「意味が判んない」「だから<<意味判らせてやんねー世>>なんだって」
ようやく読みました。正直、最初の50ページくらいで読むのやめようかなと思ってしまったのですが、前評判もあったのでなんとか読み進めました。読み終わってみて、その甲斐はあったと思います。
清涼院流水という超絶の才能によって生み出されたJDCワールドを借景として紡がれる世界。それはもはやJDCに留まらず、流水大説の世界までも呑み込み、徹底的に変質されてしまっています。基本的に流水大説を高く評価している身としては、随所に見られる「言葉遊美」のパロディに大爆笑。ある意味で原典を凌駕しているとも言えるんですが、それも原典がああいう作品で、しかも舞城王太郎がこういう作家だからなんでしょうね。単なるトリビュートに終わらせず、むしろ他のどの作品よりも自分らしい世界を作り上げています。たしかに同じJDCトリビュートに参加した西尾維新が、「ダブルダウン勘繰郎」をほとんど同人誌的に書いたのとはまるで対照的です(ちなみに当然ながらここで「同人誌的」というのは否定的評価を含むものではありません)。もちろんそれは世代的なもの、あるいは舞城氏が流水氏より以前からメフィスト賞に応募していたという経歴もあるんでしょう。
それにしても、この物語のメタ的な構成が、ライトノベルの某シリーズにかなり共通してるのは面白いですね(発行日順ではこっちが先)。あちらでは何巻も通して見えてくるものを、こっちでは一巻でやってしまうという違いはありますが。
まあ結論として、舞城王太郎を語るための十分条件とはいえないまでも必要条件ではあるのかな、と思います。すくなくとも、これを読まずして「好き超」(検索回避のため略称)を批判することがいかに無意味かというのは強く感じました。って……自分あっち読んでないやん……!
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