「こんな危ねえもん、喧嘩で使うな! 俺の船がぶっ壊れちまうだろうが!!」(ハチマキ)
素晴らしい。これまた極上の傑作回。
予想通り、連合の議長の「バカ息子」・コリン再登場。しかし今回はれっきとした連合の一員として。実力も実質的な地位も持っていなかった4話の場合とはまったく違う物語がここで描かれます。前回は、コリンの私的な行動でデブリ拾いをさせられることになって、それに反発したタナベの愛が炸裂。しかし、今話で回収したタンデムミラーは、それこそ人類の歴史をも揺るがしかねない存在。ここまでの対比の仕方はある意味定石通り。さらにここからクレアの存在によってもう一度価値観がひっくり返されるところがプラネテスのプラネテスたる所以。「あなたの愛は薄っぺらい」というのは、前回の予告にも出てきて期待のセリフでしたが、またこういう文脈で使われるとは思いませんでした。
そしていっぽう、ハキムと対峙するハチマキ。もう一語一語に体が震えっぱなしです。父親・ゴローの言葉を反芻しつつ非情になろうとするハチマキですが、またもうひとりの自分が顔を出したり、心の中では揺れ動いているのを必死で隠そうとしているようです。ハキムの正体もまあ、各地の感想でそれらしきことは匂わされてたんですが、やはり衝撃。クレアとハキムの出自といい、吐かれる言葉といい、すべてが完璧に対応しています。
そう、このクレアVSタナベ、ハキムVSハチマキというデュアルシステムこそが今回の最大の評価ポイント。まさにタンデムミラー中の捕捉電子のように、タナベ、そしてハチマキに協調してきた視聴者の意識は両エピソード中にトラップされます。
また、このふたつのエピソードがまったく断絶しているのも特筆すべき点。予告でミスディレクションされたような、ハチマキをめぐってのクレアとタナベの闘いとか、そういう流れにならなかったのは驚愕です。ハチマキとタナベも、TV電話のディスプレイを通して、わずかの時間通じ合うのみ。ただし、この唯一の接点をユーリがつないだというのが気になるところです。家族にしか知らされない電話番号を何故ユーリが知っていたかと問われ、フェレットを人質にとったと答えてますけど、なんか怪しい。ユーリといえばそう、ハチマキの弟、九太郎ですよね。当然、彼もそのうち再登場するでしょうし、そのあたりからハチマキとタナベの関係もまた変わっていくのかもしれません。
エピソード中に、これまでの伏線がさりげなく、しかし大量に生かされているのも毎回感銘する点です。宇宙解放防衛戦線は待ってましたー! という感じ(いや、なんか不謹慎な言い方ですが)。フィーの喫煙ボックスも冒頭で出てますし。ノノが撮ってるギガルトのビデオレターも気になります。あと、ハチマキがハキムを撃とうとしたのって、エーデルの回で出てきたやつですよね。
またプリンセスアワーまでに感想書きが間に合わなかった……。一度テンションを変えると書き継ぐのが大変です。いや、この作品だけはもう戯言の介在する余地もないくらい群を抜いていて、まともな解析をするにもなかなか力不足が否めないんですが、あと一ヶ月弱、真剣に追い続けていきたいと思います。
あ、そういえば今朝(っていうかもう昨日か)の朝刊で知りましたけど、この後枠って「ふたつのスピカ」やるんですね。2月3日から。逆算するとプラネテスは来週も新年5日も通常放送ですか……。無論、天変地異や大事件が起こらなければですが。
投稿者plateau: 2004年12月23日 03:27 [2004年10-12月アニメ感想] [アニメ:殿堂入り/プラネテス]