「エゴイスト結構。私もエゴイストだ」(ロックスミス)
無人の街、突きつけられる銃という、あの次回予告から、よもやこんな展開が待っていようとは。いやしかし、実に面白い。
この作品の「面白い」って、三種類あると思うのですよ。ひとつは言ってしまえば感動系。数的にはいちばん多くて、Phase 1, 2, 5, 7(ノノ), 9, 10(ユーリ), 11(テマラ), 15(エーデル), 16(イグニッション), 18(前回)あたり。ふたつめが爆笑系とでもいえばいいようなもの。Phase 4(コリン), 6(忍者), 12(フィー)など、数は少ないながら、その衝撃はすさまじい。そして三番目が、いまひとつ割り切れない思いが残ったままテーマが次回以降に引き継がれるというもの。Phase 3(宇宙葬), 8(ドルフ), 13(帰省), 17(ゴロー、ロックスミス), そして今回がまさにこれに相当します。上二つの話の間にうまく沈み込みつつ、その都度シリーズ全体のテーマを再確認させてくれます。それでいて、一話だけを見てもなお充分におもしろいから恐ろしい。(なおPhase 14については、まさに「ターニングポイント」らしく、この三つの要素がすべてあてはまっていて分類できませんでした。もちろんこれも意図的なものでしょう)
とにかくロックスミス博士が素晴らしく良いですね。「優秀すぎた」ドルフと出逢って(正確には前に何度も逢っていたみたいですが)、どうもこの二人の間で怪しい画策がなされそうです。しかし、テクノーラや連合の上層と違って、その怪しさが厭味でないのが非常に面白い。最終試験で事故に逢った受験者に対して言っていることが、ちょうど昨日の「ナディア」のネモ船長が最終的に下した判断と逆ですね。ひとりのために大勢を犠牲にするか、その逆かで、迷わず後者を採るロックスミス。こういうキャラクタが魅力的に描かれるのは森博嗣先生の小説内くらいだと思っていたのですが、まさかアニメで実現されるとは思いませんでした。希有な作品です。
とと。感想書いてる途中でプリンセスアワーが始まったのでいったん中断。あとなんだっけ……。
そうそう、デブリ課が存続するというのもちょっと意外でした。機雷の事件が対外的に明るみに出て、功を奏したんですね。テクノーラとしてはスキャンダル続きで、煙たがられることに変わりはないでしょうから、今後も安泰かどうかは判りませんが……。あの事業部長も更迭されてはいないでしょうし。
タナベとリュシーの会話も相変わらずいいですね。直前、ハチマキとチェンシンが飲んでる居酒屋のシーンから、回るファン→宇宙ステーションとつなげる演出も定番ながら心憎い。タナベの「なんだかぐるぐる〜」も思い出します。
そしてタナベに連絡をとらないハチマキ。野宿してるから連絡先を教えられないわけですが、何故野宿かと言えば無職だから。じゃあ何故テクノーラを辞めたかというと試験に集中したいから。つまり自分にはフォンブラウン号しかない、片手間では駄目だというふうに話がつながってくるわけですね。そしていっぽう社内公募で選ばれたチェンシン。初めから、次の次ぐらいを目標にしていたという発言にもあるとおり、たしかに彼の姿勢こそが大人として、優等生的なものでしょう。でも当然ハチマキには受け入れられない。子どもの理屈であっても、我が儘であっても。しかし、ということはチェンシンの「(タナベを)僕から奪ったんだから、しっかり捕まえておけ」という言葉も受け入れられないのでしょうね。それこそ片手間以外のなにものでもないと、今の彼なら思うことでしょう。そんなハチマキの想いが今後どう動いていくのか、本当に楽しみです。
で、今度の次回予告も意味不明……。これだけ次回予告が予告になってない作品も珍しい。キャラが勝手にしゃべって予告をしないというパターンはよくあるけど、純粋に映像とセリフだけで騙しにかかってますからね。むしろアンチ予告か。
投稿者plateau: 2004年12月09日 03:44 [2004年10-12月アニメ感想] [プラネテス(殿堂入り)]