2005年01月04日(火)

森見登美彦「四畳半神話大系」(太田出版)感想

森見登美彦_四畳半神話大系「これはもちぐまですね」(明石さん)

 「太陽の塔」[bk1][amazon]で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した方の新作。大森望さんなんかはこれと滝本竜彦「NHKにようこそ!」、川上亮「ラヴ☆アタック!」の間に共通点を見出してたりします。どれも大なり小なり、ダメ大学生の妄想の日々を描いた小説。

 まあ川上亮はちょっと置くとして(秋口ぎぐる名義を含めたライトノベル作品を未読ということもあって)、たしかに滝本竜彦との比較は面白いかもしれません。滝本氏と同様、森見登美彦氏も二作続けて似たような主人公、似たような雰囲気の作品を発表したわけですが、今回のはファンタジー色が強いという点において、滝本氏のデビュー作「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」に対応しているような感じ。一作目でよっぽど「あれはファンタジーではない」とでも言われまくってムキになったんでしょうか、といわんばかりの大技。いや、好きですこういうの。
 ちなみに、アニメでこういう仕掛けを試みた作品といえば、どうかな〜、「アベノ橋☆魔法商店街」あたりですかね。あ、「ToHeart-R」もそうかも(両方の作品に触れた人が少ないと思ってむちゃくちゃ書いてる)。
 それはともかく、そういう趣向も相まって、一作目よりもかなり面白いです。キャラ造形や文体も変わらず魅力的ですし。(個人的に)森博嗣/西尾維新に次ぐレベルかもしれません。しかも、このお三方が揃いも揃ってローカルネタを好んでいるというのも面白いところ。森先生は名古屋、西尾/森見両氏は京都ネタですね。その中でも森見氏のローカルネタの濃度は抜群に濃い。私なんか爆笑してしまうんですが、こんなもん判る人間が日本に何人いるというのか。ほとんどシャレにならんレベルです。

 お、奥付を見たらこれ、今年の1月5日発売になってますね……って明日やん! ということは、先日の私的基準によれば今年分の小説ランキングにノミネート可能ということですか。まあ、あと一年このサイトが存続していればの話ですが(さらっと恐ろしいことを言う)。
[bk1][bk1.jp] [amazon]

2005年01月04日 22:49 []