2004年12月29日(水)

「ふしぎの海のナディア」(再)最終回 星を継ぐ者…(NHK教育)感想

「あなたの故郷へ帰ってるの」(ナディア)
「違うよ……。ぼくらの故郷さ」(ジャン)

  • ガーゴイルに操られたナディアを撃つことが出来ないジャン
  • エレクトラの指示でN-ノーチラス号がレッドノアに突撃
  • そして、ナディアは自らの意志でブルーウォーターを……
  •  素晴らしい最終回でした。なんか最後にまた尺合わせっぽいカットが入ってましたけど、もしかしてどっか切られました?(ジャンが落とされるシーンが不自然に感じたような……) まあいいです。

     思うに、この作品って「ボーイ・ミーツ・ガール」ものの典型のように言われますけど、その出逢い方はともかく、その後の進展具合は全然セオリーとは違うんですよね。セオリーってのは漠然と、なんの具体例も思い浮かべてませんが、少年側の努力や才能に少女側が惚れ込んでいくという感じの展開ですが。
     ジャンは発明少年ではあるけども、それが実際に役に立つことは少ないし、もちろんナディアもそれを感心することはない。この最終回まわりでも、ジャンがそれほど活躍している感じではありません。もちろん、「ナディアを撃たなかった」という決断は、たしかに大きなものではあるんですが。でも、だからこそ、彼が特別である意味がある。ネモとガーゴイル、アトランティス人と地球人といった大きなテーマの中で、本来はそこにいる必要のない登場人物であるジャン。だから彼に視聴者は感情移入できるわけです。このへんは実は、最近の「美少女アニメ/ハーレムアニメ」における特徴のない男主人公とも共通するのかななんて思ったり。ジャンも生まれてくるのがもう百年ほど遅ければ、もっと大勢の女の子に囲まれて萌え萌えだったでしょうに(って違うぞ)。
     またナディアの「自分探し」も、ジャンの存在によって解決が与えられるという展開になっています。父親であるネモとジャンを選ぶこと。それは、アトランティスの血筋を意識するのか、あるいは自己を地球人として規定するのかの二択につながる。ジャンを愛すること、彼のためにブルーウォーターの力を犠牲にすることで、ようやく彼女はこの地球という星の血脈を継ぐ者となれたのでしょう。
     それにしても、作品に登場するキャラクタを見てみると、大人たちが非常に格好良いですね。もちろん、それぞれに短所もあったりはするけど、それと同時に良いところがある。その中でも、とくに女性キャラが良い。ネモが最後に、グランディス、そしてエレクトラに「子どもを頼む」と言ったのが印象的です(エレクトラには別の意味が込められてましたが)。グランディスなんか、ここまで初見時の印象と反する内面が描かれるとは思いませんでした。そんな彼女ら/彼らに憧れ、そして超えていこうとする少年少女の物語、というのが、この作品を総評するいちばんの言葉だと思います。
     ということで、やっぱりこの作品の主役は……

     マリーでしょう!!

     いや、もうあのエピローグは最高でした。あれだけで名作認定に値します。サンソン&マリーですよー、ベストカップルですよー。え? ナディア? えー、やっぱりダメですよー、だって島編で井上喜久子さんに「いったいナディアは何を考えているのでしょう」なんて言われてるんですよ。そんな主役はいません(おい)。島編はある意味、子どもたちだけに任すとここまでグダグダになるという実例を示すためのものだったと思ってます。しかし、そこでこそもっとも輝いていたマリーこそが主役の座にふさわしい!

     ……そんな感じで、実は初見だった「ふしぎの海のナディア」、堪能いたしました。今この年で観れて、良い機会だったと思います。

    投稿者plateau: 2004年12月29日 21:11 [2004年10-12月アニメ感想] [ふしぎの海のナディア]