つづき。
「いたた……あーあ、コートが雪でびしょびしょだよー」
「まったく、気をつけろよ」
「うわー、さむいよー。晶哉くん、コート貸してよー」
「何言ってんだよ……おれだって脱いだら寒いっての」
「むー……あ、また雪降ってきた」
「うわ、ホントだ……もう冬も終わりだってのに、よく降るよな……」
「…………」
「ん? なんだよ、たおる、人のコートじっと見つめて……そんなに寒いのか?」
「ううん、そうじゃなくて……。晶哉くんのコートに、雪が降ってくるのを見てたら、なんか不思議な感じがして」
「は? 何言ってんだ?」
「雪がね、こうやってぽつんと舞い降りて、ちょこんとコートの上に乗っかるの。そうして、ほんのちょっとたってから、じわっと消えてくんだ。あたしのコートはさっき濡れちゃったから、そんなふうにならないのに」
「ああ……おれのコートはフリースだからかな……体温のせいかもしれないけど」
「晶哉くん。晶哉くんと一緒に雪を見るのって、これで何回目かな」
「え? さあな……そんなの数えてないだろ」
「あと、何回くらいあるのかな……」
「…………」
ぽん。
「え? 晶哉くん、これ……」
「帽子だけでも、ないよりましだろ。さ、早く学校行ってストーブであったまろうぜ」
「うん!」