「ここにはなんでもあるけど、なんにもないよ」(アルス)
何事もなかったかのように通常放送再開。夏休み放映から入った人がどれくらいいるのか判りませんが、けっこう落差があるようで、それなりに話はつながるのかも。とりあえず、魔女界と敵対(?)している魔族の少年・シグマに連れられ、真の魔導書の意味を知るために魔族の国にやってきた、というとこだけは押さえておきましょう。
しかし、魔族の国がこんな世界だとは。かなりわかりやすく、人間界(というか現代日本)を模してますね。そもそもそういう世界にうんざりしていたアルスが反発するのは当然のこと。一方でこれまで描かれてきたとおり、魔女界のように「伝統」を金科玉条のごとく振り回す姿勢にも与しないわけで、いよいよアルスの、良くも悪くも「理想」を追う面がはっきりしてきた感じです。ここで重要なのは、ウィザードキングダムへ向かう前の辺境(スラム?)のシーン。乞われるまま食べ物を恵んでしまうアルスですけど、このへんもきっと後々効いてくることでしょう。
しかし、シーラの目に映ったウィザードキングダムは、やはり輝いていたことでしょう。それはあたかも、幕末の日本人が見た欧米のごとく、自らの伝統を重んじ反発する心もありながら、抗い難い憧憬が芽生えているかのような。それを思わず口に出しながらも、エバのように率直な行動にも出られないシーラ。ああ、でもそれを読み解くためには11・12話の「あの人」の存在が必要なんですね……。うーむ、やっぱり一挙放映が追いつかなかったのは惜しい。