2004年07月02日(金)

大岩ケンヂ×滝本竜彦「NHKにようこそ!」1(角川コミックスA)感想

「考えたら負けデス」(山崎)

佐藤達広、22歳。大学を中退し、今をときめくひきこもりの真っ最中。そう俺は気づいてしまった。世の中には陰謀が存在する。そうこれはすべてNHK……日本ひきこもり協会の陰謀なのだ! NHKから身を守るため、ひきこもり脱却への闘いは続く。隣人の後輩・山崎とエロゲー作りに励んだり、宗教勧誘に来た女の子・岬ちゃんのカウンセリングを受けたり、充実の日々。しかしそんな日常とは裏腹に、彼の心はどこまでも堕ちていくのであった……。

 素晴らしい。買ったときにも言いましたが、原作本[bk1][bk1.jp] [amazon]の重要シーンを完璧に映像化しつつ、さらにダメダメ度上昇のエピソードの数々。いやぁ、本当にエース連載で、ここまでやるとは思いませんでした。ニシムラリカ・小学生盗撮・宗教勧誘・秘密ノート……これだけ書くとヤバい作品のようですが、大丈夫。その想像を遥かに上回っています(おいおい)。これでも序の口なんですけどね(60ページの山崎君のセリフもやっぱり改変されてましたし)。さらに後半のアレやソレまで、果たして本当にやれるのだろうか……。でも途中から、微妙にオリジナルエピソードが出てきているので、少し違った方向性を目指しているのかもしれません。
 しかし、小説のマンガ化で、ここまで原作を理解しつつ、その上微妙に違ったテイストに仕上げた例は他にもないんじゃないでしょうか。小説のほうはですね、読んでると本当に死にたくなるので……。滝本さんの文章の独特の味と言うか。それがいったん客観的に視覚化されると、まだ救いが出てくる……のかも。まあ、まだ連載は続いていますし、これからどんな展開を見せてくれるか期待ですね。小説の、空前絶後の美しさと切なさを誇るラストだけは変えてほしくないところですが。
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投稿者plateau: 2004年07月02日 00:08 [マンガ感想]