2005年01月09日(日)

「ふたりはプリキュア」第46話 サイアク〜! 石の力が奪われた〜!?(ABC朝日放送)感想

「ホントホントホント、なぎさは天才だねっ」(久保田志穂)

 今回は、この作品には珍しく、長期スパンの伏線がいろいろと効いていた回でした。ちょっと驚き。

 新年。「あけましておいしそ〜」な年賀状を眺めつつ、新学期の学校へ急ぐほのか。もちろん年賀状が来たのはその日ではないでしょうから、何度も見返していたんでしょうね。ほのかにとってははじめてのなぎさからの年賀状ですし。おそらく届いているであろう両親からの年賀状よりも、ある意味大切だったりして(年末年始くらい両親も帰省してるのかもしれませんが)。年賀メールというのも増えてきている世の中で、実際に中学生・高校生の友人どうしで年賀状を送り合う風習がどれだけ生き残ってるか判りませんが、やっぱりプリキュアの世界はこうでなくちゃ。
 そんななぎさの年賀状は、志穂莉奈にも好評の様子。ほのかも合流して、「いよいよ三学期」。ああ、このあたりの時期って、ほんとにクラスのみんながいちばん打ち解けてくるころなんですよね。それこそ文化祭だとか、合唱とかで力を合わせつつ、多くの時を共有してきた重み。と同時に、お別れの時も迫ってくるわけで……。4人の後ろに現れるベルゼイ、そしてジュナとレギーネ。なんかこの構図が面白いなと思ったら、そうか、昔のアニメの最後のコマでよくあるような、画面の片隅に小さい丸があって、その中にキャラが描かれてるという、あれを思い出したのです。その牧歌的な雰囲気とのミスマッチにちょっとウケました。
 3人の姿が見えない志穂莉奈の隙をついて、ふたりは公園に向かい変身。えぇぇ、また……。いや、これについては後述。けっこう意図的なものかと思いはじめてきました。
 時間がない、と言ってわりと本気モードの三人。なんか、よくわからん動きですな。そしてポルン発動のタイミングを狙って、ポルン=石の力をとらえるベルゼイ。囚われの身となったポルンが、なんかやけにかわいいなぁと思ってしまうのですが。ああ、かわいいものをいじめるなんて、ちょっと許せんなぁベルゼイ。
 そして石の番人・ウィズダムを呼びよせる。え? 番人をカゴに閉じ込めていたことに意味があったのですか! 「私がお前と同じ部屋にいっしょにいて、ただ漫然としていたと思うのか」……すいません、そう思ってました。小山翔子(レギーネ)さんをからかって遊んでたとばかり。執事ザケンナーもちちくりあってるだけだったと思うけどなぁ。
 番人の能力を読み取り、呪文を自ら唱えるベルゼイ。そして7つの石の力がもとに戻ります。おお、某フリーザ様より用意周到ですよ、この人。言い回しもけっこう洒落てるし。
 とり残されるなぎさとほのか。石の番人を取り戻すことを誓い合う。「どんなことになっても、わたしとなぎさはいっしょだよ」と、手を取り合うふたり。そこに「ポルンもいっしょポポ」……おまえな、空気読(略)。
 翌日、志穂に学校で合唱コンクールの写真を見せられるふたり。このね、まわりの友人たちの変わらない態度というのがとっても大事なんじゃないかと思います。けっきょく始業式をサボった(と思われる)ことも触れられないし、この前の合唱コンクールのことも、結果がどうなったかすら語られない。ましてなぎさとほのかが遅れたことも。ただ志穂莉奈、そして夏子&京子が大切にしているのは、みんながいっしょにいて笑い合っていること。そりゃ、普通ありえないとか、なぎさがラクロスの試合に何度も遅れたら信用なくすと思うのも判りますけど、でも、最後には必ずなぎさは(そしてほのかも)戻ってきた。その結果が良ければ、それまでのことは不問に付してしまえる、そういう理想的な世界なのだと思います。
 そしてここで、なぎさの思い詰めた表情を一瞬見た志穂がきょとんとする、このシーンが非常に印象に残りました。そのあとすぐ、莉奈に話しかけられ、明るい話題が続くところも含めて。前回、ひょっとして志穂莉奈たちはプリキュアのことを気づいてるじゃないかと夢想したのですが、気づかれていようといまいと、友人に対する秘密をもっているという状況の重みは変わりません。このシーンが挟まれることで、みんなが笑い合っている「日常」、なぎさやほのかが大切に思っている日常が、実はとても不安定で、かりそめの土台の上に立つものなんじゃないかと思わされるわけです。
 でも、だからこそ。だからこそ、守らなければいけないという想いもまた、より強くなります。蘇る、これまで友人たちと過ごした日々。そしてふたりは、あの丘に立ちます。さなえおばあちゃまが、希望を忘れてはいけないと思い立った、あの丘に。そして眺める、変わらない街の景色、ベローネ学院。いいですね。そういえば今回、回想シーン以外では「大人」がひとりも出てこなかったことも意図的かと思われます。さなえおばあちゃま、あるいはアカネさんを出すことも出来る流れをあえて回避し、ベローネ学院の友人との関係に焦点を絞った構成は、そのまま第二期の骨格を表しているように思います。
 そしてバックに流れる音楽は「☆shining star☆」! 今度は1stアルバム「DUAL VOCAL WAVE」の販促……というわけでもないでしょう。2ndアルバムはベローネ学院の日常を描いたキャラソン集であって、プリキュアの世界全体を網羅しているのは1stアルバムの曲なのですから、当然の選択かと。それに乗せて、本日二回目の変身。展開的に、このまま最後までいきそうなので、この変身バンクも見納めかもしれません(フルバージョンじゃないですが)。そしてこれもひょっとしたら聞き納め?「とっととおうちに帰りなさい!」と言うなぎさの指先が示すのは、すべてを生み出す石の光。そうは言いつつも、次回予告で言った通り「おうちに帰りたい」という気持ちも当然あるでしょう(ネガティブな意味ではなく)。「必ず取り返す」「みんなの笑顔を、もう一度見るために」……微妙にジャンプの打ち切り最終回みたいなのは気にしまい。

 さあ、今シリーズも残りあとわずか。第一期のラスト(25,26話)を思い出すと先行きに不安はあるものの、それすらも今のなぎさやほのかの心境に重なって、ある意味作品構成の妙と言えるかもしれません。ぶっちゃけ、「MaxHeart」(よく考えたら、これを第二期と呼ぶべきなのか?)が発表されてるわけですから、もとの学園生活に戻れるのは既定なのですが。ひとまずの締めとして、納得のいく形になってほしいところ。

投稿者plateau: 2005年01月09日 20:44 [2005年1-3月アニメ感想] [ふたりはプリキュア]