「わー、雪だ! みてみて晶哉くん、雪が積もってるよー!!」
「うるさいなぁ、朝っぱらから……たおる、お前ふだん寝坊するくせに、どうしてこういうときだけ早起きなんだ……」
「それは日頃の鍛錬のたまものだよっ!」
「意味判って言ってんのか……?」
「はやく学校行こうよー! はやくしないと、みんなが歩いて歩道がぐちゃぐちゃになっちゃうよー」
「それは平安時代の昔から変わらず嫌な光景だな」
通学路。
「……って、だからってわざわざ誰も通ってない脇道を歩かなくても」
「だってー、さくさくって足音が気持ちいいんだよー。足跡がきれいにつくのも嬉しいし」
「足跡を残したくないミステリィの犯人ならいっぱいいるが、足跡を残したいって奴はあんまりいないだろうな」
「それに、ちゅうとはんぱにみんなが歩いて雪が融けたとこより、すべりにくいんだよー」
「あまりこの時期に言う発言じゃないな……」
「? どういう……うわっ」
ずぼ。
「……だいたいお前、ふだんからなにもないとこで転ぶだろうが」