2005年05月19日(木)

「ふたつのスピカ」第16話 アスミの桜(NHK教育)感想

「なれるといいな、ロケットの運転手」(島津)

 おあー、唯ヶ浜の桜の木は、一年中桜が咲き続ける初音島のとは逆に、花が咲かない木だったのかー。やっぱこういうギミック、好き好き(以下略)。

 しかしなぁ。何なんだろうなぁ、このクラスメイトたちは。ここまで嫌悪感をもよおす描き方をせんでもいいと思うんですがねぇ。もう最初から最後まで私の逆鱗に触れっぱなしで、純粋にお話を楽しむこともままなりませんでした。まあ私の方の問題なんですが。
 そんな中で、アスミのことを理解する数少ない人間、島津くん登場。アスミの悪口を言う人間以下の存在を足で蹴つまずかせる彼の行動、これ、宇宙学校の入試での府中野くんの行動と同じですね。小学生の頃は自身でアスミをいぢめてた府中野くん、今回の時点でも自分からアスミを助けようとする行動には出ていないのを見ると、この島津くんとの出逢い(そして別れ)を経て、その役割を受け継いだとみていいでしょう。
 入院生活が長く、窓から見える宇宙に興味を持ったという島津くん。これまた、万里香ちゃんと同じ、「切り取られた星空」ですよ。しかし、彼女と違うのは、島津くんの体験はすべて彼の口から、過去形として語られるのみであって、作中で現在進行形としては現れないということ。さらに言えば、このエピソード自体が「過去時制の話」として、宇宙学校の「今」に直接影響を及ぼさない形で、1話の中に押し込められていると言うのが、島津くんの影響力が限定的であることの証左だと思います。
 死んだ人間には勝てない、という言は真実ですが、それは思い出が固着され、美化されるのみであるため。美しいけれど、それ以上の発展は望めない。それ単体では、未来への原動力とはなりえない。これと対照的なのがライオンさんの扱いで、彼岸の住人という点では彼も島津くんと同じはずだけれど、彼は何故か現世にとどまり、アスミに影響を及ぼし続けている。だから最初の数話のアバンで「わたしのゆめ」として、アスミが父親とともに宇宙へ連れて行ってあげるということを繰り返し確認されている。いっぽう島津くんも今回の中で同じ約束をしてるのに、その後のアスミの言にもまったく現れてこない。可哀想ではあるけど過去の人として仕方のないことでしょうね。
 もちろん、アスミの中で島津くんの存在がまったく消え去ったかというと、そんなはずはないと思います。たとえば14話ラストの佐野先生との対話でも、確実に彼女の胸にはこの思い出が去来してたはず。「自分と同じものが見えていた」というアスミの言葉に呼応するように、今回の話でも、アスミの瞳の奥にズームインしていって宇宙に至る、というエウレカセブンっぽい演出が見られますし。
 ただまあ疑問点はあって、ここまで物語が進んでからこの話を出してきた理由がちょっとよく判らない。万里香ちゃん話のクッションとして通底するテーマがあるようにも思えますけど。なにより島津くんについて今まで伏線らしきものがほとんどなかった(見逃してるということもありえるけど、気づかなかったらそれこそ伏線の意味がない)ので、さすがに唐突な印象がぬぐえません。

 でもでもー、中学生アスミがやたらにかわいかったからオッケー! 宇宙学校の今よりも微妙に髪が長くて、実にツボにはまる萌え具合。返す返すも、こんな娘がクラスで孤立してるなんて信じられません。つくづく、萌えの概念を理解しない輩というのはどうしようもないものですね。

投稿者plateau: 2005年05月19日 02:40 [アニメ感想] [アニメ/ふたつのスピカ]