「若いっていいわねぇ〜。うらやましいわ。勢いだけで突っ走れちゃったりなんかしちゃったりして」(ポイズニー)
二時間以上かけてもちっとも文章がまとまりやしない。どうなってんでしょう……。
相変わらず、前半は「大丈夫か?」と思いながら後半で怒濤の展開を見せるという。しかし今回はいろいろなことが破綻寸前で、あまりにも重すぎる。
とはいえ、批判するなら対案を出すべしというのが基本姿勢だと思うので(といいつつ自分もあんまり守ってませんが)とにかく読み解く、それだけです。
実はここんとこ、密かにdokoikoさんのほぼプリキュアの決意を購読しています。そのおそるべき分析と真摯な姿勢には畏敬の念すら感じてしまいます。
dokoikoさんは、前回のラストでイルクーボが「プリキュアが成長している」と言ったのが勘違いだという読解をされています(こことか)。その頭があったので、今回の冒頭でなぎさまで同じことを言っていて違和感を覚えたのですが。でもそれは(制作側にとって)意図されたことのはず、というところを今回のとっかかりにしましょう。
プリキュアの成長。あるいは、なぎさとほのかの成長。「成長」を感じるためには、当然比較対象としての「過去」が必要です。
それが端的に現れていたのが、ほのかを見分けるところ。あの伝説の8話の日記の名台詞を使ってくるというのはすごかった。あのとき遠くで鳴っていた電車の警笛。そして今、ふたりは電車の中に。空間的距離の遠近で時間的距離を表すという妙。作品内で、時間は確実に流れているということを実感しました。
ほのか(本物)の語った「なぎさの姿」。単なるプロフィルだけではなく、「そこまで言う?」なことまで。ふたりの距離は確実に縮まっています。けれどそれはあくまで、「なぎさとほのかの成長」なわけで。
プリキュアの力としてみたときには、私は逆だと思っていました。例外的展開の前回を除けば、ポイズニーに翻弄されっぱなしだったここ数回。キリヤがいなければ、終わっていたことも。
だから、突然、焦燥感にかられた言葉を吐き出しながら攻撃を繰り出すポイズニーにもまた、違和感を覚えました。何故彼女はそれほど追いつめられているのか。何故、策士らしくもなく感情的な言葉をプリキュアにぶつけるのか。
キリヤの動きに勘づいていたらしき描写が前にあったので、この線でくるのかなと思いきや、違った。
説教ともとれる言葉を投げつけながら必死の攻撃を仕掛ける。この構図はまさに、ピーサードがやられた5話と同じです。まさかと思ったら本当にポイズニーは倒されてしまいました。
予想外です。実に予想外。キリヤの伏線はどうなった? まだまだポイズニーの役割はあったのでは?
と、しかしひとまずそれは後回しにして、プリキュアの成長について話をすませましょう。
ちなみに、過去の回の感想ですが、今読み返すと自分、最初のほうむちゃくちゃなことを書いてるなという感じ。思わず消してしまいたくなるくらい。あのころは今と比べても更にアクセス数も少なかったし、正直覚悟が足りなかった。
かように若さとは、経験不足とは恐ろしいこと。実はプリキュアにとって、ポイズニーとは圧倒的にまぶしい存在として見えていたのでは?(比喩的にも逆説ですが)
ピーサードのときとは明らかに違います。あの段階ではふたりはまだプリキュアとしての連帯感も使命感も薄かった。なにより彼は異性であるという点で、決定的に理解不能な他者として見えていたはずです。
しかし、ポイズニーは大人の女性。ある意味ふたりの写し絵。これを思うと前々回の鏡というのは意味深いですが。
キュアホワイトは「あなたたちが勝手に思い込んでるだけ」と、ポイズニーが勝手な論理を振りかざしているように言っています。
でも、それは違う。
いや、本当はふたりも判っているはず。
前回のイルクーボが、実に良いクッションになっていたことに改めて気づかされます。イルクーボはさらに圧倒的な他者。絶対的な力の差。
ポイズニーは、そこまではいかない。すくなくとも表面的には語り合う言葉を持ち合わせている。
だからこそ、辛い。
蛇足ながら、よりふたりに接近しているキリヤなんかはもっと辛くて、それはまさに次回の話のようですけど。
擦れ違うというのが一番辛い。はじめからかすりもしなければ、相手は別の世界の人間なんだとあきらめもつく。でもなまじ手が触れてしまうだけに、その手を握りあえないのがもどかしい。
今回のところは、それでもふたりは手をつなぎあえました。その手で、ポイズニーを闇に返すことには成功しました。
でも、これから先も、そうである保証はない。
今回の話で一番特異なのは、闘いが終わった後の安堵感がほとんど感じられないこと。やり場のない、怒りともつかない淀みが澱となってふたりの、ひいては視聴者の胸に残る。そういう意味で、実は今回の話はしっかりと終わっていません。カタルシスがなされていない部分があるように思えるのです(これについて今のところ、正否の判断を下すには至っていません)。闘いそのものへの無力感はゲキドラーゴ編でも描かれていましたけど、あのときは日常の描写が卓越していましたからね。今回は(「またみてね」に出てたのに)志穂莉奈も出てきませんし。ふたりの家族も出てこない。
だからこそ、今後の展開の重要な鍵はそこではないかと。ここからは考察を逸脱した、なかば願望のようなものですが。
ポイズニーがつきつけた命題に、けっきょくふたりは答えられなかった。
若くて、未熟で、でもそれでいいんだと言ってくれる人がふたりにはいない。家族にも、友達にも言えないプリキュアの秘密。
もちろん思春期の彼女たちにとって、一般論としても「ふたりだけの秘密」は家族にだって言えない大切なこと。でもでもね、だからこそ、本当は判ってほしいって思う。ふたりのせかいを(これを逆にすると、ふたりが世界になってしまう「きみとぼく」な世界にはまってしまうんですが、さすがにそれはやらんでしょう)。
支えてあげられる人が、今のふたりには必要。
ほのかのおばあちゃんでもいい、なぎさの両親でも、亮太くんでもいい。
志穂莉奈でも、藤P先輩でも、木俣でもいい。キリヤでも……
キリヤ!? そ、それはある意味最悪の展開ですが。でもこれで、キリヤの立ち位置が非常に重要になってきます。何度も言いますが、彼という仕込みがなければ物語は終わっていました。
さて、最後にポイズニーの解析に移りたいのですが、書いていくうちにどうしようもなくおさまらなくなってきました。後で書くと言っておいて書かないという土屋賢二教授みたいな手法もありですが、とりあえず簡単に。
理系的に言えば、この命題は境界条件が不足していて解けない、正確に言えば解は一意に決まりません。
何故かと言うと、前回の話からポイズニーの描写がほとんど抜け落ちているので解析のしようがないのです。この「空白の時間」で彼女がなにを考えたか、それが明らかにならない限り(今後も明らかになりそうにはないですが)、答は出ない。
番組制作として、この手法は明確に正しいです。ひとりひとりの敵について、そんなことを綿密にやっていると作品自体が収まらなくなってくるでしょう(そういう意味でもキリヤは特権的)。基本的に一話完結のスタンスを守るのなら(個人的に大賛成ですが)、これ以上ひとつの回に要素は詰め込めませんし。
もちろん、それを想像によって補完して解析することは可能ですけど、そこまでやると私の本分から外れてしまうように思います。
いわば、「これは私の仕事ではない」ですか。
(そういうこと言うのは大概まわりの人間に首つっこまれる巻き込まれ探偵なんですけどねっ!)
ま、解法に必要な公理だけを提示しておきましょう。
概して、相手のことを批判するのは、それはとりもなおさず相手が自分と同じ側面を持っているからで。何度も言うように、なぎさ(キュアブラック)のように「関係ない」と言ってしまえばそれで言葉は尽きてしまう。
だから、ポイズニーにも、なにかそういう面があったのかなー、なんて。
さあさあ、だんだん文体がいつもの調子を取り戻してきましたよ!(壊れてるだけとも言う) そろそろこのぶっちゃけ長過ぎな駄文をまとめないと。
しかし本当にポイズニーまでサヨナラで、このペースで本当にこの話は一年続くのでしょうか。それを思うといつもいつも末恐ろしい。けっこう得難いキャラが消えていくのは不安材料でもあるのですが、これって、そうか、西尾維新みたいなものかな? お。ってことは新たな萌えキャラ登場ですね兄さん!(痛いなー)
しかししかし。来週はおやすみ。うわぁぁん! 政治か! これが大人社会の政治力なのか! くそうぅぅ!!
投稿者plateau: 2004年06月13日 12:40 [アニメ/ふたりはプリキュア]