2004年08月13日(金)

我孫子武丸「人形はライブハウスで推理する」(講談社文庫)感想

腹話術師・朝永嘉夫は、その使い人形、鞠小路鞠夫があたかも別人格のように勝手に話し出してしまう二重人格者だった。そして、その鞠夫は実は名探偵。毎度、何故か舞い込む難事件をバッタバッタと解決する。しかし、恋人の保母・妹尾睦月との関係はなかなか進展しないのであった……。

 あれ? 文字が、遅れて打ち込まれてるよ?(単なるメモリ不足)
 「新本格」ミステリ作家第一世代の中でも、とりわけユーモア溢れるユニークな作品を見せてくれる我孫子武丸さん。「8の殺人」とかの速水三兄妹シリーズではいちお萌えな私ですが、この「人形シリーズ」でも個性的なキャラクタ描写が楽しいです。
 短編集一編、長編二編の前三作までで、かなり進行したおむつ(妹尾睦月)と嘉夫との仲(何故か目録からは「人形は眠れない」が消えてるけど……)。今回の六つの短編で、それが事件を通して少しずつ変化していく、連作短編らしい趣向が抜群。ラストの「夏の記憶」なんか、ほとんどショートショートといってもいいくらいの短さですが、とある仕掛けにはうならされました。久々に良いミステリィの見本を見たといった感じです。
 好きな一編は、「ママは空に消える」。「ママは、お空の上のおばちゃんのところに行った」という園児の言葉を手がかりにした一種の暗号ものですが、本気でこんな作品を書くとは……パロディなのかと思ったくらい。
 巻末には、我孫子さんといっこく堂との対談も収録。これ、ノベルス版のときにやったやつだと思うんですけど、ここで出た話はその後どうなったのだろう……。
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投稿者plateau: 2004年08月13日 15:06 [読んだ本の感想]