「バカにするのもいい加減にしてよね……。バラバラ? ひとりじゃなにもできないって? そんなの当たり前じゃない。みんなもともとひとりじゃない。あたしがあたしのために、ほのか捜して何が悪いの? 自分を大切にして、何がいけないの? ひとりじゃ何もできなくったって、わたしにできることはたっくさんあるんだから。そんな当たり前のことの……どこがいけないのよ!!」(キュアブラック・美墨なぎさ)
素晴らしい。やはり傑作という言葉はこの回のためにあった! 第二期「MaxHeart」、さらに映画化も決定とのことですけど、その期待感を高めるに充分すぎる話でした。
こういう回では戦闘部分の比重が高くなるのは当然のことなのですが、その前の日常シーンが短くとも非常に印象的であったのが良かったです。アカネさんのたこ焼き屋の前で談笑するなぎさと志穂莉奈。前回のラクロス大会を受けて、アカネさんが「勝ち負けだけがすべてじゃない」というのはちょっと意外でしたけど、勝った側に対してそう言うのは良い印象ですね。負けた相手に対して言うと慰めっぽいし、はじめから勝負をしようとする気がない人間に対して言う言葉でもない。アカネさんやっぱり大人だなぁ。で、自分に大事なものはなにか、という話題になって、「虹の園と光の園」と口走るなぎさ。藤P先輩の前にそれを考えるあたり、だんだん彼女の意識が変わってきてるんでしょうか。と、そこにほのか。大事なものはなにかと問われると、「人間の体の70%は水分」とか、うんちくをつらつら……。それを聞いて帰ってしまった志穂莉奈に「外したかな?」って、狙ってたんですかあなた! というかむしろ、志穂莉奈を帰すために言ったんじゃないかとすら思えてきます。そうか、この前のお泊まりでもこの作戦で邪魔者を追い返したんですね間違いない。なぎさに「いじわる〜」っていうほのかが異常にかわいい。このベローネ学院指定コートも似合ってます。
銀杏並木の下のベンチに座るふたり。このシーン、美しくていいですね。さらに後で思わぬ意味が込められてることが明らかになるんですが……。そしてジュナとレギーネ登場で、ふたりはプリキュアに変身。と思う間もなく、ほのかは闇に連れて行かれてしまう。「ひとりでは何も出来ない」と言うセリフ、このために敵側はたいていひとりで来てたんでしょうかね。
このへんで実はちょっと心配してたんです。「ふたりでいるのは、けっきょく自分のため」と言うベルゼイの言葉が強調されていて、なぎさが「自分が大事」ということ自体を否定するんじゃないかと思って。「自分のためじゃなくって、この虹の園を守るために!」とか、そういう飛躍はあんまりこの作品に似合わないなぁと思っていたんですが。しかし、冒頭にあげたキュアブラックの言葉で安心しました。相手の挑発の言葉に単純に反発するんじゃなくて、ある意味開き直る。このあたり、キュアブラック、というか、なぎさらしくて好きです。
そのきっかけとなった、メップルとのしりとり。前半でのポルン・メポミポのしりとりギャグがこんなふうに生きるとは! 全部「ポ」で終わっておいて、言葉が尽きると「ホでもいいメポ」……「ホ……ほのか」!!! うわー、神がかってるぞ、この展開! 屈指の名シーン。そしてこの流れで、プリキュアのときでも互いを「なぎさ」「ほのか」と呼ぶのも実に良い。「プリキュアだから、ふたり」ではなくて、「なぎさとほのかだから、ふたり」。それでこそ、これまで積み重ねてきたエピソードが生きてくるというものです。
闇にのまれたキュアホワイトを助け出し、光を背に立つキュアブラック。ここに限らず、光と闇の演出が冴え渡っています。キャストを見ると西尾大介氏も演出に入ってますね。やはりブラックはヒーロー、ホワイトは希望を捨てないヒロインという役割が与えられているようです。
そしてポルンも登場して光のパワーを受け取る。そのまま、すぐにプリキュアレインボーストームに行かないところが心憎い。今回はずいぶん戦闘シーンもすごい動きをしてました。
そして翌朝。プリキュアでいたときの表情と、日常の表情の落差に安心を覚えます。「志穂ー、莉奈ー、じぶん大事にしてるー?」というなぎさ、いいですね。そりゃ莉奈もつられるというものです。それをちょっと離れて見つめるほのか。この4人の位置関係って、やっぱりこれでいい気もします。4人並んで歩いてたり、いっしょに昼食を食べたりするというよりも。
さて、これでベルゼイたちも、ジャアクキングすら敵に回して己の保身に走ることになったようで、いよいよ流れがはっきりしてきたようです。新シリーズは2月6日から開始とのことなんで、今のシリーズはあと7回くらいでしょうか。この調子で最後まで突っ走っていってほしいところです。積み残しのキリヤのこととかも、今期で動きがあるのかどうかも注目。
投稿者plateau: 2004年12月05日 21:32 [アニメ感想] [アニメ/ふたりはプリキュア]