1-3月アニメ感想] [ふたつのスピカ]